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死者の奢り・飼育 の商品レビュー

4.1

200件のお客様レビュー

  1. 5つ

    65

  2. 4つ

    69

  3. 3つ

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2011/02/26

最後に必ず出てくる、神経質かつ意地悪いどんでん返しがすごい好き。パッケージ化された善とか、本人は善と思い込んでるけどエゴとか、手品みたく見事に崩れて、暗く痛快。

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2011/02/25

『死者の奢り』は都市伝説で有名な「死体を沈めるアルバイト」のもとになった、という話を聞いたので読んでみたのだけど…大江健三郎は難解です。なんだかどの話も、もやもやする感情が渦巻いているような、そんな感覚にとらわれるような雰囲気のものばかりでした。

Posted byブクログ

2011/02/03

大江健三郎の若き日の短編集。若さと怒りと焦りと汗と体臭と日本人とアメリカ人、、、という感じ。文章にはようやく慣れてきたが、まだ心を突き刺すところにまで至っていない。このうつうつ感をすっと受け入れられるようになるのはいつのことか。

Posted byブクログ

2019/01/16

一瞬だけ希望を持たせてから、同じ泥濘の中に引きずり戻す。 その諦観が、絶望が、途轍もない安寧をもたらしてくれる。

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2012/02/25

本を開いた途端人や土や汗の濃い臭いが立ち込める。大学医学部の死体処理室での思考を綴った死者の奢りから、六編すべての根底を流れてるのは人の持つ暗闇。人間の奥深いところにあって原始的でどろりとした感触の、そういう本能みたいなものを感じる。

Posted byブクログ

2011/10/05

屍体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある叙情「死者のおごり」、療養所の暑い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無惨な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮辱をこめた「人間の羊」など6編を収める。『閉ざされた壁のなかに生きている状...

屍体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある叙情「死者のおごり」、療養所の暑い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無惨な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮辱をこめた「人間の羊」など6編を収める。『閉ざされた壁のなかに生きている状態』を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。 この本の中の痛々しい描写がどうにも苦手。 自分が読むにはまだ早い本だってことだろうか。

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2010/09/07

個人的には、この作品の中の、人間の羊っていう作品が人間の傍観者的側面をうまくえぐりだしていたため、登場人物にめちゃくちゃ憎悪した。だけど、すごいと思った!

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2010/07/23

久々に再読。 この淡々とした空気……特に表題作が好きだ。 少し鬱屈している主人公が、死体とは落ち着いて交流することが出来るのに、生きた人間とはうまく付き合えない……と半ばいらだち半ば諦め、しかしそれではいけないのかもしれない、とどこかであせっている気持がなんとなくわかる。 そして...

久々に再読。 この淡々とした空気……特に表題作が好きだ。 少し鬱屈している主人公が、死体とは落ち着いて交流することが出来るのに、生きた人間とはうまく付き合えない……と半ばいらだち半ば諦め、しかしそれではいけないのかもしれない、とどこかであせっている気持がなんとなくわかる。 そして一緒に死体運搬のバイトをしている妊娠した女の子の投げやりな、でも真摯な気持も。 生きるということは、たぶん、いつでも歯がゆい。

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2010/06/24

短篇集。大江健三郎はこれが初めてでしたが、すっかりハマってしまいました。おもしろかったです。『不意の唖』の終盤の張詰めた描写は特に印象に残っています。

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2010/05/01

大江健三郎初期の作品集。 どうも戦争というものが色濃く反映されていて、それはそれで良いとは思うのだが、ここまで偏ると飽きるというか。 今の大江の思想を知っているせいか、どうも変なフィルターがかかってしまい、あまり楽しめなかった。 この時代の文壇が熱かったのは戦争があったから...

大江健三郎初期の作品集。 どうも戦争というものが色濃く反映されていて、それはそれで良いとは思うのだが、ここまで偏ると飽きるというか。 今の大江の思想を知っているせいか、どうも変なフィルターがかかってしまい、あまり楽しめなかった。 この時代の文壇が熱かったのは戦争があったからだとは思うのだが、戦争をそこまで書いていない作家に優れている人も多いのでそこら辺は何とも・・・。 戦争って安易なテーマといえばテーマだし(そういえば世相を反映したテーマってのは得てしてつまらないかも)。 「死者の奢り」「他人の足」は素直に面白いと思っただけに。 戦争がテーマでない作品の方が面白いというのは皮肉な結果かもしれない。 もう少しこの人の初期作品は読んでおこうと思う。

Posted byブクログ