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山の音 の商品レビュー

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101件のお客様レビュー

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「家」を舞台に繰り広…

「家」を舞台に繰り広げられる、なかなかコミカル、かつ真摯な物語。淡々とした日常の中に日本的感性の輝く、とても豊かな一冊。

文庫OFF

62歳の尾形信吾には…

62歳の尾形信吾には長年連れ添った妻・保子がいる。しかし彼は保子の亡くなった姉に思いを寄せていた。そんな彼女の面影を持つ息子の嫁・菊子に真吾は心を惹かれる。一方、菊子の夫であり自分の息子である修一は戦争未亡人・絹江と浮気をしているが、彼の秘密を知るのは信吾だけであった。そんな中、...

62歳の尾形信吾には長年連れ添った妻・保子がいる。しかし彼は保子の亡くなった姉に思いを寄せていた。そんな彼女の面影を持つ息子の嫁・菊子に真吾は心を惹かれる。一方、菊子の夫であり自分の息子である修一は戦争未亡人・絹江と浮気をしているが、彼の秘密を知るのは信吾だけであった。そんな中、信吾の娘で結婚したはずの房子が、二人の娘を連れて出戻ってきた。更に修一の浮気を知った菊子は妊娠した子供をおろしてしまうが、今度は絹江が修一の子を身ごもって・・・。このストーリー、昼メロ以上の修羅場です。

文庫OFF

なかなか、川端氏らし…

なかなか、川端氏らしい作品だと思いました。いわゆる不倫物です。

文庫OFF

何度か映画化もされま…

何度か映画化もされましたが、原作も情緒あふれる作品です。息子の嫁に執着する老父の複雑な心境など、家を中心に起こる様々な事柄が格調高い文体で描写されています。

文庫OFF

片思いをしていた妻の…

片思いをしていた妻の姉の面影を息子の嫁に重ね合わせる老人の物語。人間関係が複雑なドロドロの愛憎劇を淡々とした筆致で描く。

文庫OFF

2024/04/25

川端康成とか読んどくか と思って借りた一冊。 昔の言葉遣いだから難しくあまり頭に入ってこないかな?と思いきやそんなことなく面白い。 流石の文豪だなあ 「家庭」を上手く書ききっている。

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2024/02/08

図書館から拝借。 川端康成の傑作長編であり、戦後の日本文学の最高峰に位置する作品。 一章一章が短篇の系を成している様で、とても読み易かった。 物語は始終、老齢故の裏淋しさ、物悲しさが背景に漂う。そんな中で『家』『家族』の有様が、川端の美文で綴られていく。 行間に流れる叙情が何とも...

図書館から拝借。 川端康成の傑作長編であり、戦後の日本文学の最高峰に位置する作品。 一章一章が短篇の系を成している様で、とても読み易かった。 物語は始終、老齢故の裏淋しさ、物悲しさが背景に漂う。そんな中で『家』『家族』の有様が、川端の美文で綴られていく。 行間に流れる叙情が何とも言えない。また、登場人物それぞれの心模様が丁寧に表現されていて、一人一人の感情が染み入って来る。 川端作品はあまり数は読んでいないが、表現の巧みさをじっくり味わえた読後感だった。

Posted byブクログ

2023/06/03

 そこはかとなく漂う老いと死の予感を、行間から立ち昇らせる文章。「悲しい」ものをただ「悲しい」と書かれても「ああそうですか」となり、野暮ったくて仕方ないですし、過剰に難解であったり、くどくど書かれても想像を働かせる余地がなくなって困ります。  その点、簡素な文で、心情や情景を掬い...

 そこはかとなく漂う老いと死の予感を、行間から立ち昇らせる文章。「悲しい」ものをただ「悲しい」と書かれても「ああそうですか」となり、野暮ったくて仕方ないですし、過剰に難解であったり、くどくど書かれても想像を働かせる余地がなくなって困ります。  その点、簡素な文で、心情や情景を掬い上げる著者の筆運びは、到底凡人になしえる芸当ではなく、閑寂の境地すら窺わせます。    終戦直後の昭和20年代後半の鎌倉。深夜ふと響いてくる「山の音」を死の予告と恐れながら、尾形信吾(62)の胸には昔憧れた人の美しいイメージが消えない。同居している息子の嫁・菊子の可憐な姿に若々しい恋心を揺さぶられ…。  どこにでもありそうな、家庭の風景。劇的な展開が主題をなしているわけではありませんが、忍び来る死への恐怖や、嫁・菊子への、道ならぬ恋慕が、それとは言わずに描出されています。老妻・保子や、愛人と不倫する奔放な息子・修一、若く美しい嫁の菊子、夫のもとから出戻った娘・房子たちが抱えるもの悲しさも、言葉の端々や、ちょっとした動作から、陰翳ぶかく捉え、読者に得も言われぬ感情を喚起させます。

Posted byブクログ

2023/02/05

鎌倉に暮らす尾形信吾は、同居している息子の修一が外に女を作っているのに頭を悩ませる。そこに修一の姉・房子が子供を連れて戻ってくる。かつて妻の姉に憧れていた記憶が残る信吾は、息子の嫁・菊子と親しく接するうちに、異性への欲望が少しずつよみがえってくる。 いかにも私小説的な、日々の些...

鎌倉に暮らす尾形信吾は、同居している息子の修一が外に女を作っているのに頭を悩ませる。そこに修一の姉・房子が子供を連れて戻ってくる。かつて妻の姉に憧れていた記憶が残る信吾は、息子の嫁・菊子と親しく接するうちに、異性への欲望が少しずつよみがえってくる。 いかにも私小説的な、日々の些事を書きつらねていく川端康成らしい作品。物語が大きく動くことは少ないので淡々としているが、ほぼ一文ごとに改行しているのでテンポよく読み進めることはできた。

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2023/01/16

後ちょっとで著作権フリーになるところだったけど、法改正で青空文庫化が大きく遅れ、読まずに待っていた三島、川端、内田百閒と言ったところを今更に入手、少しずつ読んでます。 三島由紀夫も川端康成も文章が美しく染みますが、特に誰かが殺される訳ではありません笑、戦後の時代の家族間の心情が細...

後ちょっとで著作権フリーになるところだったけど、法改正で青空文庫化が大きく遅れ、読まずに待っていた三島、川端、内田百閒と言ったところを今更に入手、少しずつ読んでます。 三島由紀夫も川端康成も文章が美しく染みますが、特に誰かが殺される訳ではありません笑、戦後の時代の家族間の心情が細やかに伝わる物語です。 国語の試験問題をたくさん作れそうなポイントがあって色々と考えさせられる。もちろん自分では気づけるわけはないのだけど、既にあちこちで公開されているので、考察を知るのも楽しいです。 繰り返し読み味わう愉しさを教えてくれる作品ということだと思う。

Posted byブクログ