暗闇坂の人喰いの木 の商品レビュー

島田荘司(著者)

2021/04/29

暗闇坂に立つ樹齢2000年の楠。この木が次々と人を呑み込むという。この途方もない事件の謎を御手洗が解き明かす。ストーリーの面白さは言うまでもない。あり得ない怪事件を語る面白さは中毒状態。しかし恐るべき真相に鳥肌が立った。

2021/02/01

最初から出てきてやる気満々な御手洗潔なのでずっと面白く読めて、私にとってはかなり分厚い1冊だったけど、グイグイ話に引き込まれた。

2020/11/29

まず御手洗節を楽しめた。オカルト感ある雰囲気も良かった。
そして前に読んだ斜め屋敷の犯罪並みのぶっ飛んだトリック。こんなのありか！と怒ってしまう読者もいるかもだけど…
たかが読者に考えつくようなトリックなんてつまらない。現実的じゃないけどこれくらいドカーンとやってくれていい。御手洗シリーズを読むにつれてそんな気持ちになってきている。
個人的にはトリックよりもゾッとする猟奇的な展開や御手洗の傍若無人の言動を楽しみにしている。

2020/07/09

面白かった。相変わらずのすごいトリックでびっくり&感心&笑ってしまった。
だって銭湯の建物ぴょんと飛び越えて屋根にすとんと着地、そのショックで心不全で死ぬとかさ、最初の女の子の死体をロープでトラックの屋根の上に載せようとして木に引っかかっちゃったとかさ、想像すると笑ってしまうでしょ……。
なんというか、ついてなかったのね、犯人は。偶然がひどい。
でも、すごいトリック。
V１ロケットとかV2ロケットとかの話が出てくるし、煙突はかなり印象的に描写されていたから、もしかして煙突を大砲代わりに打ち上げたとかそんなんじゃ……とか思って読んでいたんだけど、なんとまあ、こんなトリックとは！

巨人の家のトリックとかも、図があんなにわかりやすく書かれていたのに、ちっとも思いつかなかった。すごい。石岡君が地の文で「なんという盲点！でもこんなの分かるわけない」みたいなこと書いてるんだけど、地の文でそれ言っちゃう！？って笑うしかない……。

松崎レオナさん初登場ということで、どんな女性なのかなと思っていたらとても素敵な人だった。芯が強い。御手洗が、レオナさんの才能は人々から徴収したようなものなのだから人々に少しずつ返してあげなくてはならない、みたいなことを言ったのは、だから死ぬな、生きて、という御手洗なりの激励だよね。それをきっちり受け取れるレオナさん素敵だ。
それにしても、この二人に関わる女性って、石岡君に謎の見合いを持ちかける（？）森真理子さんに対し、御手洗にはこんな素敵な人で……！！！！！とは思ったよね。対比……（笑）

地下室の壁画は、まあ、オカルトチックは偶然という事で片付けられたんだと思うけれど、最後の方、自失したレオナさんが楠の根元にうずくまり泣きながら土を掘るシーン、あれはなぜ彼女があのような行動に出たかの説明ってされていないよね？あれはいったいなぜだったのか、気になる。書いてあった？
それがどうしても気になって★４つ。

2020/04/21

御手洗シリーズ初読み。
軽快な会話と展開の早さで、本の分厚さもなんのその、一気に読み終えました。
これは映像にするとさらに面白いだろうと思う。

2020/04/18

御手洗潔シリーズ６冊目。人を喰らうと謂われる巨大な楠に纏わる事件の話。最後までおどろおどろしい雰囲気が出てて、惹き付けられました。トリックもトリッキー過ぎて全然分かりませんでしたがおもしろかったです。牧野夫婦は殺さなくてよかったのでは。

2020/03/26

ミイラ取りがミイラに？大掛かりすぎるトリックに違和感しかなかったけど、最後の手記を読んですべて納得。まとめ方が美しい。

2019/06/12

今回は最初から御手洗と石岡くんが関わってくるので読みやすい。とはいえ御手洗の事件への関わり方が強引…
ちょいちょい挟まってくる誰かの手記が怪談ぽくて怖い。

イギリスの旅が楽しい。外国が初めての石岡くんをエスコートして、ねえどう？いいところでしょ？ってにこにこしてるのが面白い。

2019/04/29

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだ？　近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とは何か？　信じられぬ怪事件の数々に名探偵・御手洗潔が挑戦する。だが真相に迫る御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨を極めた。本格ミステリーの騎手が全力投球する傑作。

正直、ミステリーというか小説であった。トリックに注目が集まるが、トリック自体は大したことはないと感じた。
御手洗の活躍と捉えてみるとなかなかの作品でした。
レオナはまた登場するのかなど、期待する部分もある。

2018/08/26

これだけの奇想天外な複数のエピソード、事件、トリックを全て辻褄を合わせ、結びつけたのには驚いた。長い話だけどスピードもバランスも良いので飽きずに読了しました。御手洗潔ものは独特の雰囲気、内容で好みは分かれるでしょうが、作者の力の入れようが伝わる力作と思いました。