クリスマス・カロル の商品レビュー
せっかく劇をしたので原作も読んでみた。 幽霊と見てまわるエピソードが思った以上に細かかったのは面白かった。 ただ、私はいまだにスクルージさんがこんなにあっというまに回心したのがどうも腑に落ちてない。もともとそんな悪い人じゃなかったってことなのかな? (以下思考の痕跡) 仮説とし...
せっかく劇をしたので原作も読んでみた。 幽霊と見てまわるエピソードが思った以上に細かかったのは面白かった。 ただ、私はいまだにスクルージさんがこんなにあっというまに回心したのがどうも腑に落ちてない。もともとそんな悪い人じゃなかったってことなのかな? (以下思考の痕跡) 仮説としてスクルージさんがあんなに冷たい人間だったのは、自分の殻に閉じこもって周りを全然見てなかったから、とする 幽霊たちは、スクルージさんに周りの世界を見せた。 そのことによって、自分がしてきたことを客観的に見れるようになって、悔い改めた。 のか? うーん。 でもよく考えたら、私も過去とか、現在とか、未来とかを幽霊と一緒に見てまわったら、見たくない自分の光景とか気づきたくない過ちとかにいたたまれなくなって、悔い改めるかもしれないなぁ。
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彼はこの善い、古い都にも、または他のいかなる善い、古い都にも、町にも村にも、この善い古い世界にもかつてなかったくらいの善い友となり、善い主人となり、善い人間となった。人によっては彼が別人のようになったのを見て笑ったが、彼はそういう人たちを笑うがままにしておき、少しも気にかけなかっ...
彼はこの善い、古い都にも、または他のいかなる善い、古い都にも、町にも村にも、この善い古い世界にもかつてなかったくらいの善い友となり、善い主人となり、善い人間となった。人によっては彼が別人のようになったのを見て笑ったが、彼はそういう人たちを笑うがままにしておき、少しも気にかけなかった。彼はこの世では何事でも善い事なら必ず最初にはだれかしらに笑われるものだということをちゃんと知っていたし、またそういう人々は盲目だということを知っていたので、おかしそうに眼元にしわをよせて笑えば盲目という病気がいくぶんなりと目立たなくなるだけ結構だと考えていたからである。
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毎年12月になると温かい部屋の中で読みたくなる小説。 読んだ後は、 「今年は、誰とどんなクリスマスを過ごそうかな。」 なんて、その日が来るのを楽しく想像力を働かせながら、 待ち侘びる悦びを与えてくれる。 文豪ディケンズの皮肉とユーモアたっぷりの、 かつドラマティックな表現によっ...
毎年12月になると温かい部屋の中で読みたくなる小説。 読んだ後は、 「今年は、誰とどんなクリスマスを過ごそうかな。」 なんて、その日が来るのを楽しく想像力を働かせながら、 待ち侘びる悦びを与えてくれる。 文豪ディケンズの皮肉とユーモアたっぷりの、 かつドラマティックな表現によって雄弁に語られる、 古き良きイギリスのクリスマスは、 翻訳の村岡花子さんの優しく温かい日本語が重ねられて、 更に素晴らしい輝きと幸福感に満ち溢れている。 58年前、村岡さんは、私達読者に、 読んだ後、不思議と心がぽかぽかと温かくなる物語の プレゼントをしてくれただけでなく、ディケンズに対しても、 こんな粋なギフトをしている。 「彼は笑いの中に涙の露を光らせる。」 大変、素敵な賛辞だと思う。 スクルージ、フレッド、ボブとその家族達といったこの物語の登場人物達、 それに作者のディケンズと訳者の村岡さんから 「皆さんも素敵なクリスマスを!」 って楽しげで賑やかなメッセージが聞こえてきそうな気がする。
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タイトルは知っているけど、ちゃんと読んだ事がないディケンズの作品… 『ライ麦』で、ホールデンが嫌う語り口のディケンズ… おそらく説教臭い話なんだろうな、と思いつつ、クリスマスを前に読み進めました。 最終的に改心したスクルージは、 ・同時に泣いたり笑ったりする ・「いよう!...
タイトルは知っているけど、ちゃんと読んだ事がないディケンズの作品… 『ライ麦』で、ホールデンが嫌う語り口のディケンズ… おそらく説教臭い話なんだろうな、と思いつつ、クリスマスを前に読み進めました。 最終的に改心したスクルージは、 ・同時に泣いたり笑ったりする ・「いよう! ほう! いよう!」と言いだす ・息を切らせるほどにぴょんぴょん飛び跳ねる ・くすくす笑いが止まらず、息も絶え絶えになって泣き出す ・手がいつまでも震えている といった状態になります。 あまりの躁状態に、「もしかしてこれは単純に改心してハッピーエンドではなく、 周囲の人が逆にスクルージを気味悪がって見放されるエンドなのか…?」とも考えましたがそんな事はありませんでした。 裏表紙のあらすじ通りのハッピーエンド。しかし私にはそこが面白くない。 簡単にあからさまに、ドケチな冷酷おやじが改心して…と心の中で冷笑していたら、 ラストの文章でたしなめられました。 “人によっては彼が別人のようになったのを見て笑ったが、彼はそういう人たちを笑うがままにしておき、少しも気にかけなかった。彼はこの世では何事でも善い事なら必ず最初にはだれかしらに笑われるものだということをちゃんと知っていた(中略)からである。彼自身の心は晴れやかに笑っていた。それで彼にはじゅうぶんだった。(p.149)” 決して好きな話ではないけれど、読者である私までも取り込んで ディケンズの主張を突き付けられるのがはっとさせられる経験でした。
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教訓めいたファンタジーだ。 ストーリーは有名過ぎるので、 ある程度読む前に分かっていた。 自分の死をどう扱われるかなんて、 知ってしまったらこれはきつい…。 幸せになる為にはどうすればいいのかを、 これ以上なく端的に教えてくれる。
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タイトルが好き。英文学のレポートもこの本を題材に書いた記憶が。 クリスマスが大好きだった彼女を思い出す。
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意地っ張りにぶすくれてたら幸福はやってこないよなと再確認できた。夏に読むクリスマス・カロルもいいですね!
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古い名作を読んでみたかったのです。読み終わってから気づいたのですが、裏表紙のあらすじにストーリーが最初から最後まで全部書いてあるのです。
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ケチで冷酷で人間嫌いのガリガリ亡者スクルージ老人は、クリスマス・イブの夜、相棒だった老マーレイの亡霊と対面し、彼の予言に従って第一、第二、第三の幽霊と共に知人の家を訪問する。現在、過去、未来、それぞれの時間で自らの醜い姿を見せられ、さすがのスクルージも心を入れ替えた──。 この...
ケチで冷酷で人間嫌いのガリガリ亡者スクルージ老人は、クリスマス・イブの夜、相棒だった老マーレイの亡霊と対面し、彼の予言に従って第一、第二、第三の幽霊と共に知人の家を訪問する。現在、過去、未来、それぞれの時間で自らの醜い姿を見せられ、さすがのスクルージも心を入れ替えた──。 この本の内容を一言で表すなら、「人間革命」という四文字に凝縮されると思う。 自分以外の人間がどうなろうと、かまわない──まるで現代の風潮を象徴するかのような考えを持っていたスクルージが、自分のこれまでと未来の姿を通して心から自分を変えたいと思い、それを実行した姿に、深く感動した。 それと同時に、現代に生きる人々が忘れかけている何か大切なことを、彼は教えてくれているような気がした。
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クリスマスに是非読みたい物語。 ただ、やや文が古い。英文学!という感じではあるが。 (訳者は『赤毛のアン』シリーズの村岡さん)
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