怖い絵 の商品レビュー
西洋絵画の中の怖い絵。 怖い、と一口に言っても様々。 パッと見て恐ろしいと感じるものから、その時代背景・共通認識を知って空恐ろしいと思うものまで。 かつては絵の中に隠された意味を探って遊ぶのがサロンの流行であった時代もあったらしい。今で言うミステリ小説みたいなもの? 特に印象...
西洋絵画の中の怖い絵。 怖い、と一口に言っても様々。 パッと見て恐ろしいと感じるものから、その時代背景・共通認識を知って空恐ろしいと思うものまで。 かつては絵の中に隠された意味を探って遊ぶのがサロンの流行であった時代もあったらしい。今で言うミステリ小説みたいなもの? 特に印象的だったものを何点か。 ブロンツィーノ「愛の寓意」 ブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」 アルテミジア・ジェンティレスキ「ホロフェルネスの首を斬るユーディト」 ベーコン「ベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作」 グリューネヴァルト「イーゼンハイムの祭壇画」
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本屋の平積みを手に取ったときは、軽い読み物風だったので食指がのびなかったが、NHK「知る楽」で、独断的かつ通俗的なのが気になって読んでみた(TVだからそう見えるので、本ではもうちょっとちゃんとしているのかもと思って)。 「知る楽」初回のダヴィッドは、この本でも取り上げられていて、...
本屋の平積みを手に取ったときは、軽い読み物風だったので食指がのびなかったが、NHK「知る楽」で、独断的かつ通俗的なのが気になって読んでみた(TVだからそう見えるので、本ではもうちょっとちゃんとしているのかもと思って)。 「知る楽」初回のダヴィッドは、この本でも取り上げられていて、同じような論調。ダヴィッド(のスケッチ)が、著者の大好きなマリー・アントワネットに悪意を抱いたものと断じ、ダヴィッドについて悪意に満ちた記述をしている。そう思うのは勝手かもしれないが、王政復古後ベルギーに亡命したダヴィッドが零落した等の、事実を捻じ曲げる記述は問題だと思う。 「悪意」のフィルターはNGで、美化はオッケーというのはダブル・スタンダードじゃないのか、とか、それならゴヤの辛辣な「カルロス4世一家」だってダヴィッドと同じことじゃないのか、とかのダブルスタンダードっぷりもどうかと思ったが、著者は研究者ではないので、学術的誠実さを求めるのは筋違いかもしれない。 よみものとしては面白く、平成の桐生操(?)と思えばいいのかも? ただ、ハプスブルク家についての著書がある割りに、オランダについて「侵略統治者」だとか(婚姻による継承なのに)、なんつっても、織田信長が尾張「藩主」だとかはあんまりでは。 しかし、取り上げた絵画を見たいと思わせる筆はたいしたもんです。
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始めは「怖い」を無理に足している件も有ったが、後は様々な意味の「怖さ」に変わったのでこじつけ感が薄くなって良かった。 「不安」「寂寥」「画家の目」等、怖さを思わせる印象を持つ絵画。 色彩や描写で怖さより違った印象を持つ絵も多かったが、人それぞれの解釈を知るのも面白かった。 絵画の...
始めは「怖い」を無理に足している件も有ったが、後は様々な意味の「怖さ」に変わったのでこじつけ感が薄くなって良かった。 「不安」「寂寥」「画家の目」等、怖さを思わせる印象を持つ絵画。 色彩や描写で怖さより違った印象を持つ絵も多かったが、人それぞれの解釈を知るのも面白かった。 絵画の掲載が見開きに掛かって、凄く見づらいのはかなり難点。
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知識を持って絵を見ると、よりその作品を楽しめると思った。わたしたちは画家に試されているのですね。クノップフの『見捨てられた街』を見て、不安な気持ちになった。不安や恐怖も、感動の1つなんだと思った。
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美術館で絵を見ても好みかどうか、何が描かれているか、なんてことを考える程度だったが この本を読んで画家の心情、時代背景を頭に入れて絵をみると面白い!と感じた。 今ならば何でもないシーンが全く別の印象になってしまうのが興味深い。 それを「怖い」とするかどうかは人それぞれなんだろうけ...
美術館で絵を見ても好みかどうか、何が描かれているか、なんてことを考える程度だったが この本を読んで画家の心情、時代背景を頭に入れて絵をみると面白い!と感じた。 今ならば何でもないシーンが全く別の印象になってしまうのが興味深い。 それを「怖い」とするかどうかは人それぞれなんだろうけど。 作者の言っていた通り、パッと見で怖い絵もあったけど、背景を知るとなお怖い。 惜しいのは絵の写真が小さかったり見開きで中心部分が見えづらかったりした点。 本のサイズ上仕方ないところか。 写真集なんかでしっかり見てみたい。
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全く知識が無くても楽しめる様々な『怖い絵』。 一枚の絵から読み取れる恐怖にゾッとしながらも、おもしろいと感じられる一冊。
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友人が貸してくれました。ナルホドねええ!と思いつつ「怖く」はない。アイキャッチなタイトルですこと。西洋名画の主題に潜む物語、ってとこ?まあしかしこのタイトルだからここまで売れたのだろう。久世光彦の同名の本のほうがよっぽどコワかった。だが絵の背景はけっこう読んでて面白いものです。普...
友人が貸してくれました。ナルホドねええ!と思いつつ「怖く」はない。アイキャッチなタイトルですこと。西洋名画の主題に潜む物語、ってとこ?まあしかしこのタイトルだからここまで売れたのだろう。久世光彦の同名の本のほうがよっぽどコワかった。だが絵の背景はけっこう読んでて面白いものです。普段(その絵が)好きか嫌いかだけで評価してるので。汗。
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ワタクシ個人はあまり絵画には詳しくなかったのですが、とても勉強になりました。興味深く読ませていただきました。 ただ、ページ跨ぎで絵を載せるのはどうかと思います。
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一目絵を見て恐怖と不安を感じる絵もある。 本書でいうとルドン「キュプクロス」ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」。 もう見たくない。 しかしじっくりみるとじわじわと恐怖を感じる絵がおもしろい。 ドガ「エトワ-ル」クノップフ「見捨てられた街」ホガース「グラハム家の子ど...
一目絵を見て恐怖と不安を感じる絵もある。 本書でいうとルドン「キュプクロス」ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」。 もう見たくない。 しかしじっくりみるとじわじわと恐怖を感じる絵がおもしろい。 ドガ「エトワ-ル」クノップフ「見捨てられた街」ホガース「グラハム家の子どもたち」ブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」背景をしり、再度絵を見ると、ぜんぜん違う。 ベーコン「ベラスケスによる習作」は見た目は怖いがおもしろかった。 顎ガクーン でもやっぱり私は、宗教画、神話画、歴史画というのは好きではないし、みたら気持ち悪くなるというのが本音。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2009.12.10 どんな風に怖いんだろう?と思いつつ読んだこの本。 読み終えて感じたのは、 1.作者の意図/感受性があますことなく絵に表現されていて怖い 2.現代に生きる我々の感覚ではなんとも思わないけれど、当時の社会風景や常識を照らし合わせてみると怖い の、大きくふたつの「怖い」があるのではないかと。 1は「わが子を食らうサルトゥヌス」「ベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作」とか。2は「エトワール、または舞台の踊り子」とか。 特に絵だと、ついつい「今の自分」の感覚で見てしまうので、絵が描かれた当時の社会を考えるという感覚がなかなか新鮮でした。 ただ、私としては、それこそダ・ヴィンチの絵に込められた謎みたいな怖さを期待して読んだので、ちょっと物足りなかった…… 続編もあるけど、1だけでとりあえずいいやという感じです。ハイ。
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