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野菊の墓 の商品レビュー

3.8

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    33

  4. 2つ

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2012/10/02

設定があまりに旧時代的だったんでのめりこめるか疑問だったけど、案外物語の底にあるものは普遍的だった。 作者は歌人としての業績のほうが大きいので小説はやや一発屋の感が。 水を汲みに山を2つ越えなきゃならない明治時代の松戸はある意味すごい。

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2012/08/10

正岡子規自宅で開かれていた 「山会」という勉強会に参加していた 歌人 伊藤左千夫による初恋物語です。 初恋というか、恋の原風景でしょうか。 田舎の風習によって、 想い合った二人が、沿い遂げられない悲しい結末ですが、 読者が少々心が痛むほど、ひたむきな想いに心が洗われ...

正岡子規自宅で開かれていた 「山会」という勉強会に参加していた 歌人 伊藤左千夫による初恋物語です。 初恋というか、恋の原風景でしょうか。 田舎の風習によって、 想い合った二人が、沿い遂げられない悲しい結末ですが、 読者が少々心が痛むほど、ひたむきな想いに心が洗われます。 (いやはや、私も大人になってしまったものだ。) そして、果たして、恋とは何なのかを考えるのです。

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2012/04/29

現代文の教材で問題として出てくる前にちょっと読んでみようと思って読みました。2人の初々しさというのか、いじらしさというのか、この関係が羨ましくなってしまった。

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2012/07/03

青空文庫さんにて。2人が本当に初々しくて、清らか。切なくて仕方がないけど、それがまた好き。当時の社会を如実に書き出している、ということで授業ですすめられた作品。

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2012/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

当時の時代性がはっきり見えるほど台詞の中のカタカナ遣いと言い回しがいいなぁとひしひし…これは当時に生きている人じゃないと絶対に書けないものだと思う。同時代研究が実に楽しそうな作品。恋だの愛だの、考えずに一緒にいられたらいいのにという二人はとても清純で美しい。それに加えてその美しさは小説の中でしか美しくなりえないのだということも教えてくれる気がする。切ないなぁ…。

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2012/02/09

1906年1月、雑誌「ホトトギス」に発表。私が生まれる遥か昔の小説である。ただ、子供の頃ドラマ化されて小説もブームになったことがある。読めば泣くと言われた。でも、私は泣けなかった。当時、男の子は恋愛小説を読んで泣いてはいけなかった。授業での反応は?韓国の有名な小説「ソナギ(夕立)...

1906年1月、雑誌「ホトトギス」に発表。私が生まれる遥か昔の小説である。ただ、子供の頃ドラマ化されて小説もブームになったことがある。読めば泣くと言われた。でも、私は泣けなかった。当時、男の子は恋愛小説を読んで泣いてはいけなかった。授業での反応は?韓国の有名な小説「ソナギ(夕立)」に似ていますねと言うとその主婦は昔を思い出すかのように、私も読みながらそう思いましたと言った。野に咲く花にお互いを託し愛を確かめ合う二人。若い学生たちはこんな廻りくどい男は嫌だと言う。降る雨に昭和も遠くなりにけりかな(ノ_-。)

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2011/12/19

現代の作品の中では、あまり描かれることのないテーマ。だからこそ、ここでしか読めないという希少な雰囲気の漂う物語に、特別なものを感じてしまいます。 斉藤政夫、十五歳。戸村民子、十七歳。 政夫は或る日、幼い頃より共に育った従姉の民子との間に、まだ芽生え始めたばかりの恋を認める。民子...

現代の作品の中では、あまり描かれることのないテーマ。だからこそ、ここでしか読めないという希少な雰囲気の漂う物語に、特別なものを感じてしまいます。 斉藤政夫、十五歳。戸村民子、十七歳。 政夫は或る日、幼い頃より共に育った従姉の民子との間に、まだ芽生え始めたばかりの恋を認める。民子も、その想いに気づいており、二人は言葉に出さないまでも相思相愛の関係にありました。 従姉とは言え、ごくごく身近に居すぎた二人は、これまで育ててくれた周囲の人の目を気にし始め、互いに距離を取り始めます。 次第に膨らんでいく純粋な想いと、世間体や大人の目への罪悪感。 思春期に生まれる恋心を、かくも純粋に、憐れみを込めて描いた作者・伊藤左千夫の筆力に圧倒されました。 決して大声で、この作品が好きだと言えない自分に、政夫と同じ躊躇の念を重ねて想像します。 このことは皮肉にも、自身が少しは大人になった…ということなのだろうと思うのですが。 大声で好きだと公言できないものの、とても魅力的な作品である…という意味において、『踏み絵』的な魅力に包まれた作品であると思いました。

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2011/11/09

「恋」だと気付かないうちが、楽しくて幸せ。 周りの大人たちに「恋」だと気付かされてしまい、引き裂かれてしまう。やるせないです。

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2011/11/03

悲恋。せつない、の一言にかぎります。名作だけど、著者の文章はそんなに上手ではない・・・かな・・・・・・。

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2022/07/28

受験真っ只中で読みふけっていた。読みやすく、こてこての純愛ながら心打たれた。 ------- 2017/09/19 この作品を手に取ると、鮮明に思い出す。 高校卒業間近の3階の教室の窓際。冬ながら小春日和で日差しが暖かかったこと。中庭に輝くようなハクモクレンが咲いていたこと。冬休...

受験真っ只中で読みふけっていた。読みやすく、こてこての純愛ながら心打たれた。 ------- 2017/09/19 この作品を手に取ると、鮮明に思い出す。 高校卒業間近の3階の教室の窓際。冬ながら小春日和で日差しが暖かかったこと。中庭に輝くようなハクモクレンが咲いていたこと。冬休みの静かな校舎。先生の担いでいた脚立。何を読んでるの?と聞かれて応えると、「お民さん、」と先生が言った。自分の名前を呼ばれたような気がして、頬が熱くなったこと。暮れるのが早い冬の西日が眩しかったこと。 永遠のような静かな時間が心地よかった。十年、二十年のちにこの本を読んでも、きっとまっさきにこの日を思い出す。幸福を感じたこと。人生でいちばん、美しい日だったこと。

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