野菊の墓 の商品レビュー
短編四編。 表題にもなっている野菊の墓は、哀しいの一言に尽きます。 前半などはほのぼのとしていてかわいらしくもほほえましいのだけど、最後はただ哀しく、涙がこぼれそうになりました。 主人公が子供の頃を回顧するところから始まるので、おおよそどのように終わるかは想像がつくのですが、それ...
短編四編。 表題にもなっている野菊の墓は、哀しいの一言に尽きます。 前半などはほのぼのとしていてかわいらしくもほほえましいのだけど、最後はただ哀しく、涙がこぼれそうになりました。 主人公が子供の頃を回顧するところから始まるので、おおよそどのように終わるかは想像がつくのですが、それにしてもあんまりです、と非難したくなるほど胸に迫りませした。 こんなにも短い文の中で、こんなにも入り込んでしまったのは久しぶりです。 残り三編も、情景が浮かんでくるかのようで、地味な内容でありながら記憶に残る、とでも言うのか。昔の日本の暮らしがありありと浮かび上がるよう。 とくに姪子は、宮本常一を読んでいるような錯覚を覚えました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
友人から、私と誕生日が同じ作家の作品だよ、と頂いた作品。映画化していたので名前だけは知っていたけれど、読んでいなかった。今から100年以上前に生まれた作者による舞台設定は、平成生まれの私には少し古びていて、読めない漢字や知らない単語が多かった。けれど、情景や心情描写は全く色あせること無く、現代に生きる私の胸に響いてきた。 若さゆえ、疑うことなく人を想える純粋で、ひたむきな、恋ではなく愛を感じ取れる作品。
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伊藤左千夫が1905年(明治38年)に発表した"野菊の墓"他3つの短編を収録。どの作品も、作者の素朴な感性がにじみ出ていて読んでいて清々しい文章です。"野菊の墓"は、100年前に書かれたとは思えないほど、現在の鑑賞にも耐える作品です。舞台設...
伊藤左千夫が1905年(明治38年)に発表した"野菊の墓"他3つの短編を収録。どの作品も、作者の素朴な感性がにじみ出ていて読んでいて清々しい文章です。"野菊の墓"は、100年前に書かれたとは思えないほど、現在の鑑賞にも耐える作品です。舞台設定などは古いのですが、そこに描かれる恋愛模様は、全然色あせてないです。締めの文章がなんかドキッときた。"浜菊"、"姪子"、"守の家"の3編は、それぞれの主人公のある日を切り取った話ですが、"浜菊"だけが毛色が違うというか他にこんな話を書く人はいないのではないでしょうか。
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「矢切の渡し」がある松戸市の学校に通っていたので、その頃読んだような読んでないような。 描写が美しいし、登場人物に共感しやすく、とても読みやすかった。 ジブリ映画の『風立ちぬ』は見ていないけれども、なんで宮崎監督は『野菊の墓』を映画化しなかったのか。ジブリ映画でぜひ綿摘みのシーン...
「矢切の渡し」がある松戸市の学校に通っていたので、その頃読んだような読んでないような。 描写が美しいし、登場人物に共感しやすく、とても読みやすかった。 ジブリ映画の『風立ちぬ』は見ていないけれども、なんで宮崎監督は『野菊の墓』を映画化しなかったのか。ジブリ映画でぜひ綿摘みのシーンや、丘の上からの景色を見たかった。しかたないので、脳内再生しながら読みました。ああ、残念。絶対キレイだったろうに。
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超有名作なのに 全く内容を知らないので読んでみる お、思いの外、淡白な文章…! いや、都会的淡白さというより 朴訥としたあっさりさか 表題作もヨカッタが あとの三篇は全く違う舞台で エッセイかと思うほどリアリティあふれるお話だった 文章の作りが好み これで現代語なら最強かも...
超有名作なのに 全く内容を知らないので読んでみる お、思いの外、淡白な文章…! いや、都会的淡白さというより 朴訥としたあっさりさか 表題作もヨカッタが あとの三篇は全く違う舞台で エッセイかと思うほどリアリティあふれるお話だった 文章の作りが好み これで現代語なら最強かも でも星は3つ
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純愛小説。作者伊藤左千夫。 中学入学直前の男子と、二歳年上の女。 ただ、母親の無理解だったり、周囲のねたみだったりで 引き裂かれてしまうよう悲しい話。回想形式。
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伊藤 左千夫(いとう さちお、1864年9月18日(元治元年8月18日) - 1913年(大正2年)7月30日)は日本の歌人、小説家。本名 幸次郎。上総国武射郡殿台村(現在の千葉県山武市)の農家出身。明治法律学校(現・明治大学)中退 Whikipediaより 15歳の少年・政夫...
伊藤 左千夫(いとう さちお、1864年9月18日(元治元年8月18日) - 1913年(大正2年)7月30日)は日本の歌人、小説家。本名 幸次郎。上総国武射郡殿台村(現在の千葉県山武市)の農家出身。明治法律学校(現・明治大学)中退 Whikipediaより 15歳の少年・政夫と2歳年上の従姉・民子との恋を描いた小説。今でこそ姉さん女房は珍しくない時代だけど、この小説が発表された時代(1906年)には相当な反対があったようで、二人の仲は周りの人達の手で引き離されてしい、不幸な結果となってします。 二人の恋が少しずつ育むまれていく心の様子が、とてもリアルに思われ読み進むうちに幸せになって欲しいと思われてくる。 しかしながら不幸な結果となってしまう。そこまでの二人の気持ち、特に民子の辛さが身につまされ、涙が溢れてしまった。
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青空文庫で無料だったので読んでみた。 小さい頃、小学生くらいの時かな、 「短い話だけど印象的」だと感じた記憶があったんだけど、 10年くらい経っても名作は名作でした。
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民子と政夫のやりとりが、初々しくて、いじらしくて、せつないところもあって、あそこはなかなか良いのだけれど。 最後、民子がしていることは恩着せがましくないだろうか。 政夫が忘れられないのは、それゆえに、愛情よりは後悔やら執着やらに思えてきてしまう。 若いときは、あんなに清新だっ...
民子と政夫のやりとりが、初々しくて、いじらしくて、せつないところもあって、あそこはなかなか良いのだけれど。 最後、民子がしていることは恩着せがましくないだろうか。 政夫が忘れられないのは、それゆえに、愛情よりは後悔やら執着やらに思えてきてしまう。 若いときは、あんなに清新だったのに!
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Tami, you look like wild chrysanthemum. Masao, you are gentian. 民先生。你是象野菊一样的人。小政夫、你是龙胆。松田聖子主演で映画にもなった作。死人には勝てないけど、最後の文は現在の政夫の妻に対して、結構失礼だ。
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