貧しき人びと の商品レビュー
ドストエフスキーの作…
ドストエフスキーの作品の中には『罪と罰』『白痴』『カラマゾフの兄弟』など完成されたものが多いが、初期の頃に読んだこの『貧しき人々』が、自身最も気に入った作品である。特に書簡を交換する中で、ある挿話がある。それが本当に忘れられない。
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ドストエフスキーの処…
ドストエフスキーの処女作。往復書簡の形式で展開される貧しき男女の物語。貧しさは、たちの悪い病気のように人間の身体に巣くってじわじわと蝕み、孤独と苦痛と屈辱を味あわせる。主人公マーカルとワーレンカの二人は最後には貧しさの病から回復するが、心の傷は癒されぬ。「ねえ、きみ、何も食べるも...
ドストエフスキーの処女作。往復書簡の形式で展開される貧しき男女の物語。貧しさは、たちの悪い病気のように人間の身体に巣くってじわじわと蝕み、孤独と苦痛と屈辱を味あわせる。主人公マーカルとワーレンカの二人は最後には貧しさの病から回復するが、心の傷は癒されぬ。「ねえ、きみ、何も食べるものがないのに、名誉もへったくれもあるもんですか。金ですよ、肝心なのは金ですよ。さあ、神さまに礼をいうんだったら、その礼をいわなくちゃ!」世の中金なのか?否!
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今この淡い恋愛を理解…
今この淡い恋愛を理解できる人はいるのだろうか・・・とふと思いたくもなってしまいますが、明日の登場人物がいつの間にか今日の読者に繋がってくる、不思議な感覚を持って読みすすめられます。
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ドストエフスキーのデ…
ドストエフスキーのデビュー作。かれの描く下級官吏の姿は、いつもやさしい悲しさに満ちている。
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ドストエフスキーの出…
ドストエフスキーの出生作であり、ベリンスキーから激賞された作品です。シベリア流刑し「地下室の手記」以降、ドストエフスキーは彼独自の作品を描きますが、初期の作品はゴーゴリの影響を思いっきり受けています。本書は、まるでゴーゴリの作品を読んでいるようです。
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この作品は中編小説ということでドストエフスキーの五大長編と比べると手頃で手に取りやすい作品であるのですが、ドストエフスキーの入門としていきなりこれを読むと理解するのはなかなか難しいかもしれません。 ある程度の前知識が必要とされますが、逆に言えばそれさえあればドストエフスキーの貧し...
この作品は中編小説ということでドストエフスキーの五大長編と比べると手頃で手に取りやすい作品であるのですが、ドストエフスキーの入門としていきなりこれを読むと理解するのはなかなか難しいかもしれません。 ある程度の前知識が必要とされますが、逆に言えばそれさえあればドストエフスキーの貧しい人や虐げられた人への優しさ、愛情がこの作品では感じられます。 ドストエフスキーの原点とも言える作品です。
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老人と若い女性の手紙のやりとりで物語が進んでいく。出てくる登場人物は皆貧しくそれでも楽しみや喜びをみつけていっている。だけど不幸は変わらず彼らが落ちていく様は読んでいて辛かった。手紙で励ましあったり罵り合ったりしている様子は信頼関係ができているんだと思った。わかりやすくお金がない...
老人と若い女性の手紙のやりとりで物語が進んでいく。出てくる登場人物は皆貧しくそれでも楽しみや喜びをみつけていっている。だけど不幸は変わらず彼らが落ちていく様は読んでいて辛かった。手紙で励ましあったり罵り合ったりしている様子は信頼関係ができているんだと思った。わかりやすくお金がないと嫌なことを言ってしまい余裕ができると優しくするのはとても人間的だと思う。
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処女作でこれって本当にすごいな。 往復書簡形式は読みやすくてよかった。書きたくないことを隠して書きたいことを書いてる感じとかがおもしろかった。外套を批判してる件もおもしろい。
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貧乏なおっさんと貧乏な若い女の子がお手紙を出し合うお話。 現代の日本の価値観を通して読むと、どうしてもおっさんが気持ち悪かった。汚くてメンヘラで卑屈なおっさんって、、、 憎めなくていい人ってのは伝わってくるけど。 個人的には貧乏で冴えないけど、若くて賢い男の子のが感情移入出来た。...
貧乏なおっさんと貧乏な若い女の子がお手紙を出し合うお話。 現代の日本の価値観を通して読むと、どうしてもおっさんが気持ち悪かった。汚くてメンヘラで卑屈なおっさんって、、、 憎めなくていい人ってのは伝わってくるけど。 個人的には貧乏で冴えないけど、若くて賢い男の子のが感情移入出来た。ラノベの読みすぎかな。 アンナ・フョードロヴナに対しても特にスカッとするオチはなく、おっさんが悲しんで終わり。これで終わり?って最後だった。 いわゆる名作古典作品って感じの終わり方。 自分の教養の無さ故だとは思うけど、期待した程じゃなかった。 ポクロスキー父の子を思う描写は、なんか妙に生々しく好きだった
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※このレビューにはネタバレを含みます
ドストエフスキーの処女作。 処女作でこれか…やっぱりすごいなぁ。 あまり難しいことは書かれてないし手紙の形式なので読みやすさもある。 ジェーヴシキンはドストエフスキーがはじめて創造した「美しい人間」なようだけど、たしかに自分がボロボロになってもワルワーラに資金援助をしようとするところはなぜここまで…というほどだった。 でも、自分の側にいてほしいという気持ちが強いあたり完全なる自己犠牲ではなくて、ワルワーラを支えることによって唯一無二の人になりたいという欲もあったんだろうなと思う。 ジェーヴシキンにとっては自分が惨めな思いをしてそれが辛いし耐えられないという気持ちもあったとしても、ワルワーラが側にいてくれることがなによりも幸せだったんだろうなあ。 ワルワーラは、だいぶ資金援助してもらったわりに結構手厳しいこというなぁと思うときもあった。 最後は結婚して遠くへ行ってしまったけど、あの選択自体は責められないかなって。 あのままジェーヴシキンといても共倒れしてただろうし、長い目でみれば結婚したほうがお互いのためになったのかなとは思う。 ブイコフ氏はパワハラモラハラが凄そうな感じがしてるから、精神面で幸せになるのは難しそうなかんじはしたけど、少なくとも金銭面では今よりは助かるんだろうし。 昔は今と違って遠くへ行ってしまったらそんなに簡単にやりとりしたり会えたりはできないしすごく辛い選択だったんだろうとはおもうけど。 それにしても『白夜』でもそうだったけど、悲惨な女性に一生懸命尽くした男性が最後置いていかれる話がドストエフスキーは好きなんだろうか…?
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