「空気」の研究 の商品レビュー
日本人の集団として…
日本人の集団としての特徴をこれほどまでに論じた本はまずないのではないか。意志決定がその場の「空気」に支配される、それを戦前の軍隊組織を具体例として、古くて新しい問題ととらえている。類書がない、多くの著者に引用されている本書は必読である。
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その場の空気というと…
その場の空気というときの空気についての考察が書かれている。またその空気を壊すことができるものとして水を差すの水があるが、その水とは何かという考察もある。山本七平の本は面白い。
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言葉使いが固いため、…
言葉使いが固いため、初心者にはオススメしません。内容としても古い本なので当然、ひっぱってくる例も古いので分からないことも多いかもしれません。 空気の要素(窒素、二酸化炭素・・・)などではなくて、人々がその場の空気に惑わされていく・・・そんなメカニズムを追っています
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「「空気」の研究」山本七平著、文春文庫、1983.10.25 238p ¥460 C0195 (2024.12.23読了)(2023.06.08購入)(2007.07.05/18刷) 数年前に「KY」空気をよむ、空気が読めない、というのが流行りました。 日本では、理屈やデータで物...
「「空気」の研究」山本七平著、文春文庫、1983.10.25 238p ¥460 C0195 (2024.12.23読了)(2023.06.08購入)(2007.07.05/18刷) 数年前に「KY」空気をよむ、空気が読めない、というのが流行りました。 日本では、理屈やデータで物事を決めるのではなく、その場、その時の空気で決めるということが行われます。それは、どうしてなのか、ということを考察している本です。 理屈やデータで決めたわけではないので、どうしてそのような決定が行われたのか、誰にも説明ができないし、だれも責任を取れません。国民性であり、文化なのでしょうから、なぜそういうことになるのか全く分かりません。 最近でも、コメ不足が言われ、コメは十分あると言いながら、値段が高騰し一向に下がる気配がありません。新米が出たら値段は下がるともいわれていたのですが、新米が出ても一向に下がりません。需要と供給の経済原理とかいうのがあるとか言いますが、いったいどうなっているのでしょうか。 【目次】 「空気」の研究 「水=通常性」の研究 日本的根本主義について あとがき 解説 日下公人 ☆関連書籍(既読) 「日本人とユダヤ人」イザヤ・ベンダサン著、角川文庫、1971.09.30 「比較文化論の試み」山本七平著、講談社学術文庫、1976.06.30 「勤勉の哲学」山本七平著、PHP研究所、1979.10.31 「日本資本主義の精神」山本七平著、光文社、1979.11.05 「聖書の常識」山本七平著、講談社、1980.10.01 「論語の読み方」山本七平著、祥伝社、1981.11.30 「一九九〇年の日本」山本七平著、福武書店、1983.06.30 「人望の研究」山本七平著、祥伝社、1983.09.25 「帝王学―「貞観政要」の読み方」山本七平著、日本経済新聞社、1983.11.25 「「色即是空」の研究」山本七平・増原良彦著、日本経済新聞社、1984.10.25 「派閥」山本七平著、南想社、1985.05.15 「指導力」山本七平著、日本経済新聞社、1986.01.24 「小林秀雄の流儀」山本七平著、新潮社、1986.05.20 「参謀学」山本七平著、日本経済新聞社、1986.11.20 「経営人間学」山本七平著、日本経済新聞社、1988.01.22 「ある異常体験者の偏見」山本七平著、文春文庫、1988.08.10 内容紹介(出版社より) 現代の日本では“空気”は絶対権威のような力をふるっている。論理や主張を超えて人々を拘束するこの怪物の正体を解明し、日本人に独特の伝統的発想と心的秩序を探る。(日下公人)
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戦時中から現代に至るまで、日本の選択を左右してきた「空気」に関する論考。文化的な本質を西欧の(聖書に基づく)世界観と比較して分析していて、とても納得感があった。日本人の意思決定の癖は、政府の中枢から零細企業まで、今も昔も本質的には変わらないのだ。 私の知識不足で、古い文章からの引...
戦時中から現代に至るまで、日本の選択を左右してきた「空気」に関する論考。文化的な本質を西欧の(聖書に基づく)世界観と比較して分析していて、とても納得感があった。日本人の意思決定の癖は、政府の中枢から零細企業まで、今も昔も本質的には変わらないのだ。 私の知識不足で、古い文章からの引用は背景が分からず読みづらかった。ただ、流れで読めば全体の理解に支障をきたすほどではない。
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山本さんは論理展開の鬼。 概念の言語化と例示の上手さに舌を巻く。 戦時下の精神は特殊だったように思えるけど、実は平時でも、似たようなことは起きている。
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「空気を読む」の「空気」とは。を研究、考察した本。 科学的に説明がつかないからといって、無いものとしたところで、”ある存在”を否定することはできないし、ないものにはできない。
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合理性ではなく空気(ムード)で物事が決まっていくのは、今も昔も変わらぬ日本人集団の悪癖だ。 ある空気を絶対的なものとして、それに対する反論や相対化する別の意見を「水を差すな!」「空気を読め!」といって排除する。 最終決定は空気によって行われるが故に、何かあっても明確な責任請負...
合理性ではなく空気(ムード)で物事が決まっていくのは、今も昔も変わらぬ日本人集団の悪癖だ。 ある空気を絶対的なものとして、それに対する反論や相対化する別の意見を「水を差すな!」「空気を読め!」といって排除する。 最終決定は空気によって行われるが故に、何かあっても明確な責任請負人がいない。 その結果、またもや空気によって供物となる犠牲者が選ばれることもあろう。 空気による決定には、長所もあるだろう。 ひとつの命題を絶対的に正しいものとして皆に刻み込むため、集団や組織の団結力や絆とやらは強いものになろう。 ただ情けないことに、その命題の正しさは客観性や合理性に担保されない思考や批判抜きでの空気によってしか保証されないので、空気が変わったと判断された瞬間に、かつての正解はなかったことにされ、水に流される。 敗戦によって鬼畜米英から対米従属に節操なしに身持ちを転じたわが国の集団精神の柱の一つが、空気(ムード)である。
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1977年に書かれた本だから、書かれている政治・社会状況がほぼ歴史になっているし、一文がやはり”昭和的”に長く、現代の本に慣れてしまっているとちょっと古めかしい読みにくさは感じるが、空気に支配され、水をさして「通常性」を取り戻すという日本特有の在り方は今もまったく変わっておらず、...
1977年に書かれた本だから、書かれている政治・社会状況がほぼ歴史になっているし、一文がやはり”昭和的”に長く、現代の本に慣れてしまっているとちょっと古めかしい読みにくさは感じるが、空気に支配され、水をさして「通常性」を取り戻すという日本特有の在り方は今もまったく変わっておらず、その分析自体は理解できるし面白い。 個人的には、著者が指摘する公害や原発、外交などさまざまな個別の事案について、ちょっと違う意見を持っているから、読みながら?と感じてしまうところはあるが、それは本書が扱うテーマそのものを考える材料、例示として理解すると面白いので、その部分で引っ掛かる人も、そのまま読み進んでみてほしい。 著者が言う「日本的平等主義」は、自由よりも平等に大きく重心を置く日本的民主主義が、「不断に修正していく」アメリカ型民主主義にならない大きな要因だろうと思う。「空気」が醸成するニッポンの力は、日本を壊滅もさせ、奇跡の復興ももたらすという両刃。その力をコントロールする能力は、未だ持ちえていないだろうと、コロナ禍でのこの国の状況を見ながら考えさせられた。
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山本七平による「空気」についての研究書。 日本人は往々にして「あの空気では何も言えない」「当時の空気がそうさせた」と、あたかも「空気」が最終決定者であるような言い振りをする。しかし多くの人はこの「空気」が一体何なのかを知らない。 著者はこの本で、判断基準かつ権力者である「空気」...
山本七平による「空気」についての研究書。 日本人は往々にして「あの空気では何も言えない」「当時の空気がそうさせた」と、あたかも「空気」が最終決定者であるような言い振りをする。しかし多くの人はこの「空気」が一体何なのかを知らない。 著者はこの本で、判断基準かつ権力者である「空気」がどんなもので、どのように醸成され、どのように人々を支配するようになるのかを明らかにしようとした。 また著者はここから発展して、「空気」の伝統的な対抗手段として存立していた「水を差す」という行為と、この「水」についても考察を加える。 内容は非常に面白い。 ただ記述が哲学的、かつよくわからない比喩を多用されるため無茶苦茶読みにくい。時代背景と前提が違うことを差し引いても、読ませる気がないとすら思うほど目が滑る本だった。 ポイントは、本著内でやたらと出てくる「臨済感的把握」という概念の理解かと思う。 「臨在」というのがキリスト教用語で、「神は不可視ではあるがその場その場に存在している」という意味。「臨在感」は、因果関係が恐れや救済といった感情と結びつくこと。 ゆえに「臨在感的把握」とは、ある対象と何らかの感情を結びつけて認識すること。と理解できる。 ここを押さえておけばある程度は読めると思う。 読みづらいが、ネットと睨めっこしながらでも読み切る価値のある本。
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