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暗闇坂の人喰いの木 の商品レビュー

3.9

126件のお客様レビュー

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2016/06/22

御手洗シリーズを読んだのははじめてです。シリーズ順に読んだほうがいいとおもいつつ手軽にそこにあった本をとったらこの本でした。面白かったです。 楠の木が醸し出す異様でおどろおどろしい雰囲気と、事件の異様さが相まってミステリーというより怪奇小説のような雰囲気がありました。 時代背景や...

御手洗シリーズを読んだのははじめてです。シリーズ順に読んだほうがいいとおもいつつ手軽にそこにあった本をとったらこの本でした。面白かったです。 楠の木が醸し出す異様でおどろおどろしい雰囲気と、事件の異様さが相まってミステリーというより怪奇小説のような雰囲気がありました。 時代背景や事件と直接的には関わらない物事の説明、一見余分に思えるような場面展開の描写が多いなと思いましたが、それが楠、そして異郷のものが作った場面設定に深みを持たせているのだろうとおもいます。 個人的にはこの本はむしろ殺人事件やそれに纏わるトリックよりも、楠の木とそのまわりのおそろしい忌々しい雰囲気がメインなような気がするのでよいのだとおもいます。

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2016/03/26

「才能とは負債なのですよ。あなたは生き延びて、大衆にこれを返済しなくてはならないのです」 久々の読書。『星籠の海』が映画化ということで書店で大々的に展開しているので購入。 島田荘司の作品は有名な『占星術殺人事件』と『異邦の騎士』を読んだ程度で正直そこまでのめりこむほどまでには...

「才能とは負債なのですよ。あなたは生き延びて、大衆にこれを返済しなくてはならないのです」 久々の読書。『星籠の海』が映画化ということで書店で大々的に展開しているので購入。 島田荘司の作品は有名な『占星術殺人事件』と『異邦の騎士』を読んだ程度で正直そこまでのめりこむほどまでにはいかなかった。 しかし、今作は違った。 導入部分の物語。そして、作中のオカルトとサスペンスが入り混じったおどろおどろしい雰囲気。 恐怖とグロテスクさに途中で読むのをためらったほど。 でも気になって読む手は止まらなかった。 なかなかボリュームある今作だったが、すぐに読んでしまった。

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2016/03/21

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだ? 近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とは何か? 信じられぬ怪事件の数々に名探偵・御手洗潔が挑戦する。だが真相に迫る御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨を極めた。本格ミステリーの騎手が...

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだ? 近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とは何か? 信じられぬ怪事件の数々に名探偵・御手洗潔が挑戦する。だが真相に迫る御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨を極めた。本格ミステリーの騎手が全力投球する傑作。

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2015/09/30

再読H27.4読了 アトポスを読んでたら読み返したくなった。言っちゃ悪いけど、こちらの方が 話としての展開・主役(木)の存在感・時代色の着色具合・外国の雰囲気の取り込み具合・異常性・それらのバランス(ダラダラしないことも重要!)が絶妙。

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2015/09/28

初島田作品。横溝正史的な数奇な時代設定と舞台設定はなかなかに良いぞ。新本格(と言われるらしい)的な謎解きのための情報は提示済みの構成はなんか好きじゃない。おかげでなんとなく謎が想像できてしまう。もちろん全貌解明時に数々の驚きはあるのだが、、、もう1作読んでみよう。2015/08読...

初島田作品。横溝正史的な数奇な時代設定と舞台設定はなかなかに良いぞ。新本格(と言われるらしい)的な謎解きのための情報は提示済みの構成はなんか好きじゃない。おかげでなんとなく謎が想像できてしまう。もちろん全貌解明時に数々の驚きはあるのだが、、、もう1作読んでみよう。2015/08読了。

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2015/07/11

くらやみ坂に君臨する樹齢二千年の大楠。 それは人を喰べる悪魔の木として知られていた。 屋根の上で事切れていた男。 大楠の中から出てくる子ども達の骸。 死体を壁の中に塗り固めた巨人の家。 謎は広がり続ける。大楠の枝葉のように。 名探偵は人喰いの木と対決する。

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2015/04/01

再読。挿話からキャラクターから事件の経過から、すべてにおいてバランスのいい話だと思う。「アトポス」やら「星籠の海」もこのくらいバランスがよければ……クッ; 不気味な樹の存在が圧倒的。 イギリスに行くエピソードも最近の著者が書いたらさぞやダラダラとしたであろうが(毒)、サクッとし...

再読。挿話からキャラクターから事件の経過から、すべてにおいてバランスのいい話だと思う。「アトポス」やら「星籠の海」もこのくらいバランスがよければ……クッ; 不気味な樹の存在が圧倒的。 イギリスに行くエピソードも最近の著者が書いたらさぞやダラダラとしたであろうが(毒)、サクッとしていて非常に小気味いい。 それにしても、御手洗さんはこんなにも石岡君を過保護にしていたっけ??? まるで女性に対する扱いではありませんか^^;レオナいるからね、そこに。本物のヒロインが!!

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2015/01/05
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故・殊能将之の『キマイラの新しい城』を読んでいたので〈巨人の家〉に関するトリックは見取り図を見た瞬間に判ってしまった。読む順番って大事。屋根に馬乗りになった死体と、犬神家の大楠ヴァージョンみたいな死体の真相に至っては、犯人の意図でないという点において、のちの『夏と冬の奏鳴曲』足跡トリックを先取りしている感がある。これって出版された当時の評判とかどうだったんだろう? 結構な問題作だと思うのだが。

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2014/12/10
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順番がバラバラで読んでいるので、それは若干マイナスかもしれない。話の骨子はいいが、この作品も本筋とは関係ない話が長い。楠の話だけで延々続くし、江戸時代の打ち首の話なども長い。写真まで載せてある。これらが物語の雰囲気づくり、バックボーンになってるのは確かかもしれないが、ここまで描きこむ必要があるかとなると、本格の枠を出ているような気がする。またこの作品は石岡という一人称で進むが、彼がひたすら読者をミスリーディングさせようとする、思い込み描写が長くてこれも鬱陶しい。雰囲気・トリック・意外な犯人など、設定は面白いのだからもう少しストレートになった方が楽しめる気がする。

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2014/10/26
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戦中戦後の40年間、スコットランドと横浜 長い年月と距離とを超えて積み重ねられた惨劇と謎の数々は、 大楠の存在感と相まってなんとも不気味な出来栄え。 文庫で670頁にもなる結構なボリュームですが、 先が気になって止まらなくなります。 いつも以上に、御手洗さんと凡人たちの繰り広げる会話にくすりとさせられるのも楽しい。特に警察とのファーストコンタクトはふきました。 解決編について、特に現代の現象には偶然の割合高め感が否めませんが・・・それすら今回はなにか不気味な意味を感じさせるかのような内容。 御手洗さんの多彩ぶりも発揮され、ヒロイン的役も登場、舞台を海外にまで広げたことも含めて全体的に贅沢感の高い作品でした。

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