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若き数学者のアメリカ の商品レビュー

4.1

107件のお客様レビュー

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2014/08/05

著者がアメリカの大学で研究員・助教授として体感した等身大のアメリカの大学が生き生きと書かれています。学問の最先端をいく超大国アメリカへ東洋の片田舎の日本から挑戦するという著者の気概が、微笑ましいです。また、数学の世界の厳しさもひしひしと感じられます。しかし、著者はユーモアを交えな...

著者がアメリカの大学で研究員・助教授として体感した等身大のアメリカの大学が生き生きと書かれています。学問の最先端をいく超大国アメリカへ東洋の片田舎の日本から挑戦するという著者の気概が、微笑ましいです。また、数学の世界の厳しさもひしひしと感じられます。しかし、著者はユーモアを交えながら、丁寧に説明してくれています。読み終えた時には、議論の難しさから私達から遠いように感じてしまう数学という学問をちょっとかじってみたくなる本です。

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2014/07/16

文章のリズムがいい。 筆者の嫌な部分も含めた感情が素直に書いてあって共感もできておもしろい。 コロラド大学での最初の授業の様子は思わず笑ってしまった。

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2014/05/26

学問はやはり人間の営みなのだと思った。 自分だったら公に向けて書くことに抵抗を感じるような失敗や劣等感についても書いてあるが、これは簡単ではない。自身の心の動きに敏感になってはじめて、こういう文章が書けるのだろうと思う。

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2013/10/29

遥かなるケンブリッジより、藤原さんの日々奮闘しながらアメリカという地を生きる姿が想像でき、またアメリカについて考えさせられました。普通の文なのに時々笑い転げてしまうような、ユーモアある文を書くのでとても面白いです。

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2013/10/21

喜怒哀楽を幅広く体験できた一冊。中でも、大いに笑ったこと、群れの中で虚無感を抱くこと、人が本能的に愛を求めるのに共感できたことが印象的。一つ一つの出来事に伴う感情を誤魔化さず綴ることに、これほど引きつけられるとは。私自身も言葉を活用して、感情をより深く味わってみたい。

Posted byブクログ

2013/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【Impression】 数学者に関する本、という訳ではなくアメリカについての観察に主眼を置いている。 「遥かなるケンブリッジ」とは対照的だったが、その観察の鋭さは同様だと思った。 特に最終章の「アメリカ人」に関する文章。 「アメリカ人らしいとは逆説的ではあるが日本人らしくいること」という考察に納得。 「彼らは不思議がるが不快感を持つわけではない」、という所が目にとまった。 だからこそ、日本人であるにも関わらずアメリカ人に迎合することは、一見早道であるように思えるが、長期的には有益ではない。 まぁ、言葉に関してはそんなこと言ってられない時代やけど 【Synopsis】 ・ミシガン大学へ研究のために渡米、当初は反骨精神丸出しで、周りのアメリカ人全てを敵かのように振舞っていた ・しかしどこか「孤独感」を覚え、その原因を「愛がない」とした。同時に体調も思わしくなくなり、コロラド大学の助教授に就く ・そこで学生や子供達と触れ合いながら、アメリカに迎合するのではなく、「日本人とアメリカ人」の両立、というか根源は同じであるということに気付き、ようやくアメリカに「愛」を感じ、帰国する

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2013/05/24

「数学者」という肩書から、自分には到底理解できないような難解な数式のオンパレードかと思ったら、彼の地で筆者が遭遇した出来事について綴っている『自伝エッセイ』でございました。当時の『空気』がわかります。 本書はエッセイストであり、著名な数学者でもある作者が アメリカへ留学した際...

「数学者」という肩書から、自分には到底理解できないような難解な数式のオンパレードかと思ったら、彼の地で筆者が遭遇した出来事について綴っている『自伝エッセイ』でございました。当時の『空気』がわかります。 本書はエッセイストであり、著名な数学者でもある作者が アメリカへ留学した際の出来事を綴った自伝エッセイとも 呼べる本でございました。ここには1970年代のアメリカが 筆者の目で活写されて、当時の『時代』を知るという意味でも、面白いエッセイであると思います。 若き日の筆者が日米の習慣的、文化的な摩擦を乗り越えて、大学で数学を教え、研究者たちと切磋琢磨をしていく姿は、本当に面白かったです。たった一人で異郷にいる孤独感を紛らわせるために、片っ端から女性に声をかけては玉砕したり、それとは一転、フロリダでは一転してバフィーという女性との交流があったり、はたまた、ミシガンからコロラドに移った際に住んでいたアパートメントでは、子供たちの子供たちの人気者になったというエピソードは、なんともほほえましいものでございました。 後半部のアメリカの学生に対する授業風景では、日本とアメリカ人の学生の『気質』の違いや、『大学に入ってから彼らは勉強する』という今でも変わらない風習がある中で、彼らの選んだ人生の多様性にも、読みながらこれまた驚くべきものが多かったような気がいたしました。 あらすじで『自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記』と結びの言葉でかかれてりましたが、まさにそのとおりであると思います。

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2013/05/16

故・新田次郎の息子である数学者、藤原正彦さんが、アメリカに客員教授として呼ばれたときの心情を綴ったエッセイ。 藤原正彦さんのエッセイは今までに三冊くらい読んでいて、そのどれもが読者を彼の世界観に引き込む力がある。 彼は、決してハンサムとは言えないのだが、ユーモアのセンスや、鋭敏...

故・新田次郎の息子である数学者、藤原正彦さんが、アメリカに客員教授として呼ばれたときの心情を綴ったエッセイ。 藤原正彦さんのエッセイは今までに三冊くらい読んでいて、そのどれもが読者を彼の世界観に引き込む力がある。 彼は、決してハンサムとは言えないのだが、ユーモアのセンスや、鋭敏な感受性のためだろうか、旅先で女性とけっこう好い中になることが多い。 最終章では彼がアメリカ人を真の意味で好きになったということを書いている。日本でのアメリカ人のイメージは、個人主義、主義主張が強い、自分の弱さを決して他人に見せないスーパーマン、などだろう。しかし、アメリカ人と近しくなるにつれて藤原正彦さんは、悩みを打ち明けられたり、ある金髪の女性と「愛」と呼べるかもしれない物によって、心の1番奥深いところを通わせたりしたことによって、アメリカ人も日本人と同じなのだということに気がつく。

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2013/05/07

担任の数学のおじいちゃん先生がまじめな顔をして読んでいたので、難しい数学の数式が出てくるような話かと思いきや、痛快アメリカ滞在記でした。

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2013/03/11

先日、新刊紹介をラジオで聞き、初めてその人柄を知ったもので本を手に取った。ラジオで聞いた口調そのままで当時も今もほとんど変わりないことが伺える。 一人武士道を背負いアメリカという地で孤独に戦いながら尖がった心が融解していくその様が、本書全般にわたってユーモアを交えて語られてて面...

先日、新刊紹介をラジオで聞き、初めてその人柄を知ったもので本を手に取った。ラジオで聞いた口調そのままで当時も今もほとんど変わりないことが伺える。 一人武士道を背負いアメリカという地で孤独に戦いながら尖がった心が融解していくその様が、本書全般にわたってユーモアを交えて語られてて面白い。とても勉強になりました。

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