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金閣寺 の商品レビュー

3.9

741件のお客様レビュー

  1. 5つ

    198

  2. 4つ

    219

  3. 3つ

    197

  4. 2つ

    32

  5. 1つ

    7

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2020/06/10

スローリーディングの実践を読んで、まずは金閣寺から。 自分を主人公の立場において物語を楽しんだり、小説の文章の描写などを楽しむことはできるが、平野さんほど深読みしてはまだまだ楽しめきれていないな。 でもゆっくり味わって読むことは大切というのは賛成。小さい頃に何度も何度も読んだ本...

スローリーディングの実践を読んで、まずは金閣寺から。 自分を主人公の立場において物語を楽しんだり、小説の文章の描写などを楽しむことはできるが、平野さんほど深読みしてはまだまだ楽しめきれていないな。 でもゆっくり味わって読むことは大切というのは賛成。小さい頃に何度も何度も読んだ本、音楽は今でもしっかりと心の中に残っているから。これからはもう少し味わって楽しみたい。 さて肝心の小説自体への感想は、、、主人公の妄想癖がかなりありすぎて共感できるようなものではなかった。が、こういった思考回路をもって生活している人がいて、結果として社会を騒がせるような行為になったり、日常の中で自分にとっての違和感ある行為になったりするんだなと。 世界を変えるのは認識か?行為か? 自分にとって世界は変えるのは認識であり、行為でもある。もちろん他にもあるだろうと認識もしている。 故に、この質問自体、この議論自体が無用という認識。

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2020/07/10

ああ、意味わかんないけど綺麗だな、言葉って綺麗だなと思わされる。全く読み易くはないんだけど、心に爪痕が残る。初めて目の当たりにした日本語の力強さに、ただただ感嘆。 彼に共感した部分が多かった。 憧れ=コンプレックスを感じるものだし、それに惑わされるのも、焼き払いたくなるのも。...

ああ、意味わかんないけど綺麗だな、言葉って綺麗だなと思わされる。全く読み易くはないんだけど、心に爪痕が残る。初めて目の当たりにした日本語の力強さに、ただただ感嘆。 彼に共感した部分が多かった。 憧れ=コンプレックスを感じるものだし、それに惑わされるのも、焼き払いたくなるのも。 綺麗に心を描いた作品と感じた。 表現が非凡だが彼自身は普通の男の子、たまたま憧れが金閣寺だった。そのほんの少しの違いが、狂気に満ちた害児にも見えるし、孤高の天才にも見える。表現って無限。

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2020/05/08

金閣寺放火事件をテーマにした小説。主人公について、多くは一部を除き三島由紀夫の創作らしい。『仮面の告白』に近いものを感じた。

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2020/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

吃りがひどく醜い自分に劣等感を持つ 主人公にとっての金閣寺は、幼い頃から美しいという認識を父から刷り込まれていた。しかし実際に見た金閣寺はそうでもなくて、金閣寺が戦争で焼け儚く燃える瞬間まで美の象徴=理想として追い求めてしまう。陰気な青年と金閣寺、対比的な友人の鶴川と柏木との関わり、老師の女遊びや母の不貞を経て理想と現実で葛藤する主人公の内面が窺える。 金閣寺を燃やしたことは、追い求めた永遠の美を自分の行為によって完成させたことになるのか。 「一ト仕事を終えて一服している人がよくそう思うように、生きようと私は思った。」 締め括りのこの言葉は、世界は認識がつくるのか行為がつくるのかという話中の問いの答えであるような気がして、自分の理想を行為によって完成させたときずっと抱えてきた美を自分の中で追求する葛藤から何かこう解き放たれたような感じがした。

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2020/05/06

狂喜的な美しさに囚われた男が火を放つまでの、心の躍動と情念。夏目漱石「こころ」にも似た、人間心理の裏を描いた一冊。狂気的な人間のように見えて、どこかで誰しもが飼っていそうな感情に支配されていく様は耐え難い。三島の文体によって細部まで色濃く写されていく青年像に、心を持っていかれる。

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2020/05/05

初の三島由紀夫。 私にとっては難解であり、まだまだ及ばなかった。 様々な経験を積んだ上で、もう一度出逢いたい。 ただ、その表現する力に感嘆した。

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2020/05/04

30年ぶりに再読。日に焼けてページの端が茶になった昔の文庫本は活字が非常に小さく読みづらい。 あらすじは全く覚えていなかったが、金閣寺の放火に至る心理の変遷は犯人を取材したのだろうか。それとも全て創作なのか。 登場人物も全ての人が個性的過ぎるので、かなりの部分はフィクションなのか...

30年ぶりに再読。日に焼けてページの端が茶になった昔の文庫本は活字が非常に小さく読みづらい。 あらすじは全く覚えていなかったが、金閣寺の放火に至る心理の変遷は犯人を取材したのだろうか。それとも全て創作なのか。 登場人物も全ての人が個性的過ぎるので、かなりの部分はフィクションなのかな。

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2020/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お口の体操も兼ねて、全編音読してみた。音読して実感したが、やっぱり三島由紀夫は文章が上手だ。。。長編の小説にも関わらず退屈な文章表現がほとんど無い。構成には様式美をさえ感じさせる。 自己愛の拗らせた若者の告白小説という点で「仮面の告白」の系譜である金閣寺は、同時にその完成度の高さをもってこのスタイルそのものの息の根を止めてしまったかのような感もある。 思春期から20代の前半ぐらいまでの若者の「自分にはどれぐらいの価値があるか分からない。でも自分は特別なはずだ(そうあってほしい)」という思いは一般的だと思うけど、「金閣寺」の物語の根底も、これと同じ平面にあると読んでいる。この主人公は吃音というディスアドバンテージを抱え、自己愛を変な方向に拗らせてしまっている上、金閣寺の存在に変に魅了されてしまっていて更にややこしくなっているが。 ここから金閣寺を燃やすのは、通過儀礼的な意味でもこの主人公にとっては必然で、炎上を無事?済ませた後、自死のための道具を投げ捨てて、生きようと思う結末はとても爽やかな読後感を残してくれた。青春小説です。

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2020/04/14

認識が世界を変えるのか 行為が世界を変えるのか だれか2020年の観点でもう一度論じてみてほしい!笑 主人公は行為者だったけれど、彼が思っていたほど世界は大きく変えられてないんじゃないかな 行為する事で変わったのは結局自分自身だったね 舞鶴に行ったあとからの突き動かされるよ...

認識が世界を変えるのか 行為が世界を変えるのか だれか2020年の観点でもう一度論じてみてほしい!笑 主人公は行為者だったけれど、彼が思っていたほど世界は大きく変えられてないんじゃないかな 行為する事で変わったのは結局自分自身だったね 舞鶴に行ったあとからの突き動かされるような緊迫感と主人公の幸福が怖かった

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2020/04/12

「行為」というものがいかに尊いか。私は主人公の行動に美を感じる。正しい感情ではないのかもしれない。しかし、私は主人公に対し、ある種の畏敬を抱く。今の私にとって金閣寺とはそういう作品。 柏木の「行為ではなく、認識だけが、世界不変のまま、そのままの状態で変貌させるんだ。認識から見れ...

「行為」というものがいかに尊いか。私は主人公の行動に美を感じる。正しい感情ではないのかもしれない。しかし、私は主人公に対し、ある種の畏敬を抱く。今の私にとって金閣寺とはそういう作品。 柏木の「行為ではなく、認識だけが、世界不変のまま、そのままの状態で変貌させるんだ。認識から見れば、世界は永久に不変であり、そうして永久に変貌するんだ。認識は生の耐え難さがそのまま人間の武器になったものだが、それでいて耐え難さは軽減されない。それだけだ。」と述べている箇所がある。この口述の正当性は主人公も認めていた。 主人公の金閣寺に対する認識は、永久で完全な美から、美の概念そのものが怨敵となることで怨念となり変わる。そして美を虚無に求めるようになった。ここまでは認識だった。 しかし最後には、燃やすという「行為」を選んだ。彼は認識を飛び出して「行為」を選んだ。その後自死するでもなく、「生きようと思った。」という極めて希望的に締めで終わっているのが印象的だ。とても自由だった。 私は、認識に溺れる方が幸せだと思う。しかし行為とはいかに自由か、やはり魅了されてしまうのだ。 私にとっての美は何か。金閣寺になり得るものはあるか。永久を求める執着は怖い。 昔よりだいぶマシになったけど、やはりこの本は毎回理解しきるのには少々難しい本。また読む。 また全く違う感想を持ちそう。

Posted byブクログ