猫と庄造と二人のおんな の商品レビュー
中学の時、国語の模試の問題文で読んだことがきっかけ。 なんて面白いんだろうと、出典名を覚えて帰った。 時が立ち、大学の時に、古本屋で購入。 ドロドロした話だが、猫が入っているので、少々コミカルな印象も。切なくなりたいとき、おすすめ。
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タイトルの、猫→庄造→二人のおんなという順番が、もうこの物語の全容を表していると言ってもいい。猫が非常に魅力的。一番えらいのである。庄造はどうしようもないし、前妻と後妻なんかは最早2人の『おんな』でしかない。大変モヤモヤしてドロドロした話だけど、うまくたちまわる猫の傍で、ガチャガ...
タイトルの、猫→庄造→二人のおんなという順番が、もうこの物語の全容を表していると言ってもいい。猫が非常に魅力的。一番えらいのである。庄造はどうしようもないし、前妻と後妻なんかは最早2人の『おんな』でしかない。大変モヤモヤしてドロドロした話だけど、うまくたちまわる猫の傍で、ガチャガチャやってる人間たちが本当に人間くさくて滑稽で面白い。
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谷崎作品の中でも「人間らしさ」を描いたものとしては一番じゃないかと思う。 素晴らしいのは終わり方。一見唐突とも思える終わりだけれど、それだけに鮮烈。「あー結局そうなのか」「人間ってどうしようもないな」って作品中の人物を客観的に、冷静に「どうしようもない」と思う一方で、自分の中で...
谷崎作品の中でも「人間らしさ」を描いたものとしては一番じゃないかと思う。 素晴らしいのは終わり方。一見唐突とも思える終わりだけれど、それだけに鮮烈。「あー結局そうなのか」「人間ってどうしようもないな」って作品中の人物を客観的に、冷静に「どうしようもない」と思う一方で、自分の中で心当たりのある部分は必ずあって、表向きにはあまり出さないエゴ、人間の性をさらけ出されたようでどきっとする。
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人間たちのどろどろとした嫉妬や策略や溺愛になんか我関せず、猫の超然とした魅力がたまらない。関西弁なのもいい。森繁久彌主演で映画にもなってる。観たい。
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女は猫に嫉妬して、 男は猫を溺愛して、 もひとりの女は猫に縋って、 涼しい顔した猫ちゃんが軽やかにうだうだしてて粘着質でどうしようもない人間たちの上を行く様が清々しい。 人間どうしよもねえなー まさに痴態。
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主人公の庄造は、猫大好きで甲斐性のないダメ男。猫、庄造、二人の女というのは、庄造にとっての優先順位なんだろうな…
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猫→庄造→二人のおんな この順番重要 猫のりりーちゃんを巡る人間模様 悪 闇 破 壊こそ 美しく味わい深い◎ 猫ってやっぱ偉大 魔性 猫かわいがりって言葉もあるしなあ 猫を愛してやまない人に読んで欲しい やわらかい関西弁がかもし出す最高文学作品
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純文学ってとっつきずらい。 という印象を打破してくれた作品。 文章読本で谷崎潤一郎の作品に興味を持って初めて読んだ本がこれでした。 日本語って豊潤でたおやかな言語なんだと、改めて実感。
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猫の魅力がひしひしと伝わる。 それにしても、 庄造は良い男なのか? リリーの方が断然魅力的だと思う。
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滑稽な話であるのだけれど、どことなく重い。面白かったけれど、もやもやとした一抹の気持ち悪さが残った。 【あらすじ】雌猫を溺愛する愚図な男、その妻、元妻、母。猫をきっかけに各々が自覚してしまう、関係の優劣。人間たちは変わり、猫は変わらない。
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