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貧しき人びと の商品レビュー

3.9

62件のお客様レビュー

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2010/01/03

ドストエフスキーの処女作。二人の老人、少女とのもの悲しい物語。金銭的貧しさと精神的貧しさ。往復書簡による、小説手法、表現が細かいところまで研ぎすまされていて、素晴らしい。

Posted byブクログ

2009/11/06

ロシア語が理解できて、原作をそのまま読みこなせたら、もっと奥深いのだろうと思う一冊。 貧しき人々と言うけれど、どう貧しいのか。 見かけか住処か心根か。 この作品には、太陽の日だまりの中ですくすく育ったような、そんな人は現れない。 誰もが薄い氷の上で、割れそうな足下に怯えて生きて...

ロシア語が理解できて、原作をそのまま読みこなせたら、もっと奥深いのだろうと思う一冊。 貧しき人々と言うけれど、どう貧しいのか。 見かけか住処か心根か。 この作品には、太陽の日だまりの中ですくすく育ったような、そんな人は現れない。 誰もが薄い氷の上で、割れそうな足下に怯えて生きている。 女というものの描きだしが興味深い。 老官吏と手紙のやりとりを続ける女をどう読むか、ここが面白い。 彼女についての情報は、全て老官吏の返事という主観を通してしか得られない。 老官吏の表現するとおりの「乙女」として読むのか。 情を引きつけておくことに長けている「女」として読むのか。 多様に解釈できて、他者のレビューにもとても興味がある作品。

Posted byブクログ

2009/10/20

これを読んで泣けるか否か、それで人生の種類が違ってくるような気がします。 ドスト様の処女作にしてすばらしき作品。

Posted byブクログ

2009/10/04

「好きな本は何ですか?」という質問をして、その人のおすすめの本を読むのが好きです。その流れで挙がった本です。

Posted byブクログ

2009/10/04

ドストエフスキーの処女作。貧しい老官吏と薄幸な少女の往復書簡。無垢な愛情とささやかな幸福のやりとりに心が洗われ、切なくなります。

Posted byブクログ

2009/10/04

こんなに悲しい話を読んだのは初めてかもしれない… 中年で下級役人のマカール・ヂェーヴシキンと薄幸な孤児ワルワーラ・ドブロショーロワの悲しい恋の物語。二人の往復書簡で物語は展開されて行きます。この作品は、特別な出来事があって、その特別な体験を物語にしている現代の作品にありがちな内容...

こんなに悲しい話を読んだのは初めてかもしれない… 中年で下級役人のマカール・ヂェーヴシキンと薄幸な孤児ワルワーラ・ドブロショーロワの悲しい恋の物語。二人の往復書簡で物語は展開されて行きます。この作品は、特別な出来事があって、その特別な体験を物語にしている現代の作品にありがちな内容ではなく、なんでもない一人の人間の心痛と悩みが全体のテーマです。その悩みは貧しさから来ます。ただ慎ましく愛する人の傍にいたいだけなのに、世知辛い世間に翻弄される主人公シューブスキン。憐れな身の上で貧しい病身の娘ワルワーラ。シューブスキンのワルワーラへの悲痛な愛情が悲しく、悩ましく、それが綴られた彼の感情的な手紙の文章には涙を誘われます。不運な娘ワルワーラ。彼女の涙には身震いを起こしました。その他に登場する貧しき人々にも救いはなく、彼らの運命は悲しくて… それらのことが自分と重なって、自分自身に同情を抱いているような気分になりました。それから、ドストエーフスキーの喋るキャラクターを存分に味わえます。だって、手紙形式ですから。この作品は処女作になるのですが、これから後の作品の『白痴』や『カラマーゾフの兄弟』などに登場する人物に通ずるものがあります。読みやすいので、ドストエーフスキーを始めて読む、って方にお勧めです。

Posted byブクログ

2009/10/04

美しい物語です。献身の物語です。しかし、一面、美しい魂の持ち主をその貧しいみかけで理解しない「貧しい魂」の人びとがいることも確かだということをもひしひしと自省の意味を込めて感じさせられる物語でもあります。 ▲わたしの可愛い人、わたしはどれだけきみにお世話になったか、ちゃんと知っ...

美しい物語です。献身の物語です。しかし、一面、美しい魂の持ち主をその貧しいみかけで理解しない「貧しい魂」の人びとがいることも確かだということをもひしひしと自省の意味を込めて感じさせられる物語でもあります。 ▲わたしの可愛い人、わたしはどれだけきみにお世話になったか、ちゃんと知っています!きみという人を知ってから、わたしは第一に、自分自身をよく知るようになり、そしてきみを愛するようになったのですから。いや、きみに会うまでは、わたしは独りぼっちで、眠っていたも同然です。なにしろ、あの悪人どもは、わたしの風采までぶしつけだといって、このわたしを嫌っていましたので、わたしはわれながら自分がいやになってしまいました。また、あの連中がわたしを愚鈍だといいふらしたので、わたしも本気で自分は愚鈍なのだと思いこんでしまいました。ところが、きみがわたしの前に姿をあらわして、この暗い生活を明るく照らしてくださったのです。すると、わたしの心も魂もぱっと明るくなって、わたしは心の落ち着きを取り戻し、自分だってなにもほかの人に劣らないのだと悟りました。もちろん、きらびやかなところもないし、ピカピカ光ったところもないし、大した品もないが、それでもやっぱり自分は一個の人間だ、心と頭を備えた人間だ、と悟ったのです▲ 読了 2007/9/3

Posted byブクログ

2009/10/04

ドストの中では一番薄くて、なおかつ往復書簡の形態なので読みやすい。 ドストの書く女性の、処女かつ娼婦性を持つみたいな表象が気になる・・・!

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2009/10/04

何も悪いところはなかったのに。 ただ貧しさだけが彼らをずたずたにしてんな。 お金って名誉って幸せってなんやろうなぁ。

Posted byブクログ

2009/10/04

作者の処女作であり往復書簡という体裁をとった恋愛小説。要らない伏線やエピソードも多々ありますが、それが一般人が書いた書簡という設定を強めています。そして読み易いのでドフトエフスキーを読みはじめるにはお勧め。 貧しいから嘆くしかないのか嘆く事しか出来ないから貧しいのか…。登場人物(...

作者の処女作であり往復書簡という体裁をとった恋愛小説。要らない伏線やエピソードも多々ありますが、それが一般人が書いた書簡という設定を強めています。そして読み易いのでドフトエフスキーを読みはじめるにはお勧め。 貧しいから嘆くしかないのか嘆く事しか出来ないから貧しいのか…。登場人物(特にワーレンカ)が受け身すぎて少し嘆く事を止めて動ければ少しは違う方向に行けたんじゃないかなと思います。

Posted byブクログ