野菊の墓 の商品レビュー
「野菊の墓」と「守の家」がとても気に入った。前者ではお互いに好きだとわかっているけれど、直接伝えることのできない初恋。二人の距離感が絶妙でとても切なく、儚いものだけれどその純粋さに心が温まった。後者も関係性は違えど、お互いに思う無邪気さには私の忘れていた感情を起こさせるものだった...
「野菊の墓」と「守の家」がとても気に入った。前者ではお互いに好きだとわかっているけれど、直接伝えることのできない初恋。二人の距離感が絶妙でとても切なく、儚いものだけれどその純粋さに心が温まった。後者も関係性は違えど、お互いに思う無邪気さには私の忘れていた感情を起こさせるものだった。両者とも当時の村社会特有の性質の悪しき部分から悲しい結末になってしまう。しかし互いが好き同士であっても集団の意思には個は抗えないという常識の元ということで二人の存在が際立って切なく美しいものになっていることは皮肉なことだと思う。
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ツルゲーネフの「はつ恋」みたく読むにつれ予感はするものの、いざ読み切ると、やはりはかない。これでは恋情がくすぶるままに燃えきらない生木みたいだ。
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野菊のような人。竜胆のような人。 恋というのは人間である以上、皆共通の感覚。留学中の外国人の恋愛話とか思い出した。 恋愛には某かの制約がつく。世間体、年齢、将来性。本当に今好きな人が運命の人なのかは、誰にもわからない。だからこそ人は、一回一回の出会いを大切にできるのかもしれない。
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あまりにもピュアで、あまりにも切ない、純愛小説の代表作。これほどまでに真っ直ぐな純愛は、もはや現代日本には存在しないかもしれませんね。明治時代に書かれた古い作品ですが、そういう意味で逆に新鮮さすら感じる、淡く素敵な恋物語です。
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純朴。 たおやかな恋でした さよなら(サイハテ) 「民子さんは野菊のような人だね」 (中略) 「僕は野菊が好き」 いいなぁ
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中学校だったか、国語の先生が進めていたのをふと思い出して購入。農村のなか歩く政夫と民子がまったく純粋で!素朴な風景描写が雰囲気をより深く喚起させて、また終盤のながれが辛いものに…。「姪子」は穏やかな気持ちになるし、「守の家」も優しくて哀しい話でなかなかよかったけど、「浜菊」はこれ...
中学校だったか、国語の先生が進めていたのをふと思い出して購入。農村のなか歩く政夫と民子がまったく純粋で!素朴な風景描写が雰囲気をより深く喚起させて、また終盤のながれが辛いものに…。「姪子」は穏やかな気持ちになるし、「守の家」も優しくて哀しい話でなかなかよかったけど、「浜菊」はこれただの悪口だなw
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政夫と民子の叶わぬ恋の物語。しかし、切ないなぁ。やり切れない気持ちになります。世間体という見えない壁、それを気にして見栄を張りたがるのは現代の人間も同じです。他にもこんな寂しい結末が無いとも限らない。そう思うとやるせないです。野菊の花のようだった民さん。幸せになって欲しかったです...
政夫と民子の叶わぬ恋の物語。しかし、切ないなぁ。やり切れない気持ちになります。世間体という見えない壁、それを気にして見栄を張りたがるのは現代の人間も同じです。他にもこんな寂しい結末が無いとも限らない。そう思うとやるせないです。野菊の花のようだった民さん。幸せになって欲しかったですね。
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5年前に読みましたが 野菊が道路わきに咲き始める頃 毎年、民さんを想います。 大学の授業で、この作品の アナザーストーリーを創作したこともあって 思い出深く、きゅっとなにか鼻の奥がツンとする感じ。
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少女漫画にも劣らない恋愛小説で、なんだか読んでいる方が気恥ずかしくなりました。 最後は涙を誘います。
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好きです。 どの話も人間臭さを感じられる。 「姪子」 ひんやりとした早朝のぴりっとした空気に朴訥な人々、美味しい空気と美味しいご飯…とても魅力的に感じた。 最後に語られる人生観、いいなと思う。 「野菊の墓」 働いた後、野で民さんと政夫さんがご飯を食べる場面、本当にご飯が美味し...
好きです。 どの話も人間臭さを感じられる。 「姪子」 ひんやりとした早朝のぴりっとした空気に朴訥な人々、美味しい空気と美味しいご飯…とても魅力的に感じた。 最後に語られる人生観、いいなと思う。 「野菊の墓」 働いた後、野で民さんと政夫さんがご飯を食べる場面、本当にご飯が美味しそうだった。
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