若き数学者のアメリカ の商品レビュー
物語のような文章と、普通知られたら赤面もの(笑)なところも書き出されているからか、体験記なのに小説のように読めます。若き日の藤原さんにとても好感が持てました。 数学で認められたり人に好かれたり…ってなんて羨ましい
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「国家の品格」の著者の藤原正彦さんの 若き日のアメリカ滞在記。 数学大嫌い、数学におぞましき思い出しかない私は、 数学者というのは、頭の中が数字で埋まっている、 心からご尊敬申し上げるが、 まったく硬い、論理的な発想でものを考えるのだろう・・・・ というような、勝手な印象があっ...
「国家の品格」の著者の藤原正彦さんの 若き日のアメリカ滞在記。 数学大嫌い、数学におぞましき思い出しかない私は、 数学者というのは、頭の中が数字で埋まっている、 心からご尊敬申し上げるが、 まったく硬い、論理的な発想でものを考えるのだろう・・・・ というような、勝手な印象があった。 日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であるという「国家の品格」で、ちょっとちがうなとは感じていた。 そして、この若き日のアメリカ滞在記は、より文学的な、泥臭い人間的なにおいがしたのだ。 彼は、理性と欲望のはざまで行動し、 悩み、つまずき、はまり込み、 妙に哲学的で(哲学的って具体的にどういうこと? とつっこまれると、アハハ、イメージでもの言っているだけで そんな感じというだけ・・・)さえある。 彼は、まさしく作家の血を受け継いでいると感じたのだ。 これは全く数学者ではなくて、文学者の本だ。 あの、お顔、髪型からして、若い青春時代があったのかしら・・・(失礼) と思ってしまうが、今から30年以上前、ミシガン大学に研究員として招かれ、難関を乗り越えてコロラド大学の助教授となる。 冬のミシガンで孤独に苛まれ、不安、コンプレックスに彼の心の奥深くが病んでいった様子が、雪と一緒に語られる。 そして、フロリダでの転地で元気を回復し、 アメリカを愛し、その上でアメリカを、再び冷静に見つめていくことになる。 「国家の品格」はこの導線があったのだな・・・・ と思った。 続いてイギリス版も読んでみたい。 お父さんの遺作も出筆中と聞く。 こちらも完成するのが楽しみだ。
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一番印象にのこったのはここでした. 「人気者でありながらも,誰からも好かれながらも淋しかった 原因,それは愛の心を持たなかったためだと思った. それがいかなる愛であろうと愛なしで人間は人間であり得ない. 人間はその心の最も奥深い部分を通わすことのできる「何か」が 必要だ.その「何...
一番印象にのこったのはここでした. 「人気者でありながらも,誰からも好かれながらも淋しかった 原因,それは愛の心を持たなかったためだと思った. それがいかなる愛であろうと愛なしで人間は人間であり得ない. 人間はその心の最も奥深い部分を通わすことのできる「何か」が 必要だ.その「何か」は人でも物でも何でもよい.それが愛 なのではないだろうか.私は思った」 藤原先生がアメリカに長く住む中で色んな人と出会い,そして 愛に触れ,最後には真の意味でアメリカ人を好きになったと 書いてらっしゃることは,はじめの文章から想像もしなかった けれどここに共に生きていく中での愛の重要性がめきめきっと 表れてるなあと感じました.
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優秀な若手数学者だった彼が渡米し,アメリカでの生活とその葛藤を描いたエッセイ.描写の綺麗さと藤原正彦一流のユーモアが随所にちりばめられた一冊.読んでいて考えさせられることがいっぱいあった.
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若き日にアメリカに渡った著者が感じた、当時のアメリカや日本のお話。一種の紀行文のようなものと考えると、けっこう面白かった。
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オヤジの書棚にあったので読んでみたら面白かった。文才のある数学者って。。。さすがに父に新田次郎氏を、母に藤原てい氏を(といってもこちらのお母様の方は私は良く知りませんが)持つ生まれだというかんじか。無論、氏が良くものを見、聞き、お考えになっているからこそ、体験を人が興味深く読める...
オヤジの書棚にあったので読んでみたら面白かった。文才のある数学者って。。。さすがに父に新田次郎氏を、母に藤原てい氏を(といってもこちらのお母様の方は私は良く知りませんが)持つ生まれだというかんじか。無論、氏が良くものを見、聞き、お考えになっているからこそ、体験を人が興味深く読めるレベルで語れるのであろうが。
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「日本の土地には涙が心情的に滲んでいる」とのくだりがよかった。辛い事を承知で海外に留学してみたい。
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以前、海外で数年間生活して帰国した方から、はじめて の海外の生活では誰もがノイローゼ状態を味わうと聞き ました。この本では、まさしくそのことが著者の実体験 に基づき描かれていました。
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