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ガニメデの優しい巨人 の商品レビュー

4.2

150件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2020/09/09

前作は月の死体は誰なのか、というわかりやすい謎が最序盤に示されたが、今回それにあたるのは酵素。なんとなくだがその由来も想像できるし、オチまで引っ張っていくにはツカミが弱いと言わざるを得ない。 今回謎解き要素より面白く感じたのはガニメアンの成り立ち。体質や性格が二重三重に裏打ちされ...

前作は月の死体は誰なのか、というわかりやすい謎が最序盤に示されたが、今回それにあたるのは酵素。なんとなくだがその由来も想像できるし、オチまで引っ張っていくにはツカミが弱いと言わざるを得ない。 今回謎解き要素より面白く感じたのはガニメアンの成り立ち。体質や性格が二重三重に裏打ちされた設定で示され、説得力がものすごい。 スーパーテクノロジーや宇宙人が出てくる古い作品は今読むとと陳腐に見えがちだが、それもない。次作も楽しみ。

Posted byブクログ

2020/07/11
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全体としては争い等は無く、終始落ち着いた流れ。タイトル通りの優しい巨人でした。戦争、武器、戦うの言葉すら知らない。。。ゾラックの言葉が胸に刺さりました。。。

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2020/05/13

前作「星を継ぐもの」の続編小説です。前作で提示された謎を解くと、新たな謎が生まれる、なかなか楽しい筋立てになっています。当然、更に続きがあるそうです。

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2020/04/15

前作からの見事のつながり。 前作ほどの面白さはないが、それでも十分に面白い。謎が徐々に解き明かされていくのがよい。

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2020/03/21

「星を継ぐもの」で登場した巨人ガメニアンと5万年前に死亡したチャーリー。火星と木星の間にあったミネルバという惑星からガメニアンは旅立ったとされた。その後の調査を続ける地球チームだが、ある日その巨人たちが宇宙船に乗って地球にやってきた。争う事が遺伝子に組み込まれていないガメニアンと...

「星を継ぐもの」で登場した巨人ガメニアンと5万年前に死亡したチャーリー。火星と木星の間にあったミネルバという惑星からガメニアンは旅立ったとされた。その後の調査を続ける地球チームだが、ある日その巨人たちが宇宙船に乗って地球にやってきた。争う事が遺伝子に組み込まれていないガメニアンと地球人、その考え方の違いがとても感慨深い。

Posted byブクログ

2022/01/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

星を継ぐものの続編。2500万年前の巨人、ガニメアンの宇宙船がガニメデに帰還。異星人との邂逅。タイトル通り、優しい巨人たち。現行人類の先をゆく科学力。前作からの謎、ミネルヴァの生物はなぜ絶滅したのか、なぜガニメアンは地球の生物たちを連れてきたのか。論理的に展開される理論の応酬は前作から変わらず、それでいてハラハラとさせられ、次を読まされてしまう。人類がガニメアンによって遺伝子操作された生物という展開は面白い。ラストはガニメアンたちは巨人の星目指して去ってしまうが、次巻でどうなるのか楽しみ。

Posted byブクログ

2020/01/13

巨人はどこまでも冷静で、優しく、争いを避けた。人間と違って。今の人間は? ★本の概要・感想    ハードSF小説の傑作。まごうことなき「科学フィクション」なのである。科学、つまり新しい真実や定説が、読み進めるほど連続的に浮かびあがるのが本書の面白さだ。前作ほどの求心力を持つ謎の...

巨人はどこまでも冷静で、優しく、争いを避けた。人間と違って。今の人間は? ★本の概要・感想    ハードSF小説の傑作。まごうことなき「科学フィクション」なのである。科学、つまり新しい真実や定説が、読み進めるほど連続的に浮かびあがるのが本書の面白さだ。前作ほどの求心力を持つ謎の提示はないが、作者が提示する世界観が魅力的である。まず異星人。ガニメデで出会う巨人たちの描写の実在感がすごい。人間と違って争いを本能的に避ける彼らから見た、人間批評も面白い。生存競争が常に繰り広げられる地球は「悪夢の惑星」だという。そして未来のテクノロジー。巨人たちの開発した人工知能「ゾラック」は、まるで現代のスマートスピーカーを高度に発達させたようである。そのような未来の世界感を描きつつ、我々人類に関する「科学的真実」が明らかになる。物理学や生物学に精通していないとこのような作品は書き上げられない。本書を読めば、作者の高度な知識と物語を作り上げる巧みさに感動する。そして、宇宙や生物学、物理学等科学への興味もさらに掻き立てられることになる。 ★本の面白かった点、かっこいいシーン  この物語が生まれたのが「1978年」というのに驚く。そのころは、まだ大規模戦争の可能性が拭えない冷戦時代だ。一方で、本書の中で描かれる地球人の技術水準はかなり進んでいる。すでに惑星間飛行の優れた技術を獲得していて、「人類は戦争なんてばかなことをやめたんだ」という。まだ、核戦争の危険があった時代だ。異星人に地球人の愚かさを指摘させつつ、物語の最後には「人間賛歌」になる。本当に巧みな小説だ。

Posted byブクログ

2019/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 太陽系内で地球より外の軌道(火星と木星の間)に生命が生存可能な惑星があった場合、生物はどう進化していくか。  著者のホーガンさんは本作で別の惑星の生物進化をシミュレートしています。  やがて生まれた知的生命は、争いを好まない平和的な種族・ガニメアンだった。  私は地球人ではなくガニメアンに生まれたかった。  本作品の最後でガニメアンが選んだ行動にも共感します。     前作『星を継ぐもの』の感想で、学問の大切さを実感すると書きました。  本作品でもそれを実感します。  本作品では特に生物学方面の知識が活躍します。  著者ホーガンは生物学の知識を、過去を研究するのみならず、別の生物進化の過程をシミュレートするという応用に活用しています。これがSFの醍醐味でしょう。    本作品では前作ほど活躍しないヴィクター・ハント博士ですが、私生活で暴走しちゃいます。  業務連絡の案内嬢の声が気に入ったハント博士は猛烈にアタックを開始。  後で写真を見て好みのタイプだと確認し、デートにこぎつけます。  今の社会的状況から判断すると、パワハラ・セクハラに類する行為ではないでしょうか。  しかし、学問で立身出世して社会的立場が上になるほど恋愛や結婚に有利になるというのもまた現実であり事実です。  中学生や高校生が生意気に 「何で勉強するんですか?何でいい大学に行く必要あるんですか?」 と聞いてきたら、本シリーズを読ませればいいのです。(私も読んでおきたかった)    さて、本作品の冒頭で提示された謎について。  ハント博士の盟友・ダンチェッカー博士が現在では失われてしまった酵素について問題にします。  この酵素の生成過程において、放射性同位元素が選択的に取り入れられているようなんだよ!  な……、何だってぇ~~~~~!  酵素生成の際にラジオアイソトープを選択的に取り入れることは可能なのか?  答えは本書の最後に明らかにされます。  なるほどそうきたか。  しかしこれには専門知識が必要です。  生物学に詳しい人や理系学部で実験している学生なら想像がつくかもしれません。 (だから本シリーズを読むと学問の大切さを実感します)   http://sanshirou.seesaa.net/article/471556328.html

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2019/10/05

一言、読んで良かった! 前作「星を継ぐもの」が私にとっては驚天動地、スケールが壮大で感動が大きかっただけに、続編でガッカリするのが怖く、避けてたんだけど。図書館で見つけてつい手にとった。 あとがきにもあるように、元々作者は三部作で想定してたようで私の杞憂だった、、 ということで...

一言、読んで良かった! 前作「星を継ぐもの」が私にとっては驚天動地、スケールが壮大で感動が大きかっただけに、続編でガッカリするのが怖く、避けてたんだけど。図書館で見つけてつい手にとった。 あとがきにもあるように、元々作者は三部作で想定してたようで私の杞憂だった、、 ということで、次も読む! 前作にも増してハントとダンチェッカー(←この人のキャラ、いいなー)の絶妙なコンビ感もいい! ゾラックに比べたら地球の今のAIはただの優秀な計算機。自分ですべきことと、やらなくていいこと、指示外のことは自分の意志と矜持(といえるのかな?)で行動を判断。辛辣でユーモアもあり、人間臭い。私もゾラックが欲しいー。ハントの珍しい色恋の場面でも活躍してたな。 前作で経験済みなので、どうしても解読できないところはフィーリングで理解して流した(そうしないと私には読破できない)。でも論証の流れは読み飛ばさずに頑張った。見事。読者が付いて来られるよう、前作より親切に繰り返し丁寧に語ってくれてたように感じられる。 遅読の私は時間がかかりすぎて(2500万年の長旅だから仕方ない?)冒頭の場面の意味が思い出せないまま最後まで読んだ。もう一度ざっと読み返して良かった! ガニメアンの知性や教養、平和を好む(というか暴力や対立を知らない)優しい性格、仲間の功罪を知り、人類を思い潔く地球を去る品格の高さ。素晴らしい。ただその特性さえ、人類含めDNAという生物的要因に左右されている、としているのも深い。 人類の欠点を認識しながら、それでも明るい未来を予感させる言葉をダンチェッカーに語らせてるところに、作者の希求が見える気もする。一見頭の固い融通の効かなさそうなこの科学者に、作者は一番重要なことを語らせるんだよなぁ。でも今の危うい時代でも作者は同じ作品が書けただろうか、、 この物語ではドラマティックな展開は起きない。起きてること自体は壮大だけど。 読者は淡々とノンフィクションのように成り行きを見つめ、論証されていく事実を受け止めていく。それなのにこんなにも私たちの想像力をかきたて、視野を広げてくれる。凄い作品だ。 地球での体験を心から楽しんでいるガニメアンの姿には気持ちが和む。地球(私にとってのこの世)の彩りを再発見させてくれた。 巨人の星からのメッセージ受信に心から乾杯。 こんな体験をさせてくれてありがとう!!!と言いたくなる一冊。願わくば、もう少し文字が大きいと最高! 追記:読み始め、最初にある登場人物の記載にガニメアンとありネタバレしたのには、見た私を後悔、笑。

Posted byブクログ

2019/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前作「星を継ぐもの」と同様、科学的議論が面白かった。特に人類の罪の起源を解き明かすところが。しかし、結局前作で残された謎ー5万年前に巨人コリエルがルナリアンと共に月にいたのはなぜかーが解明されていない。次作「巨人たちの星」で2500万年前にガニメアンがミネルヴァを去った経緯が語られるようなので、そこでコリエルの謎も解明されるのだろうか。次作はかなり分厚く、前作・今作に比べて評価もイマイチな気がするが、読むしかないか…。ちなみに、今作で出てくるガニメアンの超優秀コンピューター「ゾラック」は、これからのAIの進歩の目標になりそう。

Posted byブクログ