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河童・或阿呆の一生 の商品レビュー

3.9

131件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    39

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2020/03/08

歯車、ある阿呆の…、大導時しんすけ、どれも自分のことを題材にしてるのかな、と思った。 生きていくのってそうそう楽しくはないよね、むしろ重苦しいよね、と言われているような。 前向きに、とか夢に向かって、向上心を持って、なんてことに疲れている時はむしろ救われる?

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2020/01/15

‪全体的に漂う不気味な美しさを味わえた。蜃気楼、海、漂流物といったモチーフとその情景が印象的な『蜃気楼』、価値観が反転した河童の世界を体感する、ファンタジー満載かつ強いメッセージ性を感じる『河童』が好き。‬

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2019/12/12

芥川龍之介の命日「河童忌」はこの作品のタイトルにちなんでいるとか、芥川は河童の絵を描くのが大好きだったとか、この作品のあとに「将来に対する唯ぼんやりとした不安」と遺書を残して自殺した、など聞き、気になっていたものの、ン十年も心の中で積ん読になっていました

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2018/08/26

表題をベースにした皮肉と狂気と苦悩の小舞台を見て原作も購入。 読む力が衰えているように感じるのはまぁ良いとして 河童も好きだったけど歯車の方が気になった。 色々読み方はあるのだろうけど、精神が衰弱した主人公は「何か嫌な感じがするもの」に追い詰められていく。黄いろいもの。モオル。ブ...

表題をベースにした皮肉と狂気と苦悩の小舞台を見て原作も購入。 読む力が衰えているように感じるのはまぁ良いとして 河童も好きだったけど歯車の方が気になった。 色々読み方はあるのだろうけど、精神が衰弱した主人公は「何か嫌な感じがするもの」に追い詰められていく。黄いろいもの。モオル。ブラックアンドホワイト。エエア・シップ。嫌なものってのは逃げても逃げてもどこかで必ずその影をちらつかせるんだ。そうやって光のない、濃く深くなる一方の闇の中を進みいき詰まっていく様を描いているような。いやしんどい、身につまされるような、なんとも「食らう」小説だった。

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2018/04/04

河童は高校生の時に読んでいますが、今読むと、わりと素直な気持ちで読めました。 高校の時には、風刺や比喩、現代社会への批判などに目が行きましたが、今読むと、不思議にそういうことは目につきませんでした。 単純に楽しめました。 或阿呆の一生と歯車は、なんとも不思議な小説です。 特に筋も...

河童は高校生の時に読んでいますが、今読むと、わりと素直な気持ちで読めました。 高校の時には、風刺や比喩、現代社会への批判などに目が行きましたが、今読むと、不思議にそういうことは目につきませんでした。 単純に楽しめました。 或阿呆の一生と歯車は、なんとも不思議な小説です。 特に筋もなく、淡々と書き連ね、思考が中断されたり、かき回されたりします。 これぞ芥川という感じでしょうか。

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2018/01/11

死後に発表された作品も含む、芥川晩年の短編が詰まった一冊。前半はそこまででもないが「ある阿呆の一生」からの3話は不穏な空気が漂っている。太宰治の作品かと疑ってしまうほど。 自分が一番好きな短編は「河童」と断言できる。それほど面白い。一見するとユートピアなのかディストピアなのか分...

死後に発表された作品も含む、芥川晩年の短編が詰まった一冊。前半はそこまででもないが「ある阿呆の一生」からの3話は不穏な空気が漂っている。太宰治の作品かと疑ってしまうほど。 自分が一番好きな短編は「河童」と断言できる。それほど面白い。一見するとユートピアなのかディストピアなのか分からない異世界を描写することで、当時の日本の社外風刺が透けて見えるのが面白い。 ブラックなネタが満載でありつつ、芥川の素朴な雰囲気も残っており、非常に読み応えがある話。

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2017/12/12

晩年の作品集で、全体的にかなり「重い」作品ばかりになっています。『歯車』『或阿呆の一生』辺りは、芥川龍之介そのものの人生を知った上で読まないと理解できないネタが織り込まれてたりしますし。 『河童』は、彼の人生をそれほど細かく知らない時に読んだ当時の感想は「河童の国で人間が暮らす話...

晩年の作品集で、全体的にかなり「重い」作品ばかりになっています。『歯車』『或阿呆の一生』辺りは、芥川龍之介そのものの人生を知った上で読まないと理解できないネタが織り込まれてたりしますし。 『河童』は、彼の人生をそれほど細かく知らない時に読んだ当時の感想は「河童の国で人間が暮らす話だけど、宮沢賢治っぽいファンタジーにはならなかったな。頭の良い人が書くと衒学的、小難しい暗喩やニヒルな視線で物事を捉えてるなあ」といった感じだったのですが、芥川に詳しくなった後に読むと、この作品にもだいぶ彼のリアル事件のアレコレが反映されてて深読みする余地がかなりあり、「重い」作品なのだなあという印象に変わりますね。

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2017/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

総じた感想は晩年作は河童が一番面白かったが 他はさほどでもなかった。 ・河童 精神病院患者が河童の世界での 体験談を語る話。 河童とゆう架空世界側から 当時の人間世界の社会を風刺している。 河童の世界では 産む側がこの世に産まれさせるかを判断する 人間の世界と違い、 産まれる側がこの世に産まれたいかを判断できる。 個人的に再度読み返したい。 印象的な陰鬱な作品だった。 ・玄鶴山房 暗澹たる一家とその亭主の最期。 告別者の参列者たちが話す、 「あの爺さんも本望だったろう。 若い妾も持っていれば、小金もためていたんだから」 とゆうセリフが印象的。 ・歯車 精神を病み死の淵にいる人の 心理状態が書き表されていた。 芥川の死の動機は 「僕の将来に対する唯ぼんやりとした不安。」 だとゆう。 今作中の妻の言葉。 「どうもした訳ではないのですけれどもね、 唯何だかお父さんが死んでしまいそうな 気がしたものですから。……」 ・或阿呆の一生 印象的なシーンは 「おれはこの女を愛しているだろうか?」 「おれはいまだに愛している。」

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2021/03/22

 芥川龍之介作品は『河童』が一番好き。  晩年の作品のなかで、小説として体裁を保てたギリギリの作品が『河童』だと思う。これ以降は文章がどんどん発狂していく。  『或阿呆の一生』もこの本で読めます。私は「三十三 英雄」が好き。 君は僕等の東洋が生んだ 草花の匂のする電気機関車だ。...

 芥川龍之介作品は『河童』が一番好き。  晩年の作品のなかで、小説として体裁を保てたギリギリの作品が『河童』だと思う。これ以降は文章がどんどん発狂していく。  『或阿呆の一生』もこの本で読めます。私は「三十三 英雄」が好き。 君は僕等の東洋が生んだ 草花の匂のする電気機関車だ。  初めて読んだ時ここで号泣した。なんかよく分からないんだけど、自分のことを書かれた気がした。よく分からないんだけど。  佐藤春夫や川端康成が「最高傑作」と褒めたたえた『歯車』も収録されてます。これを読んでケロッとした顔でいられる人というのは居るんだろうか…。  『河童』は絶対に新潮文庫!と思っている。背表紙のこの作品紹介がスゴい。 「芥川最晩年の諸作は死を覚悟し、予感しつつ書かれた病的な精神の風景画であり、芸術的完成への欲求と人を戦慄させる鬼気が漲っている。出産、恋愛、芸術、宗教など、自らの最も痛切な問題を珍しく饒舌に語る「河童」、自己の生涯の事件と心情を印象的に綴る「或阿呆の一生」、人生の暗澹さを描いて憂鬱な気魄に満ちた「玄鶴山房」、激しい強迫観念と神経の戦慄に満ちた「歯車」など6編。」  特に『歯車』の「神経の戦慄」というフレーズには震えた。まさにその通りだと思う。  これを一冊読むと、芥川龍之介が何故自殺しなければならなかったのか分かると思う。

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2016/10/20

最晩年の短篇集。 芥川龍之介の心のうちが垣間見えてる作品ばかりで小説としては面白いけど、読んでいて辛くなった。 歯車の最後の言葉はかなり印象深い。

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