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金閣寺 の商品レビュー

3.9

741件のお客様レビュー

  1. 5つ

    198

  2. 4つ

    219

  3. 3つ

    197

  4. 2つ

    32

  5. 1つ

    7

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2020/09/07

金閣寺に火をつける青年の告白を三島氏の豊穣な表現によって、主人公の内面が鮮やかに表現されている。格調高い文章を充分に堪能することが出来た。

Posted byブクログ

2020/09/02

ーー『金閣を焼かなければならぬ』  昭和25年の夏、京都の鹿苑寺で実際に起きた事件はそこから6年後、鬼才・三島由紀夫の手によって新たに綴られた。近代日本文学の傑作は海外からも高い評価を受け、 ノーベル文学賞候補にも選ばれた。 主人公の青年らしき思想、苦悩は読む者を 三島由の世界に...

ーー『金閣を焼かなければならぬ』  昭和25年の夏、京都の鹿苑寺で実際に起きた事件はそこから6年後、鬼才・三島由紀夫の手によって新たに綴られた。近代日本文学の傑作は海外からも高い評価を受け、 ノーベル文学賞候補にも選ばれた。 主人公の青年らしき思想、苦悩は読む者を 三島由の世界に引き込むことに成功し、特徴的なキャラクターである、鶴川・柏木が主人公の狂人さ、ないし人間らしさを上手く引き出す。後半部分では明確な意思表示がひしひしと伝わり、読者の想像を掻き立てる。かの 三島由紀夫を語る上で必読の一冊である。

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2020/08/31

三島由紀夫が天才と揶揄される理由がよくわかる。 鬱屈としたこの物語を、ここまで綺麗に書き上げられるものかと感嘆した。 人の抱えるコンプレックスを描くために、自分の闇の部分とかなり向き合ったのではないだろうか。 心臓を掴まれるような思いがした。 しかし、この苦悩を本当に理解できるの...

三島由紀夫が天才と揶揄される理由がよくわかる。 鬱屈としたこの物語を、ここまで綺麗に書き上げられるものかと感嘆した。 人の抱えるコンプレックスを描くために、自分の闇の部分とかなり向き合ったのではないだろうか。 心臓を掴まれるような思いがした。 しかし、この苦悩を本当に理解できるのは、男性だけだろうなと思う。

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2020/08/12

昔の小説を読むには時間がかかる。 だからドラマやYouTubeで解説を見た方が早いのだが、三島由紀夫さんが知りたくて。 完璧主義、自己愛、半端のない執着… 疲れるだろうな。しんどいだろうな。 「美」は私の人生の概念にそれほどなかったが、「コンプレックスの対称」としてみれば、こ...

昔の小説を読むには時間がかかる。 だからドラマやYouTubeで解説を見た方が早いのだが、三島由紀夫さんが知りたくて。 完璧主義、自己愛、半端のない執着… 疲れるだろうな。しんどいだろうな。 「美」は私の人生の概念にそれほどなかったが、「コンプレックスの対称」としてみれば、この主人公のようにいつでもどこでも線で結びついて出てくる訳ではないものの、誰にでも多少あるものだと思った。 だができれば「そんなのは執着だよ」と流して金閣を燃やさない「強さ」と言われるものを備えてほしい、それはそうでなければ今の世の中ではどうしても生きづらいから。

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2020/08/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「いつかお前を支配してやる。二度と私の邪魔をしに来ないように。必ずお前をわがものにしてやるぞ。」主人公の溝口がかつて理想的な美のシンボルとして「金閣寺」に想いを馳せる。一方、彼の人格が徐々に崩壊してゆく。その過程として、有為子への片思いとその死、障がい者柏木の固執した思考、親友鶴川の自殺、老師との確執が助長し、その終焉である理想的な美の壊滅へとつながっていく。そのエキセントリックな描写とエロティシズムが溝口の人格崩壊をリアルに表現していた。初めて読む三島文学の圧倒的な存在感を堪能できた。

Posted byブクログ

2022/02/19

青年将校と恋人のやりとり あーいうのって実際に行われてたことなのか 三島の創作なのかわからないけど 他人が入り込めない潔癖な美しさがあっていい 単純に身体を重ねるよりずっと生々しい感じするし

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2020/07/15

3冊目の三島由作品。 命、売りますから入ったのだが その後に潮騒、そして金閣寺と読んで気付いたが命〜に関しては大分読みやすい作品だったと気づく。 何度も辞書で調べつつ1ヶ月かけて行っては戻ってはを繰り返し読了。 溝口に対しこいつ狂ってるな!と思わず笑ってしまったのは1度や2度...

3冊目の三島由作品。 命、売りますから入ったのだが その後に潮騒、そして金閣寺と読んで気付いたが命〜に関しては大分読みやすい作品だったと気づく。 何度も辞書で調べつつ1ヶ月かけて行っては戻ってはを繰り返し読了。 溝口に対しこいつ狂ってるな!と思わず笑ってしまったのは1度や2度ではないが、歯車が悪い方向にあってしまったが故の行為だったか 語彙力、読解力養って改めてもう一度読みたい作品

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2020/07/04

再読。金閣を焼かねばならぬーー学僧が火を放った。長年、その美しさに魅了され、幾度となく夢想し、執着すらしていた金閣寺。主人公の溝口が金閣寺を愛し、そして憎み、燃やすに至るまでの告白文は何処までも精緻で圧巻。金閣寺の描写が美しければ美しい程、溝口の醜悪な内面が際立つように感じる。青...

再読。金閣を焼かねばならぬーー学僧が火を放った。長年、その美しさに魅了され、幾度となく夢想し、執着すらしていた金閣寺。主人公の溝口が金閣寺を愛し、そして憎み、燃やすに至るまでの告白文は何処までも精緻で圧巻。金閣寺の描写が美しければ美しい程、溝口の醜悪な内面が際立つように感じる。青年期特有の、誰からも理解されたくないと言う自意識、生への嫌悪、悪徳への抗いたい誘惑、性への目覚め。金閣寺を焼くことは彼が裡に抱えていたあらゆる鬱屈の浄化であり、またこれまでの己との決別のための葬送であったのかもしれない。

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2020/06/24

ちょっと意味が解らない。とか言っちゃだめか…… 最後まで主人公、溝口の主観で物語は描かれている。 柏木との対話は興味深い。 己の持つ狡猾さ、邪悪、恨み、愚かさ、凡そ人には明かせない暗黒の部分。偽善を装い、他人が私を受け入れること。それは自ら劣等を受け入れる妥協を含む恐れがあ...

ちょっと意味が解らない。とか言っちゃだめか…… 最後まで主人公、溝口の主観で物語は描かれている。 柏木との対話は興味深い。 己の持つ狡猾さ、邪悪、恨み、愚かさ、凡そ人には明かせない暗黒の部分。偽善を装い、他人が私を受け入れること。それは自ら劣等を受け入れる妥協を含む恐れがある。永遠に矯正する機会を失うかもしれない。そこに甘んじることは何よりも許すことのできないこと。あまりにも醜く、救いようのない穢れを受け入れることなのだ。 唯一無二の金閣寺は、破滅的な行為の中で、美しさを完成させる。狂った美への執着が最後、どのような感情で締め括られたのか。 理解に苦しむ部分が多かったが、追求すると深みに嵌る恐れがある。美とは何か。この小説はただ狂っているものを描いているわけじゃなく、人の考え方を、極端な二つに分けて、その一方の主観を描いているような気がした。 私は二分された別の一方に属していただけで、ただただ極端な考えに、極端な不審感を抱いていたようだ。 読了。  

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2020/07/14

1950/7/2の金閣寺放火事件の犯人、寺の青年の心情を描いた、三島の分析。 自分は特別な存在であり、他と同一に扱われるのを嫌う柏木との出会いから、青年の心に、美への嫉妬、生とは何か、、、 もう一度読もう

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