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私の個人主義 の商品レビュー

4.4

106件のお客様レビュー

  1. 5つ

    50

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    1

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2018/03/04

生き方を伝授された。 ただ単純にこの考え方が好きです。 大学生のわたしが読んでいて、大学生が読むべき本だなぁと思いました。

Posted byブクログ

2017/10/07

今年は夏目漱石生誕150周年、没後100年にあたる年だそう。 日本近代を代表する小説家、夏目漱石が世代を超えて多くの人から愛されるのは、 彼の言葉が現代を生きる私たちに、人生のヒントや励ましを与えてくれるからだと思う。 「私の個人主義」は、漱石が亡くなる2年前の大正3年(19...

今年は夏目漱石生誕150周年、没後100年にあたる年だそう。 日本近代を代表する小説家、夏目漱石が世代を超えて多くの人から愛されるのは、 彼の言葉が現代を生きる私たちに、人生のヒントや励ましを与えてくれるからだと思う。 「私の個人主義」は、漱石が亡くなる2年前の大正3年(1914年)に、 学習院の学生に向けて講演された内容をまとめたもので、大きく前半部と後半部に分かれる。 前半部では、文学とは何か、自分の進むべきはどこなのか、長い間わからず苦しんだ漱石が、 「自己本位」という言葉を手に入れて、自分の人生を生きるまでの半生が語られる。 後半部では、 「自由」と「義務」、「自由」と「道徳」について語られる。 自分の個性が最大限発揮され、自由に生きるときには、 自分以外の他者の個性や自由を尊重しなければいけないということが 権力や金力の話を交えながら語られる。 自分が好きなは、特に前半部。 文学とは何か、自分の行くべき道はどこか、わからず長い間苦しんだ漱石が、「自己本位」という言葉を手にして苦悩を突破するところは、文章を通じて漱石の気概が迫力と共に伝わってくる。 「私はこの自己本位という言葉を自分の手に握ってから大変強くなりました。彼かれら何者ぞやと気慨が出ました。今まで茫然と自失していた私に、ここに立って、この道からこう行かなければならないと指図をしてくれたものは実にこの自我本位の四字なのであります。」 「自己本位」という言葉は、多くの人の生きるヒントになるはず。

Posted byブクログ

2017/03/10

夏目漱石といえば『吾輩は猫である』,『こころ』などを著した小説家だが,本書は小説ではなく,彼の講演集である。タイトルとなった講演は,学習院大学で学生を前に行われた。「私はこの世に生れた以上何かしなければならん,といって何をして好いか少しも見当が付かない。」(p.132)話し言葉は...

夏目漱石といえば『吾輩は猫である』,『こころ』などを著した小説家だが,本書は小説ではなく,彼の講演集である。タイトルとなった講演は,学習院大学で学生を前に行われた。「私はこの世に生れた以上何かしなければならん,といって何をして好いか少しも見当が付かない。」(p.132)話し言葉は「文豪」を身近に感じさせる。1つの講演は25ページほど。 *推薦者(図職)H.S *所蔵情報 http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN0363751X?hit=1&caller=xc-search

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2016/08/18

「私の個人主義」その昔、高校現国の授業で取り上げられた。当時不真面目だった私は、先生の授業がどんなだったか覚えてない。が、授業があったことは何故か覚えてた。で、今回本を手に取った。面白かった。感銘を受けた。そしてできるものならば、あの先生の授業をもう一度聞きたい。

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2016/05/18

明治45年と大正3年に行った講演5本を収録。 視点はそれぞれ違うが維新後大きく変わった日本社会に関する批評提言。なのに、比喩でも何でもなく現代にそのまま通じることの何と多いこと。2度の大戦を経て50年も過ぎたのに、社会がその内実一毫も進歩していないように思われて悲しみさえ覚える。...

明治45年と大正3年に行った講演5本を収録。 視点はそれぞれ違うが維新後大きく変わった日本社会に関する批評提言。なのに、比喩でも何でもなく現代にそのまま通じることの何と多いこと。2度の大戦を経て50年も過ぎたのに、社会がその内実一毫も進歩していないように思われて悲しみさえ覚える。 それでも、今に生きる一個人として襟を正さねばと発奮させられる名説。

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2015/11/12

漱石は50歳で胃潰瘍のためこの世を去ります。本書は45歳のころにされた5つの講演の記録です。私は、何だったかもう忘れましたが、全く別の本の中でこの講演の一文と出会い、これはぜひ読んでみたいと思うようになったのです。しかし、全体的には私にとってあまりおもしろいものではありませんでし...

漱石は50歳で胃潰瘍のためこの世を去ります。本書は45歳のころにされた5つの講演の記録です。私は、何だったかもう忘れましたが、全く別の本の中でこの講演の一文と出会い、これはぜひ読んでみたいと思うようになったのです。しかし、全体的には私にとってあまりおもしろいものではありませんでした。漱石の性格やあるいは時代的背景もあるのかも知れませんが、必ず講演の最初はちょっとした言い訳で、おもしろくなくてもがまんして聞いて下さい、といった内容のことを言っています。それが少ししんきくさく感じます。また、本題においてもすごくひかえめな感じがしました。ただ、本書のタイトルにもなっている「私の個人主義」という最後の講演だけは、学生に対して話されているということもあってか、わりとストレートで、私自身の気持ちにうったえかけてくるものがありました。前半は漱石が学生時代から教職に就き、イギリス留学をするあたりまでの話になっています。そのころ漱石はどうも自分のしていることがしっくり行っていなかったようです。少し長くなりますが引用します。この講演の前半部分を読むだけでも、文庫本1冊の値打ちはあったと思います。「もしあなた方のうちですでに自分で切り開いた道を持っている方は例外であり、また他の人に従って、それで満足して、従来の古い道を進んでいく人も悪いとは決して申しませんが、しかしもしそうでないとしたならば、どうしても、一つ自分のつるはしで掘りあてる所まで進んで行かなくては行けないでしょう。行けないというのは、もし掘りあてることができなかったら、その人は生涯不愉快で、始終中腰になって世の中にまごまごしていなければならないからです。・・・(略)・・・どうぞ勇猛にお進みにならんことを希望してやまないのです。もし、そこまで行ければ、ここにおれの尻を落ちつける場所があったのだという事実をご発見になって、生涯の安心と自信をにぎることができるようになると思うから申し上げるのです。」(P.138、引用に際して漢字をひらがなに改めているところがあります。) 私もこの漱石が亡くなった年齢になってしまいました。

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2015/10/31

漱石の講演集。どの講演も、今に繋がっている現代日本や今の日本人の批評としても読めるほど色褪せない。本題に入るまでのまくらが長い。言い訳みたいな事を延々しゃべりやっと本題に入っていく。ただ、そこに漱石の人柄を感じて思わず笑ってしまう。たぶんこの本は人生のうちで何度も読み返す本になる...

漱石の講演集。どの講演も、今に繋がっている現代日本や今の日本人の批評としても読めるほど色褪せない。本題に入るまでのまくらが長い。言い訳みたいな事を延々しゃべりやっと本題に入っていく。ただ、そこに漱石の人柄を感じて思わず笑ってしまう。たぶんこの本は人生のうちで何度も読み返す本になるように思う。

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2015/10/06

自分が何のためにこの世に生を受けたのか、深く考えさせられる。これから、折に触れ読み返すと思う。 (2015.8)

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2015/06/29

高校2年時の授業で読んで、感動したことを懐かしく思い、再び手にとってみました。 今の日本人が読んでも、全く色あせることのない内容だと思います。当時の文壇の自然主義と浪漫主義についての対立について言及されていて面白かった。 この本を読んでから再び夏目漱石の作品を読むと、彼が何を考え...

高校2年時の授業で読んで、感動したことを懐かしく思い、再び手にとってみました。 今の日本人が読んでも、全く色あせることのない内容だと思います。当時の文壇の自然主義と浪漫主義についての対立について言及されていて面白かった。 この本を読んでから再び夏目漱石の作品を読むと、彼が何を考え、どんなことを伝えたかったのかがわかりやすくなると思います。

Posted byブクログ

2015/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

父親に就職と同時に渡されて手に取る。 人から勧められた本を読んだのはいつぶりだろうか。 漱石の講演6本のまとめ。 100年以上の年月を経ても色あせず、 この十数年で大学の学者が唱えていることをすでに当時から予見し独自の観点から意見しており、 世の中や世間を観察し自らの知見に落とし込む能力の高さに驚嘆する。 現代の人々、とりわけ変化の激しいこの十数年を生きる人々にも共感され、なお色あせない点からも一読の価値はあると思う。 講演の中で用いられる語彙の豊富さからも聡明な印象を受けることは必至であると思う。 内容は、現代を生きる人々に対して、「職業」、「個人」、「他者」、「国家」との関係性を明瞭にすることで生きる上でのエッセンスを与えるもの。 その内容は社会科学者のそれそのものだと思うが、 現代のように統計データが得られることがなく、 社会を洞察し、文学作品を創作することで到達したアプローチは、やはり社会科学者というよりは 文学者、哲学者、アーティストの様相を強く感じられる。 特に影響を及ぼした内容は以下。 1.他者と自分との関係性を捉えずして、対価の高い見返りを得ることはできない。 極めて当たり前のことであるが、 職業においてのみならず、人間関係の構築や道楽に関しても他者と独立したものは結果として自分の満足する対価を得られないだろう。 社会や他者との関係性に注意を払い高い対価を得るのか、 はたまた自己満足を正当化するのか、 どちらが自分にとって幸せなのかを改めて考えさせられることになった。 大学の卒業式の講話や研修、 そして自分が大学院の途中からマインドセットとして特に意識し始めたことをさらに口をすっぱく言われた気分である。 「自分の知識を社会とは無関係のただの自己満足で終わらせることは極めてアンフェアである(卒業式の総長より)」 「一般論は真面目な正論を振りかざすだけで成立する(後輩より)」 「ある程度の修養を積んだ人でなければ、個性を発展する価値もなし(本文より)」 近年はマーケット(ニーズ)よりの考えだったり、 デザイン志向(シーズ)よりの考えが社会に一般常識のように浸透しているが、 どう重心を置くかは目的や組織、立場等で決定されると思う。 が、誤解してはならないのがどちらも社会との関係性を切り離してはいない点。 このようなニーズ・シーズの関係性は個人にもほぼ同じように適用できるため、 時間に制約が生じ始め、他者との関係性が自分の利益や幸福度に直結する立場の社会人が、 自分がどう評価されるのか(結婚相手や恋人、職場での評価)、 自分の職業としてどのような専門性を身につけるべきか、 その方法はどういう考えに基づくべきかを改めて整理することができる本です。 やば、また一般論しか言えなかった。。。

Posted byブクログ