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私の個人主義 の商品レビュー

4.4

106件のお客様レビュー

  1. 5つ

    50

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    13

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2020/04/27

夏目漱石もそうだったのかー。と勇気をもらえる気がします。お札になるほど偉大な作家がなんだか身近なおじさんに思えるような…。もちろん難解な部分が多いけれど、自分の理解できるところ、共感できるところがあると思うので、表題は難しそうですが、小難しか考えず、雑誌のエッセイを読むくらい、気...

夏目漱石もそうだったのかー。と勇気をもらえる気がします。お札になるほど偉大な作家がなんだか身近なおじさんに思えるような…。もちろん難解な部分が多いけれど、自分の理解できるところ、共感できるところがあると思うので、表題は難しそうですが、小難しか考えず、雑誌のエッセイを読むくらい、気楽に読んだらいいと思います。個性とか自分探しとかに思い悩まされるお年頃の方への漱石からの暖かいエールが込められている本だと勝手に思っています。

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2020/04/11

夏目漱石が晩年に行った五つの講演「道楽と職業」「現代日本の開化」「中味と形式」「文芸と道徳」「私の個人主義」を収録。想像していたよりも読みやすく面白かったです。「道楽と職業」では細分化する職業について言及していて、この問題は現在でも見られるもので漱石が生きていた時代からあまり変わ...

夏目漱石が晩年に行った五つの講演「道楽と職業」「現代日本の開化」「中味と形式」「文芸と道徳」「私の個人主義」を収録。想像していたよりも読みやすく面白かったです。「道楽と職業」では細分化する職業について言及していて、この問題は現在でも見られるもので漱石が生きていた時代からあまり変わっていないのだなと思いました。表題作の「私の個人主義」はやはり名講演。若い頃、何かをしなければならないと思うのに何をしていいのか解らず、思い悩んでいた日々……正しく私も今そのような状態で悶々としているのですが「もし途中で霧か靄のために懊悩していられる方があるならば、どんな犠牲を払っても、ああここだという堀当てる所まで行ったら宜かろうと思うのです」この言葉に励まされる思いです。どんな小さなことでもいいから、何かを堀当てられたらいいな。そうしたらもっも自分に自信を持って生きていける気がします。

Posted byブクログ

2020/03/03

もろに今の日本で考えるべきことが言われていると思う。 義務を無視した自由を主張する人の多いことは問題だよねと思う。履き違えた個人の自由を主張する声、権力・財力ある人の妨害または支配や強制力…そんなことを助長させる本も幾つも出ている中、短くも大変腹落ちする本だった。

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2019/12/28

「一番好きな本は?」と訊かれれば『坊っちゃん』と答える。あの明るく真直(まっすぐ)な「坊っちゃん」と文章が好きだ。本書は昔教科書で学んだ「私の個人主義」など5つの講演集。『坊っちゃん』同様、漱石の明るさと自然なユーモアが垣間見れる一方で、その明るさが長い煩悶・懊悩から「自己本位」...

「一番好きな本は?」と訊かれれば『坊っちゃん』と答える。あの明るく真直(まっすぐ)な「坊っちゃん」と文章が好きだ。本書は昔教科書で学んだ「私の個人主義」など5つの講演集。『坊っちゃん』同様、漱石の明るさと自然なユーモアが垣間見れる一方で、その明るさが長い煩悶・懊悩から「自己本位」を見出した結果であることが分かる。 『坊っちゃん』の中で「赤シャツ」を評する「人間は竹の様に真直でなくちゃ頼もしくない」は漱石自身への戒めなのかもしれない。

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2019/12/19

面白いかどうかは微妙。 堅苦しくまどろっこしいところもあり。 人の役に立つものがお金になる。 人の役に立つとは大衆の単純欲求を満たすもの。 という考えは興味深い。 高尚なものよりも、 低俗なものの方がお金になる事を うまく説明している。 夏目漱石好きなら読んでみてもいい...

面白いかどうかは微妙。 堅苦しくまどろっこしいところもあり。 人の役に立つものがお金になる。 人の役に立つとは大衆の単純欲求を満たすもの。 という考えは興味深い。 高尚なものよりも、 低俗なものの方がお金になる事を うまく説明している。 夏目漱石好きなら読んでみてもいいと思う。

Posted byブクログ

2021/10/23

明治44年に関西でおこなった講演4本プラスその3年後の学習院での講演となる表題作。 どうでもいいと言えばいいのだが、一連の講演旅行であった関西での4本が、多少重なり合うとは言えそれぞれ別々のテーマとなっているのは面白い。聴衆は当然、毎回違うわけだから同じ話を4回すればよかろうと...

明治44年に関西でおこなった講演4本プラスその3年後の学習院での講演となる表題作。 どうでもいいと言えばいいのだが、一連の講演旅行であった関西での4本が、多少重なり合うとは言えそれぞれ別々のテーマとなっているのは面白い。聴衆は当然、毎回違うわけだから同じ話を4回すればよかろうという気もするが。新聞への掲載、または事後の出版を前提としていたのか。 最初の4本がどちらかと言えば聞き手を面白がらせる軽妙洒脱さに重きをおいているのに対して、「私の個人主義」はこう生徒たちに訴えかけるような重さがある。中身には大きな違いがないがトーン&マナーにおいてちょっと違う感じ。脈絡ないのだがマックス・ウェーバーを思い出した。 「中身と形式」など100年後の日本企業社会に照らし合わせても大いに身につまされる。

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2019/02/20

夏目漱石の博学さに触れられる貴重な一冊 私の個人主義では、今後自分の人生に活かせることが漱石自身の言葉で一杯一杯書かれており、人生のバイブルになること間違いなしの一冊だった。

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2018/11/20

私が夏目漱石を好きになるきっかけになった本。 講演集であり毎回前置きが入る。その前置きがまた面白い。講演内容を考えることを先延ばしにし、ついに今日になってしまい困っているだとか、田舎で人がいないと思ってが、講演が始まるとどこからともなく人が集まってきたなど書かれている。また漱石自...

私が夏目漱石を好きになるきっかけになった本。 講演集であり毎回前置きが入る。その前置きがまた面白い。講演内容を考えることを先延ばしにし、ついに今日になってしまい困っているだとか、田舎で人がいないと思ってが、講演が始まるとどこからともなく人が集まってきたなど書かれている。また漱石自身も学者という顔を持っているためか学者についての言及も多い。私は学者を目指したいので(あくまで目指したい)どうしても学者についての記述が目に留まってしまう。 「道楽と職業」では学者を最も不具な存在と位置付ける。不具を3回重ねたユニークな表現は漱石らしいと感じる。また漱石自身も不具の1人であるという自虐も入り、漱石のユーモアを感じる。一般的に仕事は他人のためにすること=職業だが、学者は自分が好きなことを仕事にしているので、職業ではなく道楽と言うことができ、そして学者は自分のためにするのではなければ成功しないと書かれており、私もそうあろうと思わせてくれる。 「現代日本の開化」でも学者について言及がある。学者は定義を作るが、そもそも定義とは作るのが難しく内容はしばしば流動的であり、無理矢理あてはめるのはよろしくないということである。また学者を真面目にやると神経衰弱に陥るとも書いており、そりゃそうだと思った。考えるということは楽しいが、同時に相当気力体力を消耗すると私は感じるからである。最後には日本の近代化は内発的ではなく、外発的なものであり日本人は神経衰弱になるだろうと述べられ、その解決策はないと結論づける。このような結論に至るならかえって考えないほうが幸せだったのては無いかと漱石は言っているが、私はそうは思わないし、漱石も本当にそう思っていたのかはわからない。あくまで私の想像ではあるが、漱石はこの結論を知らないより知っている方がいいと思っていたのではないかと思えてならない。何かを知るということは自己破壊であり、知らないことは「おめでたい」ことであると、私の大学の先生がおっしゃったことが思い出された。私はこのペシミスティックな結論がなぜか好きである。それはフロイトの死の欲動の概念と似ているからかもしれない。 「中味と形式」学者は対象を客観視する傾向がありしばしば中身に合わない形式をつくることがある。対象を実際に経験し、対象を中から捉えるやり方でしか捉えられない中味もある。精神分析において、ある理論はその人の経験から出発しているので通ずるところがあると感じる。 「私の個人主義」ではもし自分の進むべき道が分からず懊悩しているならば、自分が納得できるまで自分の道を探し続けなさいと若者へエールを送っている。今まさに自分の道を模索中の私にとっては心にささった文章であり、この本がお気に入りになった1番の理由である。 ‪漱石は職を競った相手の名前を思い出せないことに対して悔しくないからであると書いていたが、精神分析的には悔しいから忘れたのだと言うことができる。自分の勉強している学問の視点が少しでも身についていると思うと嬉しい。‬

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2018/10/27

凄く薄い本ですが、読むのにすごく時間がかかりました。 言葉に慣れないとか、内容が簡単ではないとか、色々と理由はあるのですが、ゆっくりゆっくり読みたいなあと思い…… 講演集ですが、個人的には『職業と道楽』がすごく面白かったです。 漱石が生きた時代はちょうど職業が細分化している時期...

凄く薄い本ですが、読むのにすごく時間がかかりました。 言葉に慣れないとか、内容が簡単ではないとか、色々と理由はあるのですが、ゆっくりゆっくり読みたいなあと思い…… 講演集ですが、個人的には『職業と道楽』がすごく面白かったです。 漱石が生きた時代はちょうど職業が細分化している時期で、そこでマッチングが上手くできない学生がたくさんモヤモヤしている…というのは、どこかで見たような光景。 そして、表題にもなっている『私の個人主義』は、これからもきっと読み返すであろう内容でした。 「自由に生きるときには、 自分以外の他者の個性や自由を尊重しなければいけない」 時代背景は違えど、今にも通じる言葉がたくさん。 どの講演も、導入部の言い訳が回りくどくて、漱石の照れ隠しなのかめんどくさい人だったのか、人柄が滲み出ていて、そこも面白いです。

Posted byブクログ

2018/07/01

『サバイバルKさんボイス』 いつもお世話になっているKさんのオススメ。 夏目漱石。 ユーモアあふれる人格者。 #夏目漱石 #文庫 #個人主義

Posted byブクログ