金閣寺 の商品レビュー
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暗い。 どんな物語か、一切知らずに読んでいたけど、 読むのに時間を要した。 どこかで性格や態度が公正されるのかと思いながら 読み進めたが、まさかのそのまま物語が進む事に驚いた。 しかし、最後の終わり方は予想外だった!
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とても美しいモノ(ここでは女性の乳房)を見た時、それは金閣へと変わる、といった表現が一番印象的でした。
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青年僧の激しい孤独に心震えた。彼は、その後の人生も金閣寺を支配した満足感を抱きながら、いつまでも脳裏に美しく屹立し続ける金閣寺の幻想から逃れられないのだと思う。
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金閣寺の絶対的な美は不壊のように見えてどこかに儚さを孕んでいるが故だと思う だからこの人にとって、金閣寺を燃やすことが最も金閣寺を美しくする術であり、自分が金閣寺に近づく術だったのか 美しいものは消える時が一番美しいのか 美の概念、内界と外界の隔たりが大きな2つのテーマ 吃音に...
金閣寺の絶対的な美は不壊のように見えてどこかに儚さを孕んでいるが故だと思う だからこの人にとって、金閣寺を燃やすことが最も金閣寺を美しくする術であり、自分が金閣寺に近づく術だったのか 美しいものは消える時が一番美しいのか 美の概念、内界と外界の隔たりが大きな2つのテーマ 吃音によって外界と関わりにくくなる分、この人の内界はものすごく広かった 内界と外界を繋ぐのが他人の憎悪だったり、醜さだったり、、
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良い家に産まれた主人公が、コンプレックスを抱え、破滅へと向かっていく感じは、太宰治の人間失格に似ていると思う。だんだん自分の内面ばかり気にして、人のことを考えなくなっていく。 美については、よく分からない。揺るがない美の象徴として金閣というのは、少し分かる気がする。
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芸術的な文章とはこういうものか 難解なところもあったが、「美」というテーマの奥深さを感じた小説であった。 心の中で燃え盛るエネルギーを畳み掛けるように様々な角度から表現する文章に感心した。三島由紀夫の熱さを文章から感じたのかもしれない。
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主人公がグダグダ考えているなあ、ど思うんだけど、そのグダグダさの一部は誰もが考えたことがあるもので、それを普通はそこまで煮詰めないけど、煮詰め過ぎて行動に移してしまった結果が金閣寺放火なのかな。 グダグダした思考なんて読むのが辛くなりそうだが、そこを美しい幻想の景色とともに読ませてしまうのは、流石三島由紀夫といったところ。
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実際にあった事件を下敷きに、フィクションとして、主人公の男が子どもであったころから、何を言い、したか、丁寧に描かれていた。 「美」とは何か?様々な美術や芸術品を観て考えるがわからない。
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主人公の心象がぶっ飛びすぎててよくわからない…文章が綺麗なのはわかるが抽象的で、凡人にはついていけなかった
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この本のテーマは、貴重な文化財の焼亡を惜しむのでもなく、美しきものは必ず滅ぶといったことでもなく、放火犯の狂気でもない気がする。自己の内面と現実世界との懸隔ではないか。現実世界とのつながりを持とうとしたその時、必ず金閣が現れ、そのつながりを妨げる。このような小説を30歳の時に書い...
この本のテーマは、貴重な文化財の焼亡を惜しむのでもなく、美しきものは必ず滅ぶといったことでもなく、放火犯の狂気でもない気がする。自己の内面と現実世界との懸隔ではないか。現実世界とのつながりを持とうとしたその時、必ず金閣が現れ、そのつながりを妨げる。このような小説を30歳の時に書いたことにただた驚嘆。やがて著者自身も、自己と現実世界の埋めがたい懸隔を認め、溝口が金閣を破壊したように自身そのものを屠ることになるが、そんな暗示も見えるような気のする小説。
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