小僧の神様・城の崎にて の商品レビュー
城の崎にて/命の尊厳を感じさせる、短いながらもひじょうに重い向きの小品。著者独特の生命観死生観がつよく表れており、思想の奥行きに圧倒される。
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志賀直哉、正直ただの瓢箪オタクだと思っていた。本当にごめんなさい。志賀直哉は天才だった。小説の神様と呼ばれる理由もよくわかった。っていうかよく考えたら、瓢箪オタクなのは志賀直哉じゃなくて清兵衛だった。 表題にもなっている『城の崎にて』は芸術だった。ここまでさらりと簡潔に、なおか...
志賀直哉、正直ただの瓢箪オタクだと思っていた。本当にごめんなさい。志賀直哉は天才だった。小説の神様と呼ばれる理由もよくわかった。っていうかよく考えたら、瓢箪オタクなのは志賀直哉じゃなくて清兵衛だった。 表題にもなっている『城の崎にて』は芸術だった。ここまでさらりと簡潔に、なおかつ的確に「生きること」の儚さを描写できる作家は、他にいないと思う。 そんな不条理なと顔をしかめるべきか、運命なのだと頷くべきか。衆生の死と向き合い、自らの命と重ね合わせてみるとき、一体自分はなにを思えばいいのだろうか。 盛り沢山の短編集。お勧めです。
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いやわるくはないんだよ。文章の神様だっけ?漱石も芥川も絶賛しとるらしいけど、いやあんたらの方が相当すごいと思うよ。いやうまいんだけど、毒がない。いや彼なりの毒はあるんだけど、弱い。そしておれは何より毒を求めるタイプ。
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志賀直哉の文章のなんと優しいことか。暖かい人間味に溢れ、一つのセンテンスがぐっと心に沁みてくる。 なんといっても「小僧の神様」の締めくくりに心を奪われざるを得ない。何度も何度も読み返し、何度も何度も心がフワッと暖かくなる。 キラリと光る小品の集まり。必読です。
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『城の崎にて』は、日常では意識しない死に思いをはせた話。生と死の境目のあっけなさが、なんともいえない感慨をもたらす。
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短編集。 「城の崎にて」を国語の教科書で読んだことくらいしかなかったけど、どれも良かった。 怒りっぽい旦那とうっかりものの妻の「転生」がおもしろい。 最後の直哉の台詞も含め。 感覚を上手に文字にしている。凄い。
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セレブのわがまま息子が書いた小説。 赤裸々な叙述が好奇心を煽り売れっ子に。 ありのままの生活、交遊録、心情が描かれる。 薄緑色のベールをまとった世界に彩られた 清潔で高慢な世界。 無駄を省いた小気味の良い文体。 才能は人を選ばない。 天才 志賀直哉を選ぶのはあなた。
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小僧の神様を勧められて。なんか成功者がテレビで勧めてたとか? 男からの施しを神様からの贈り物と感謝する小僧と、神様じみた行動をとっちまったわー、施しとか偉そうにごめんみたいな金持ちの男の話のように思えた。 鮨うまそう。 これを成功者さんはどう読んだのかなー。
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『城の崎にて』のラストの描写が見事です。 似た感覚を感じたことが経験のある人は少なくないと思いますが、それをここまで見事に描写できる人はいないですよね。
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2013/9/28 全体的にきれいな印象。 不倫ものが多かったけど、それ以外の景色や日常を書いた作品のほうが好きだ。我孫子に住んでたのは知らなかった。
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