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若き数学者のアメリカ の商品レビュー

4.1

108件のお客様レビュー

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2023/11/28

数学者のアメリカ滞在記。 滞在中のさまざまなことについて、深くこの方の視点、考えに触れられる。 いいことばかりでなく、アメリカに対する対抗心、モチベーションが上がらず体調が悪い冬の期間の話も。外国で教授もするくらい賢いのでお堅い方かと思いきや、人間味あふれ、人への興味、愛のある...

数学者のアメリカ滞在記。 滞在中のさまざまなことについて、深くこの方の視点、考えに触れられる。 いいことばかりでなく、アメリカに対する対抗心、モチベーションが上がらず体調が悪い冬の期間の話も。外国で教授もするくらい賢いのでお堅い方かと思いきや、人間味あふれ、人への興味、愛のある方なんだなぁと思った。 大学の研究vs教育の話、大学を辞めさせられた教授の話は、自分のいるコミュニティの洞察力の参考になりそう。

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2023/01/11

著者がアメリカに研究、講師として招かれた頃の述懐がまとめられた内容でした 前半は、新天地、しかも海外ということで、どこかウキウキした気持ちが伝わってくる内容で、カジノで散財したお話とか、若さからくる勢い、怖いものなし、みたいな部分も味わえて楽しかったです 中盤、苦悩する時期、...

著者がアメリカに研究、講師として招かれた頃の述懐がまとめられた内容でした 前半は、新天地、しかも海外ということで、どこかウキウキした気持ちが伝わってくる内容で、カジノで散財したお話とか、若さからくる勢い、怖いものなし、みたいな部分も味わえて楽しかったです 中盤、苦悩する時期、もがく時期の描写も、若さからくるもの、アメリカ生活における日本人としての意識、みたいな部分で苦しんだ経験、気分転換で行ったフロリダでの出来事、そのときの気持ちの変化、苦しみを乗り越えた先にあるもの、気持ちの描写がとても胸に響く表現で、ズシンときました 終盤、苦悩を乗り越えて、最後はアメリカ人の印象が綴られてます。アメリカは移民国家ゆえ、日本人が持ってるようなアイデンティティ、郷愁、みたいな感覚が無いのかな、無いからこそ、個性が強く見えるだけで、それこそがアメリカ人、だからこそ、日本人はアメリカでは自然に日本人でいてこそアメリカ人になれる、というお話が印象的でした 自分は著者とは比べものにならないくらいの期間しかアメリカで仕事した経験はありませんが、それでもその頃の気持ちも少しばかり思い出しながら読み進めることもでき、懐かしさも感じながら、若い頃にもっと思い切った経験を積んでおくべきだったなぁ、と思ったりしながら読みました

Posted byブクログ

2022/03/17

すごく面白かった!に尽きます。 数学者にしてこの文才。当時のアメリカの様子や社会的問題、著者の心の移り変わり、アメリカ人に対する見方の変化などが各章ごとにまとまっていてとてもよくわかります。頭脳明晰としか言いようがありませんが、それだけではない著者の人柄が滲み出ており、最終的には...

すごく面白かった!に尽きます。 数学者にしてこの文才。当時のアメリカの様子や社会的問題、著者の心の移り変わり、アメリカ人に対する見方の変化などが各章ごとにまとまっていてとてもよくわかります。頭脳明晰としか言いようがありませんが、それだけではない著者の人柄が滲み出ており、最終的には『愛なしでは人間は人間であり得ない』と言うところに行き着いているところにも表れていると思います。 また、ユーモアもあって色々な場面で何度も笑ってしまいます。アメリカに対し、初めは対抗心を持っていた著者が、一時は疎外感からノイローゼに陥り、フロリダで心が解放されアメリカを好きになる事で克服してからの、その後のアメリカに対する理解が深まる様子はすごい。 アメリカ人の国民性についてのお考えは、ある一つの見方と言えるのかも知れませんが、アメリカと言う国を理解する上で十分納得性があり、その国民性や多様性の問題などについては、現在もなお当てはまるものであると思います。 日本人としての自覚も改めて高まりました。

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2022/02/02

p120 1860年にあの威臨丸も、勝麟太郎や福沢諭吉、通訳のジョン万次郎などを乗せて、私の目の前の海面を通ったのだ。 p163 アメリカ人にとって、大自然は征服すべき存在だった。自分たちの進出を阻む障碍という意識しかなかったようだ。荒野が広がっていれば鉄道を通し、道路を作って、...

p120 1860年にあの威臨丸も、勝麟太郎や福沢諭吉、通訳のジョン万次郎などを乗せて、私の目の前の海面を通ったのだ。 p163 アメリカ人にとって、大自然は征服すべき存在だった。自分たちの進出を阻む障碍という意識しかなかったようだ。荒野が広がっていれば鉄道を通し、道路を作って、人が快適な生活が出来るように水道や電気までつけようとする。 p218 周辺で暮らしている現地の子供たちには、楽しみがまったくない。そこで子供たちは、たまに走ってくる自動車の寸前を横切るという競争をするというのだ。もっともスレスレに横断した子供が、その勇気を認められてヒーローとなる。しかしこれではロシアンルーレットのようなもので、いつかは誰かがはねられるだろう。そういう子供たちをかついで、親がこの診療所へやってくる。 「入院させなければ死んでしまうよ」 と医者がいうと、親の返事はこうなのだ。 「入院費なんてとても払えないけれど、子供はまた精を出せばまた作れるからな」

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2022/01/06

藤原正彦さんの作品は国家の品格に続き二作目。 基本的には著者のアメリカ滞在記なんだけど、数学者なのに内容が数学に偏ってなくてどちらかというと日常生活のアメリカ、アメリカ人に重点が置かれているところが面白い。 ちょっと古い本だけどすごく「あるある」的な感じで懐かしさに溢れながら...

藤原正彦さんの作品は国家の品格に続き二作目。 基本的には著者のアメリカ滞在記なんだけど、数学者なのに内容が数学に偏ってなくてどちらかというと日常生活のアメリカ、アメリカ人に重点が置かれているところが面白い。 ちょっと古い本だけどすごく「あるある」的な感じで懐かしさに溢れながら読みました。 著者はおそらく天才の部類に入るんだろうけど色々苦労も絶えないんだなと感心したりも。 国家の品格と内容が少し重複してるのはご愛敬。

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2021/11/01

 この頃の藤原さんは楽しかった。そういう時代だったのだろう、アメリカ体験がみんなの興味を引いたこともあるが、はじけ方がよかった。  

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2019/12/29

情緒溢れる感性。最終章の、日本的な感性を維持することがアメリカに融け込む方法、というのが印象的だった。

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2019/12/15

若さが伴う躍動感感じる紀行文。アメリカ人になめられないぞという気負いから、2年後のアメリカ人を見る目が変わるまで、結果自らが大きく成長した証が印象的。子供たちとの微笑ましい交流を叙述したのも効果的。2019.12.15

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2019/03/07

タイトル通り、お若かったんですね(笑)という感じ。全体に勢いがあって、学問と新しい環境への情熱が感じられる。

Posted byブクログ

2018/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

出版されて40年以上。いまだに版を重ねて、読まれているのだが、書かれていることが古すぎる。すでに古典、名著の部類に入っているのだろう。

Posted byブクログ