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野菊の墓 の商品レビュー

3.8

105件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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 恋愛小説。ストーリ…

 恋愛小説。ストーリー自体は割りとありきたりだけれども(もっとも、当時は新奇だったのかもしれない)、情景が心に響くものがあり、また非常に痛切。 そして、現在のリベラルな恋愛観で、このリベラルでない恋愛をみると、その悲壮感はただ増すばかり。この結末を、ただ受け容れるしかないこの主人...

 恋愛小説。ストーリー自体は割りとありきたりだけれども(もっとも、当時は新奇だったのかもしれない)、情景が心に響くものがあり、また非常に痛切。 そして、現在のリベラルな恋愛観で、このリベラルでない恋愛をみると、その悲壮感はただ増すばかり。この結末を、ただ受け容れるしかないこの主人公もまた、非リベラルな社会だったからこそ、ありえた姿なのだろう。

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「野菊の墓」「浜菊」…

「野菊の墓」「浜菊」「姪子」「守の家」の四話。「野菊の墓」は、ありがちな話だが、それでも泣けた。幼馴染の仲が恋になり、けれどもあまりに幼い恋は、その不器用さと純真さゆえに、引き裂かれる。清らかな初恋が見事に表現されている。

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田舎の純朴な風景から…

田舎の純朴な風景から育まれる二人の純粋な恋を描いた作品。作者が生まれ故郷で慣れ親しんだ風景を元に非常に繊細で素朴な自然を味わえる。『野菊の墓』

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薄いので一瞬で読める…

薄いので一瞬で読める。この純粋さ、つたなさ、田舎っぽさが良い。

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すぐに読めちゃいます…

すぐに読めちゃいます。とてもかわいそうで、けれども、一緒に過ごしたほんのわずかな時間は本当に幸せで、一生の幸せを使い切ってしまうんじゃないかと思うほど幸せだった…それは、短くても満たされた人生だったんだと思う…そんなメッセージを感じとりました。

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――幽明遙けく隔つと…

――幽明遙けく隔つとも僕の心は一日も民子の上を去らぬ。この一文を含む最後の下りが、とても印象的です。一説によると、あの夏目漱石も絶賛したのだとか。それにしても昔の人は、綺麗な日本語を使っていたのですね。会話文など、とても美しい。

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2024/07/26

恋愛小説の古典である。著者は、歌人の伊藤左千夫。彼は、小説はこれぐらいしか残していないから、もしかしたら本人または知人の実話に近いのかもしれない。歌人らしい自然描写が美しく、それだけ悲劇に終わってしまう若い二人の純愛が哀しい。

Posted byブクログ

2024/06/14

あんまり覚えていない。 ありきたりの悲恋という感じ。 時代の風潮で結ばれない。 後半の二作はほとんど覚えていない。偏屈親父が、友達が変わってしまったと嘆き、批判する話だった気がする。

Posted byブクログ

2024/01/20

なんで今まで読んでこなかったのだろう。 求めていた話がここにあった。 1900年代発表なのも驚き。 似た雰囲気の作品があればそれも読みたい。

Posted byブクログ

2023/11/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

北村薫著、秋の花より。 再読するたびにいつか読もうと思っていたコチラをようやく手に取る。 普段あまり遣わない漢字や言葉が多くて、そういえば私、小説たくさん読んできたつもりだったけど、いわゆるクラッシックな名作っていうやつはあんまり読んできてなかったな、ということに思い至った。 と、いうことで読み慣れない古い言葉や漢字に悪戦苦闘…、 短編で良かった。 お話のスジは主人公政夫が、思春期の入口にいた頃、仲の良かった2つ年上の従姉妹とのその関係を周りにとやかく言われ始めたことから意識してしまい、お互いプラトニックな恋心を通わせたタイミングで親や親戚からその仲を引き裂かれ、従姉妹は望まぬ結婚をさせられ、失意のうちに若くして亡くなり…という思い出を振り返って語る、というもの。 従姉妹…民子の亡くなった理由としては嫁に行き、身重になったものの、子どもはおりてしまい後の肥立ちの悪さゆえ、ということらしい。 縁談を断る民子に、政夫の母が言い放つ言葉がなかなか厳しく、また、嫌がる彼女に強引に縁談を勧めた家族の圧も結構しんどかったことだろう。 実際、民子の死に際して政夫の母も民子の家族も大きな責任を感じている。 物語は過去の政夫の視点で進む。 民子の死を伝えた時の、母の詫び言、 墓に参った政夫を出迎えた民子の家族の詫び様に、1番感情を動かされた。 政夫に民子との仲を引き裂いたことを涙ながらに詫びる。 さらに政夫に民子の死、その一部始終を涙ながらに聞かせる。 …いやいや、皆さん、 それでその罪悪感から逃れようとしていませんか? …なんなんだ、この人たち、と。 秋の花の正ちゃんは、政夫に随分ご立腹でしたが、私は民子が亡くなった後の政夫の母や、民子の家族の詫びようになんだかとてもイライラしてしまった。 いやマジで、 民子の嫁行った先のお家の方にもめちゃくちゃ失礼だろうよ。 2人で茄子をもぐシーンや、綿の畑で過ごす時間、野菊と竜胆のやりとりなど、繊細で美しいところもあったけど、 実はイマイチ政夫や民子にも共感できなかったんだよな。 時代認識の差なのかなー…。 共感ではないが、同情するとしたら、民子の嫁ぎ先の旦那さんに1番同情した。 (おそらく待望のお子さんも亡くなってるわけだし) とは言え、読み慣れない文体にも関わらず、なんだかんだで感情を動かされる。 美しい悲恋に感動で涙が流れる…という動かされ方ではないけど、集中が途切れず一気に読めたのも良かった。 あ、ほかの3編もじわじわ面白かったです。

Posted byブクログ