「空気」の研究 の商品レビュー
場をデザインすることを考えるときに、 日本の「空気を読む」特性は無視できない。 何がその「空気」たらしめるのか、それを研究した本。 口調とか書き口が面白くて単純にこの著者のファンになった。 空気の情勢には 人々が共通の土壌にいることと、絶対視されている対象があることが必要。例を...
場をデザインすることを考えるときに、 日本の「空気を読む」特性は無視できない。 何がその「空気」たらしめるのか、それを研究した本。 口調とか書き口が面白くて単純にこの著者のファンになった。 空気の情勢には 人々が共通の土壌にいることと、絶対視されている対象があることが必要。例をもとに説明されていたが、1回読んだだけでは難しかった。 宗教や史実を引用していたが、それに私が詳しくないと言うのもスムーズに読めなかった原因かも。 また読みます。
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日本人論、戦争体験、聖書関連の著名作品を書く、3本の専門的軸足を持つ作者は、日本人を俯瞰的に論じられる知識人の代表です。 本書では、誰もが「勝てない戦争」だと認識していた戦いになぜ無謀にもゴーサインを出したのか、それは科学的論理的な事実をいとも簡単にひっくり返す力があるもの、つま...
日本人論、戦争体験、聖書関連の著名作品を書く、3本の専門的軸足を持つ作者は、日本人を俯瞰的に論じられる知識人の代表です。 本書では、誰もが「勝てない戦争」だと認識していた戦いになぜ無謀にもゴーサインを出したのか、それは科学的論理的な事実をいとも簡単にひっくり返す力があるもの、つまり絶対権をもった妖怪がいたからと話は始まる。 それが、「空気」という「(気)圧」をもった存在だと指摘し、日本人が無意識のうちに集団の意思決定に大きな影響を及ぼしている「モノ」の正体に迫った力作です。 実は、本書にはもう1つの考察があって、それが「二元論」、つまり、異なるものが頭の中に平気で併存できる不思議な現象にも言及しています。 それは収容所の体験話で、所内で通訳を担当していた筆者に米国兵が「進化論」についてしきりにレクチャーしてくる、日本人なら小学生でも知っている話だと一蹴すると、米兵は驚く。天皇は現人神であると信じている国民が、「現人神はサルの子孫」だという事実との整合性についてである。実は、米国人にも同様な事象があり、例えば、南部のキリスト教保守派は学校の教科書で進化論を教えるのは間違っているという「モンキー裁判」が起こるほど聖書の言葉を厳格に信じており、にもかかわらず、「天地創造」を信じる人たちの中には著名な科学者が存在している。 こうした興味深い内容を一つ一つ丁寧に思考論証を重ねながら展開していく知的刺激あふれる作品です。
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山本七平 「 空気の研究 」 NHK 100分deメディア論 より。「空気を読む」「水をさす」から 日本社会の特徴を論述した本。空気の支配性、水の現実に戻す力(通常性)、水により空気ができるプロセス、自由の定義 に 納得。 空気=支配性 物質の背後に何かが臨在するという考え→空...
山本七平 「 空気の研究 」 NHK 100分deメディア論 より。「空気を読む」「水をさす」から 日本社会の特徴を論述した本。空気の支配性、水の現実に戻す力(通常性)、水により空気ができるプロセス、自由の定義 に 納得。 空気=支配性 物質の背後に何かが臨在するという考え→空気が絶対権威を持つようになる 水により空気が再構築されるプロセス *空気を排除するため 水(現実)をさす→通常性として作用しつつ 「1人の絶対者、他は全て平等」な状態をつくる *絶対者=状況倫理をつくる起点→絶対視される固定点の意思になる→固定点を臨場感的に把握するしかない→空気が再構築 自由とは いつでも 空気に 水をさせる自由
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「kY(空気が読めない)」という。今でも「空気」は日本社会を覆ている。 山本七平氏の「空気」という視点は面白いが、公害もイタイイタイ病も今の知見では、 氏の読み違いも甚だしい話です。 沖縄特攻の戦艦大和司令官が、「当時の空気ではやるしかなかった」との話は、なるほどとは思いつつも、...
「kY(空気が読めない)」という。今でも「空気」は日本社会を覆ている。 山本七平氏の「空気」という視点は面白いが、公害もイタイイタイ病も今の知見では、 氏の読み違いも甚だしい話です。 沖縄特攻の戦艦大和司令官が、「当時の空気ではやるしかなかった」との話は、なるほどとは思いつつも、続きを読むのはつらい。 「空気」ではなく「エビデンス」での議論という語りも、問題の絶対化と批判しているが、絶対化ではなくて問題の複眼化・分析方法の話だと思う。 例えば、戦艦大和であれば沖縄戦への投入は、乗員の命・作戦確度・制空権・制海権・士気・作戦の意味・・・などなど、複眼による分析と認識である。それがなぜ沖縄特攻になるのか。そこに「空気」があるならなぜか。本に回答はない。「空気」は、場の同調圧力です。暗黙の同調を求めて良くも悪くも作用します。沖縄戦への大和投入は、最大戦艦大和を無傷で温存した軍令部の最後の虚栄と、一億総玉砕といった馬鹿な軍事官僚の妄想でしかなかった。それを、「空気」と呼んだ司令官が愚将であっただけの話です。 山本七平氏を浅学菲才と呼んだのはだれでしたか。読書に値せずです。
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日本の過去の不合理な決定事項を見ると、専門家の合理的な判断とは別に当事者間で共有されていた「空気」が、 そのような決断をとらせざるを得なかった、というフレーズが出てくる。 この「空気」の正体を解き明かさないことには、また同じような過ちを犯すだろうと危惧し、これを検討したもの。 ...
日本の過去の不合理な決定事項を見ると、専門家の合理的な判断とは別に当事者間で共有されていた「空気」が、 そのような決断をとらせざるを得なかった、というフレーズが出てくる。 この「空気」の正体を解き明かさないことには、また同じような過ちを犯すだろうと危惧し、これを検討したもの。 語り口が軽妙で今年度入って読んだ書籍の中ではダントツで読みやすいが、深い知見で「空気」の本質に触れている本。 「日本には抗空気罪が存在する」というのは、空気を読まないことがKYとして揶揄される現代でも通じる一言。 空気を作らないキーワードになるのは、絶対化と相対化。 何かが絶対化されてそれに皆が感情移入をするようにすると、それが元で「空気が形成される」ようになる。 欧米ではこの絶対化がされずに、あらゆるものが相対化されているので、空気が形成されることはない(ここは、今のBLM運動の様子を見ると個人的には疑問)。 あらゆることは絶対化されないべきなのだが、無意識に「周りに迷惑をかけてはいけない」など絶対化しているキーワードはあると思った。 これは、「(上記のどれか)」ができなければ悪だ!と反語表現にするとわかりやすい。一概にそうとはいえないからだ。 何か自分の中で絶対化している前提がないか、疑うことで発想の幅が広がると思った。 母方の祖父が、「絶対は絶対にない」という言っていたと母が言っていたが、この話も含んでいたのかもしれない。 ただし、毎回この空気を問題視して戦おうとすると、日本の企業の中では相当に浮くはずなので、 指示される立場にある時には、「あえて空気を読まないで水を差す」タイミングを見定めないと、立場を失いかねないと思った。 なお、日本がこういった絶対化をしやすい傾向にあるのは、(一神教が神のもと相対化されるのとは逆に)アニミズム信仰によりあらゆるものを絶対化しているから、という説明はあまりしっくり来ていない。ただ、習慣や考え方がかなり均質化されているので、そこら辺で絶対化が起きやすいのではないかと思った。 モンキートライアルと現人神信仰の矛盾に混乱するアメリカ人の話は面白かった。
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■全体について 日本独特の”空気”について論じた本。 部長から推薦されて読んだ。 「あの会議の空気ではそんなこと言えない」等の”空気”について科学的に考察している。1970年代の本だが、部長曰く有名な本とのこと。 ”空気の研究”という章から始まり、最初の方はまだ理解しやすかったが、後半になり内容が難しくなり、ところどころ理解できなかった。 ■特に印象に残った内容 ”空気”は臨在感的把握により生じるもの。 物事を対立概念(例えば「経済の発展」と「公害問題」)で捉えられれば、相対化して把握することができるので、何かが絶対視されることはない。しかし、対立概念で捉えることを否定し、相対化されていた対象の一方を削除することによって、もう片方(例えば「公害」)を絶対化し、臨在感的把握をすることにより”空気”が醸成される。 ”空気”が醸成されてしまえば、いくら水(例えば「カドミウムはただの鉄」という主張)を差しても意味がない(フラットな状態には戻せない)。それは、舞台演劇を見ていて女形役者が出てきたときに「あの役者は男性だ」と大声で言っても誰も相手にせず、むしろ変な目で見られるのと同じことである。 日本では科学や論理的思考がそれらしくもちいられているが、実際には非常に日本化されて、いい加減に用いられている(西洋のように徹底的に相対化して用いられるようにはなっていない)。そのため、戦艦大和の無謀な出撃といった判断がなされ得る。(そういった歴史を幾度となく辿ってきている)
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すごい本。 10年くらい前に読んだ時は難しすぎて読めなかった。 コロナ禍もあって読みたくなって読んだけど、とにかくすごい。 今般の日本人の思考や行動様式が全部書いてある。
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至るところで、何かの最終的決定者は人でなく空気であるといっている 空気の責任はだれにも追求できない 空気なるものの正体を把握しておかないと、将来対処できない 空気の研究 23人工空気醸成法を調べて成立過程を明らかにする 39第三者に感情移入しすぎるのは危険である 41ギリシャ人は肉体を牢獄と見、そこに霊が閉じ込められていると見る 45空気の1方向支配の例、2方向の例 46正義の仁愛軍VS不義残虐集団 51対立概念で対象を把握することが空気支配の一つ目の原則 52対策として、臨在感を歴史館的に把握しなおすことが空気支配の2つ目の原則 62空気支配を完成しようとする者にとって排除すべきものは対象を相対化するもの 64対象を相対化することによって自己を対象から自由にできるのが大人 69一神教モノティズムは神以外はすべて相対化して考える、空気に支配されにくく 79聖書とアリストテレスで1千年鍛錬するとアングロサクソンができあがる 水=通常性の研究 91水とは通常、最も具体的な目前の障害を意味して、空気を崩壊させる 104空気の拘束とは虚構の異常性だったと気づく 108状況倫理、あの状況ではああするしかなかった... 112状況倫理は自己意志の否定、行為の責任への否定 127状況倫理は一人の絶対者と他の平等者となる、教師と生徒も同じ構図である 130ひとはめいめい自分の罪で死ぬ 137自由にしておけば自由を失う 162演劇者は観客のために隠し、観客は演劇者のために隠す 169脱却する唯一の道は、あらゆる拘束を自らの意志で断ち切った思考の自由とそれに基づく模索 172空気と水なしに人間が生きていくことも精神が生きていくこともできない 日本的根本主義 200国民を拘束するのは神話であって事実ではない 203一体これはデモクラシーなのかセオクラシーなのか 207キリスト教伝統と西欧の憲法は分かちがたく結合している 211教義の絶対化でなく日本では所属集団を絶対化するようになった 212矛盾した教義や理論を併存できる社会はなにが問題か 216人は論理的説得では心的態度をかえない 217人は未来に触れられず、言葉でしか構成できないが構成してこなかった 218空気に支配されることは、やがて自身の首をしめる 219一度やけどしたほうがよいかもしれない 以上
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空気の支配と水の効果 これだけだと何を言ってるのかわからないと思いますが、「忖度」に始まるその場の「空気」の支配 また、その支配に一石を投じる「水」を差すという行為。これらは、日本人独特の世界観である。 令和の現代にも流れる日本人的感覚を解説している本。時代を超えて、楽しく読めた...
空気の支配と水の効果 これだけだと何を言ってるのかわからないと思いますが、「忖度」に始まるその場の「空気」の支配 また、その支配に一石を投じる「水」を差すという行為。これらは、日本人独特の世界観である。 令和の現代にも流れる日本人的感覚を解説している本。時代を超えて、楽しく読めた!
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2009.11.10開始〜2009.11.16読了断念 内容というより文章表現があまりにも難解すぎて、2度3度読み返してもほとんど意味が理解できなかったため、1章の最後の直前で読了を断念。 ここまで小難しい表現をしなくても、読者にもっと分かりやすい表現をすれば良かったのに、と思...
2009.11.10開始〜2009.11.16読了断念 内容というより文章表現があまりにも難解すぎて、2度3度読み返してもほとんど意味が理解できなかったため、1章の最後の直前で読了を断念。 ここまで小難しい表現をしなくても、読者にもっと分かりやすい表現をすれば良かったのに、と思ってしまう。 アプローチは良かったのだが、読み返したりする気にすらならなかったので評価は☆2つ。
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