1,800円以上の注文で送料無料

貧しき人びと の商品レビュー

3.9

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

悲恋の美しい物語というよりも、どこか現実的で殺伐とした印象を持った。 特に、結婚の身支度に奔走する場面における「女の人って結局こうだよね・・」という哀しさとがっかり感。(こう描かれてしまうことも、実際こういうものだということも否定できない) 読んでいて本当に痛かった。 男女どちらの気持ちも分かる。悶絶してしまう。

Posted byブクログ

2015/07/15

他レビューにもあったが、この作品がペリー来航よりも前というのがびっくりする。 ロシアの貧困。どんよりとした救いようのない作品。 母が大学時代に線引きしている箇所が興味深い(家の本棚からこっそり持ち出したので)一番最後に、1983.3.3とメモがあった。

Posted byブクログ

2014/12/31

年末、神保町の古本屋で買った。 ドストエフスキーの小説は初めて。 ギリギリの生活、ギリギリの精神状態…、悲しい物語。 『貧しき人びと』は、貧しい男女による手紙のやりとりがそのまま内容になっているのだが、僕はこういう手紙の文章で構成される物語がけっこう好き。 極限状態の人間を描...

年末、神保町の古本屋で買った。 ドストエフスキーの小説は初めて。 ギリギリの生活、ギリギリの精神状態…、悲しい物語。 『貧しき人びと』は、貧しい男女による手紙のやりとりがそのまま内容になっているのだが、僕はこういう手紙の文章で構成される物語がけっこう好き。 極限状態の人間を描いた小説を読むと、自分の人生が夢のような、ぼんやりとした軽い何かに思えてくる。

Posted byブクログ

2014/12/24

2014/12/24 貧しき人びとは、ドストエフスキーの処女作です。 書簡形式を取って読みやすく書かれた本書は、2人の男女の肉声がそのまま現れたようで、深く心を揺さぶられました。 総じて悲しい恋の物語ですが、一筋の希望もあります。報われない人びとに向けるドストエフスキーの愛の...

2014/12/24 貧しき人びとは、ドストエフスキーの処女作です。 書簡形式を取って読みやすく書かれた本書は、2人の男女の肉声がそのまま現れたようで、深く心を揺さぶられました。 総じて悲しい恋の物語ですが、一筋の希望もあります。報われない人びとに向けるドストエフスキーの愛の眼差しを感じました。

Posted byブクログ

2014/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分をなにか意義のある人間のように考えるのは、とんでもないことのように思いました。いや、それどころか、わたし自身何かしら不作法な、ある程度だらしない人間だと考えこむようになったのです。こうして自分自身に対して尊厳を失って、自分の長所と品位を否定するようになると、あとはもう何もかも、がらがらと崩れさって、ほんとの堕落がはじまったのです。(マカール・ジェーヴシキン)(p.208)

Posted byブクログ

2013/06/29

ドストエフスキーにしては、結構読みやすいと思います。まあ、序盤から「ワルワーレさん」と呼んでいた女性のことを、数行あとでは何の前触れもなく「ワーレンカ」と呼んだりするので、読者を置き去りにしていく気は満々な感じは多少しますが、まだついていけるし、テンションもまあ、カラマーゾフの兄...

ドストエフスキーにしては、結構読みやすいと思います。まあ、序盤から「ワルワーレさん」と呼んでいた女性のことを、数行あとでは何の前触れもなく「ワーレンカ」と呼んだりするので、読者を置き去りにしていく気は満々な感じは多少しますが、まだついていけるし、テンションもまあ、カラマーゾフの兄弟とかに比べたら抑え目であり、まだ人間のそれの範囲には収まっているので、「あ、ロシアおかしい」とはならずに済みます。 ただ、ドストエフスキーにあのスリルを求めている人からすると、物足りないかもしれません。個人的には、普通の恋愛小説のように感じてしまいました。 しかし前述の、名前の変化はロシア的には当たり前のことなのでしょうか。トーマスをトムと呼ぶのと同じようなもので。だとしても、ワルワーレをワーレンカだと短縮にもなっていないし、まあ、なんていうか、全体的にやはりロシアは不思議です。

Posted byブクログ

2012/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「文学――それは絵である。つまり、一種の絵であり鏡である。情熱の表現であり、きわめて鋭い批評であり、道徳に対する教訓であり、同時にまた人生の記録である。」 ドストエフスキーの処女作。 貧しい環境にいる人々の生活と苦悩を描き出す。 荒削りの印象はあるが、人間の喪失と再生を、書簡形式の老人と少女のやり取りを通して描写するあたりは、さすがドストエフスキーと言ったところなのかもしれない。 この作品のテーマは、「貧しさに生きる人々の深い闇と差し込む一筋の光」だと感じた。 環境による不平等を持つ老人と少女。 しかし、やりとりを読んでいると、どこか読み手にイライラさせる要素があることに気づく。 それはどこから来るのか。 彼らだって自分の選択で、病気や低い役職、他人からの執拗な嫌がらせを受けているわけではない。 それでも生きていく、。一人ではなくお互い支え合って生きていく二人。 一人では生きてはいけない、そう思う老人と少女の申し訳なさ、後ろめたさが読者のイライラの原因ではないだろうか。 それは彼ら二人の虚栄心、というよりは、人間としての尊厳の確保という意味合いが強いだろう。 「貧しさと恥は似ている」 余談だが、p85の老人が息子の死に直面した時の描写が半端ない。 これがドストエフスキーかと身震いした。

Posted byブクログ

2011/12/10

ポクロフスキーの死の場面・閣下との面会の場面がすごく心を打った。 処女作にしてドストエフスキーのヒューマニズムがありありと表れている。間違いなく名作。 小説の中で薄幸の乙女ワーレンカが古本市場でほとんど全財産を出して贈答用に本を買う場面がある。そう考えるとドストエフスキーをブック...

ポクロフスキーの死の場面・閣下との面会の場面がすごく心を打った。 処女作にしてドストエフスキーのヒューマニズムがありありと表れている。間違いなく名作。 小説の中で薄幸の乙女ワーレンカが古本市場でほとんど全財産を出して贈答用に本を買う場面がある。そう考えるとドストエフスキーをブックオフで250 円で買える現代って凄いよね。

Posted byブクログ

2011/09/12

ドストエフスキーの処女作。後の作品も同じような切ない話が多い。この時代のロシアは僕にとってはあまりに異世界だが、価値観とか理想は今も変わっていないのではないかと思う。

Posted byブクログ

2011/08/20

 マカールとワーレンカの手紙のやりとりだけで構成されている話で、読みやすいのは読みやすいが終わり方にはなんだか満足いかない物がある。しかし、下手に手紙という枠をはずしてしまうよりはこの方が満足できる終わりだったと思う。しかしワーレンカはこの後、マカールに手紙を送ったのだろうか。絶...

 マカールとワーレンカの手紙のやりとりだけで構成されている話で、読みやすいのは読みやすいが終わり方にはなんだか満足いかない物がある。しかし、下手に手紙という枠をはずしてしまうよりはこの方が満足できる終わりだったと思う。しかしワーレンカはこの後、マカールに手紙を送ったのだろうか。絶対に送ると言っておいて送らないと言うような終わり方は嫌だけれど、送らなかったような感じのする結末だ。この話に出てくる「貧しき人びと」は、みな貧しくなくなっていくが、心の面では貧しくなっていくと言う結末だと思うから、きっと、ワーレンカはマカールに手紙を出さなかったと思う。

Posted byブクログ