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彼岸過迄 の商品レビュー

3.8

93件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2016/10/20

敬太郎という大学を出たばかりの男が主人公。敬太郎の目線から様々な周りの人々の様子が描かれている。「恐れない女と恐れる男」の解釈が自分には難しい… タイトルの『彼岸過迄』は元旦から彼岸過迄書く予定だからこのタイトルにしたっていうのははじめて知った。大ざっぱだなぁ…

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2015/11/22

漱石が巻頭で述べているように、短編を繋げた連作のようなものなので統一感が今一つの長編。題名も正月から開始してお彼岸の頃までの新聞連載という意味。中盤の探偵小説風の尾行話は面白いが他は印象が薄い。

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2015/09/30

読書のやる気が起きずにこれで相当の時間を費やしてしまった。 敬太郎を取り巻く人々の話が伝聞形式で進んでいく、一種のオムニバス形式のような小説。 気だるい空気がひたすら続く。 個人的には前期三部作の方が好きやなあ。 引き続き行人も読みたいけど、しんどかったのでちょっと休憩。

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2015/08/24

読み終わって、こういう流れなのね…ってびっくり。 最初は敬太郎を主軸に回るお話かなと思ってのですが、なるほどなあ…と。 相変わらず通勤中に少しずつ読んでたのですが、面白かったです。一気に読んだ方が良かったかな。 漱石の書く女性って瑞々しく生々しいですよね。なんともいえない魅力が...

読み終わって、こういう流れなのね…ってびっくり。 最初は敬太郎を主軸に回るお話かなと思ってのですが、なるほどなあ…と。 相変わらず通勤中に少しずつ読んでたのですが、面白かったです。一気に読んだ方が良かったかな。 漱石の書く女性って瑞々しく生々しいですよね。なんともいえない魅力があります。

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2015/08/24

あらすじに出てくる登場人物がぜんぜん登場しないし、話に脈絡がなく、この場面になぜこんなに頁を割くのか、など色々思いましたが、聞き手としての敬太郎の人物造形と須永の自己心情に対する詳細すぎる分析、二人の性格の対比が面白かったです。私は敬太郎が主役だと思っています。漱石の表題作の要素...

あらすじに出てくる登場人物がぜんぜん登場しないし、話に脈絡がなく、この場面になぜこんなに頁を割くのか、など色々思いましたが、聞き手としての敬太郎の人物造形と須永の自己心情に対する詳細すぎる分析、二人の性格の対比が面白かったです。私は敬太郎が主役だと思っています。漱石の表題作の要素が全て散りばめられたような作品です。 やっぱり、心情を考えすぎだろうというくらいだらだらと語る話は面白い。

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2015/06/09

主人公が聞き役となり、様々な人間から事実のみを聞く形を取る写生文のような小説。個々が抱える様々な人間の内面の悩みを、出口が見えないままに描き、考えさせられる。主人公自身が憧れる「探偵」のような役割を聞き役ととして演じる構想がおもしろい。

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2015/02/08

この小説は恐らく約40年ぶり2度目。敬太郎の同宿者・森本が語る過去と失踪事件、敬太郎が謎の人物を追う探偵談は夢の中の懐かしい!出来事のようで、読み返しても面白かったが、むしろ敬太郎の友人・須永が実質的には主人公であって、主客が代わるところが不思議な小説構造だと感じる。須永の深い悩...

この小説は恐らく約40年ぶり2度目。敬太郎の同宿者・森本が語る過去と失踪事件、敬太郎が謎の人物を追う探偵談は夢の中の懐かしい!出来事のようで、読み返しても面白かったが、むしろ敬太郎の友人・須永が実質的には主人公であって、主客が代わるところが不思議な小説構造だと感じる。須永の深い悩みはいかにも漱石の世界。幼い日から母が願う結婚を意識してきた従妹の千代子。高木なる魅力的な若い男性が登場し、千代子との言葉に出さない緊張感!結婚するかどうかを決めかねているのに、所有欲?から嫉妬する知識エリートの醜さ。そこに罪として自己認識するかどうかは別として須永の葛藤がある。敬太郎が謎の人物を待ち受ける小川町交差点、洋食店のある駿河台下はまさに、これを読んだ夜、宿泊した。(2月5日泊)思わぬ偶然に100年前の東京の街の情景を重ね、思い浮かべながら読書を楽しんだ。

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2015/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦前の小説は、「難しい」というよりも「まわりくどい」。なので読むのに時間がかかる。 本書は『こころ』のような悲壮感はあまりなく、呑気な雰囲気で読みやすかったが、終わり方は良くない。ついでに恐れ多くも文豪の小説に突っ込むのなら、最初の森本のくだりはいらないんじゃないかと感じた。 この話は須永夫人、田口夫人、松本の3姉弟を中心とした松本家の物語。日本の家庭制度は表向きは男系で男が嫁をもらい親の名前を継ぐ。しかし現実は女系。親戚付き合いは母親の親族と係りが深い。現代はそうだが、漱石の時代もそうだったのかと思わされた。 自分の子どもが生めないばかりに夫の愛人の子どもを育て、自分の妹の子どもを一緒にさせようとする。婚家の血筋ではなく実家の血筋、自分の血筋を残そうとする須永夫人がなんとも不憫に感じた。

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2014/11/20

ラッセル「幸福論」に「人間は、自分の情熱と興味が内ではなく外へ向けられているかぎり、幸福をつかめるはずである」と書いてあったけど、そんな話として読んだ。 「行人」の後に読みましたが、あちらより構成が弱め、道に迷いながら書いている感じがある。それも悪くないけど。 ここの文章がす...

ラッセル「幸福論」に「人間は、自分の情熱と興味が内ではなく外へ向けられているかぎり、幸福をつかめるはずである」と書いてあったけど、そんな話として読んだ。 「行人」の後に読みましたが、あちらより構成が弱め、道に迷いながら書いている感じがある。それも悪くないけど。 ここの文章がすごく好きです。 「敬太郎の頭にはその時から怪しい色をした雲が少し流れ込んだ。その雲が身体(からだ)の具合や四辺(あたり)の事情で、濃くなったり薄くなったりする変化はあるが、成長した今日(こんにち)に至るまで、いまだに抜け切らずにいた事だけはたしかである。」

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2014/09/21

前半で一年前に詰まってしまい、色々と思うところあってまた読んでみた。 恋なのか情なのか、分からない。そんな人たちのお話し。 考え過ぎると人間ってのは前に進む勇気がなくなってしまうのかもしれない。 勿論それは一つの正解だと思う、人の道に正解も不正解もないんだろうけど。 でもどこに...

前半で一年前に詰まってしまい、色々と思うところあってまた読んでみた。 恋なのか情なのか、分からない。そんな人たちのお話し。 考え過ぎると人間ってのは前に進む勇気がなくなってしまうのかもしれない。 勿論それは一つの正解だと思う、人の道に正解も不正解もないんだろうけど。 でもどこにも行けなくなってしまったら人はどこに落ち着けばいいのだろう。落ち着く必要ってなんなんだろう。

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