死者の奢り・飼育 の商品レビュー
どれもおんなじようにおもえてしまう。 それから文体が個性的、むしととりの比喩が多い。 それだけ。年代に差がありすぎて、わからんかった。大人になりたい。
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凄過ぎる文章。リアルで、読んでいるだけで、自分もそこに居たみたいに痛ましく疲れる。ノーベル賞は伊達じゃないと思った。飲み込んだ後咽喉にざらざらしたものがいつまでも残る感じの読了感は、他にないと思う。死者の奢りが一番良かったな。
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「死者の奢り」、「他人の足」、「飼育」、「人間の羊」、「不意の唖」、「戦いの今日」の六作品からなる短編集。 どれも印象深い話ばかりで、短さを感じさせない味わいがあったように思う。 奇怪なタイトルばかりが並ぶし、今から見て50年前の小説だけど、これは面白いですよ。 サルトルの実存...
「死者の奢り」、「他人の足」、「飼育」、「人間の羊」、「不意の唖」、「戦いの今日」の六作品からなる短編集。 どれも印象深い話ばかりで、短さを感じさせない味わいがあったように思う。 奇怪なタイトルばかりが並ぶし、今から見て50年前の小説だけど、これは面白いですよ。 サルトルの実存主義がどうかは僕にはわからないけれど、どの短編も根ざしている部分が同じように思う。 これは面白いー。 読みかえしながら読んでしまった。
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ノーベル文学賞受賞作家大江健三郎の初期、芥川賞受賞作『飼育』を含む六篇の短編集。 どの作品も戦後・戦中の日本を舞台に描かれるが、戦争の悲惨さを訴えるのではなく、全篇を通して人間の「暗」の部分が濃密に躍動的に表現される。 印象的だったのが<強者>と<弱者>の二項対立が多く見受...
ノーベル文学賞受賞作家大江健三郎の初期、芥川賞受賞作『飼育』を含む六篇の短編集。 どの作品も戦後・戦中の日本を舞台に描かれるが、戦争の悲惨さを訴えるのではなく、全篇を通して人間の「暗」の部分が濃密に躍動的に表現される。 印象的だったのが<強者>と<弱者>の二項対立が多く見受けられたこと。 『死者の奢り』の<生者>と<死者>、<助教授>と<水槽の管理人>。 『飼育』では<町>と<村>。<大人>と<子ども>。 『人間の羊』の戦争に勝利した<外人>と負けた<日本人>。 作者の格差に対する強い嫌悪と批判が感じられた。 50年前の作品だが、現代の格差社会にも通ずるものががあるのではないだろうか。 私のような一般人が理解するのは非常に難解で、読破するのに時間がかかってしまった。とにかく暗い。
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とてもニヒルで鋭い視点、かなり私好み。 タイトルになっている二作ももちろん素晴らしいけれど、私は「人間の羊」に強く心を掴まれた。 事件の傍観者が被害者を「助ける」ことができるなど、思い上がりも甚だしい。久しぶりにものすごい怒りを覚えた。
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芥川賞受賞作の『飼育』を含めた短編集。 私は『死者の奢り』が一番好き。 学生時代特有の妙に若い乾いた感じと、女子学生の妊娠とかも乾いてて、変に泣き喚くような現代の描写よりも理解できます。 死体を移すアルバイトって医学部のある大学なら普通に募集しているものなの?ってちょっ...
芥川賞受賞作の『飼育』を含めた短編集。 私は『死者の奢り』が一番好き。 学生時代特有の妙に若い乾いた感じと、女子学生の妊娠とかも乾いてて、変に泣き喚くような現代の描写よりも理解できます。 死体を移すアルバイトって医学部のある大学なら普通に募集しているものなの?ってちょっと疑問だったけど。 『飼育』以降は戦争もの。 戦争物って言って思い浮かべるようなのとは違うと思うけど、戦争の火の粉がかからないような田舎での戦争にまつわる話とか、脱走兵の幇助とか。そんな感じです
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読んでるところ 近代と現代の中間層、戦後であるが現代ではないといった位置がとても面白い。 表現は奥深く思索的で読んでいてどきどきする。
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衝撃的でした。大江さんは『個人的な体験』しか読んでなかったけどこっちもすごい。やはり題名にもなっている『死者の奢り』、『飼育』は秀逸です。
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時代背景からも、今の自分には理解しがたい状況ではあるが、 戸惑いつつも、登場人物から伝わってくる、苦しさや閉塞感が、妙にリアルで、ああ、これが文章のうまさなのだと感じた。 場面のひとコマひとコマが、実に丁寧に、雰囲気までもが想像できるほどに描き込まれているので、 何度でも読み返し...
時代背景からも、今の自分には理解しがたい状況ではあるが、 戸惑いつつも、登場人物から伝わってくる、苦しさや閉塞感が、妙にリアルで、ああ、これが文章のうまさなのだと感じた。 場面のひとコマひとコマが、実に丁寧に、雰囲気までもが想像できるほどに描き込まれているので、 何度でも読み返して、じっくり味わいたいと思った。
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21歳の頃読む。 短編集。 病院の解剖用の死者を管理するアルバイトをした主人公の「死者の奢り」。 戦争で敵兵を村で捕まえた「飼育」。 狂気ともいえない、誰もが持っているけれど、 見ないようにしている感情。 そんなものを見た。 読後は不思議な心地がした。
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