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タンノイのエジンバラ の商品レビュー

3.9

51件のお客様レビュー

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『感謝』

ただ今、図書館法第29条に基づく 〈Zoom開架式図書館同種施設〉を準備させて頂いております。 当該計画は、BOOKOFFオンライン様の豊富なペーパーBOOK・DVDにより、 支えられている取り組みでございます。 今後も随時、ペーパーBOOK・DVDを蒐集して参りたいと考...

ただ今、図書館法第29条に基づく 〈Zoom開架式図書館同種施設〉を準備させて頂いております。 当該計画は、BOOKOFFオンライン様の豊富なペーパーBOOK・DVDにより、 支えられている取り組みでございます。 今後も随時、ペーパーBOOK・DVDを蒐集して参りたいと考えております。 今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。

クラシカルなMK

2023/08/20

好きな作家・長嶋有さんの作品、久々に読んだことのない作品を…と手に取った本作。 いやぁぁぁーーー、この作品めっちゃ素敵ですねーーー( ̄∇ ̄) 長嶋有さんは何作か読みましたけど、一番最初に読んだ「猛スピードで母は」を読んだときの衝動を思い出させてもらった気がしました… そうそう...

好きな作家・長嶋有さんの作品、久々に読んだことのない作品を…と手に取った本作。 いやぁぁぁーーー、この作品めっちゃ素敵ですねーーー( ̄∇ ̄) 長嶋有さんは何作か読みましたけど、一番最初に読んだ「猛スピードで母は」を読んだときの衝動を思い出させてもらった気がしました… そうそう、長嶋有さんの良さはコレだよなぁ…と。 一言で表すと「もう空気感最高過ぎ」なのかなと…(´∀`) 個人的には「エモ写実主義」ってワードが浮かびました、けっこう気に入ったんだけどどうだろう…(笑) 潔い装飾しすぎない文章、密度が濃すぎず作品全体に漂う程良いヌケ感、けっして現実を美化し過ぎない(自分はそこがとても写実的だなと感じる、現実っちゃこんなもんよねのラインを逸脱しない)、でもそれでいて希望を忘れない前向きな物語…言葉にするとそんなところが好きなのかなぁと。 上記の良さがあるので、短編とはとても相性が良いんではないかな…とも思ったりもしました。 猛スピード…に続く代表作にして良いんじゃないかなと。 最近アウトドア本ばっかりでサボっていたので、読書熱を復活させてくれた長嶋有さんに感謝( ´ ▽ ` )笑 <印象に残った言葉> ・こういうシチュエーションの映画があるな。孤独な男と女の子が旅するような。比べれば現実はいつも垢抜けない。(P29) ・トレイから瀬奈の忘れていったCDが出てきた。ビールを飲みながら改めて聴いてみた。夢は信じるだけじゃ駄目、とかなんとか、聞いたふうなことを歌っていた。(P38) ・あぐらをかく姉をみるのは初めてのように思う。忍び込む姉も金庫やぶりをする姉も初めてなのに、私が感じ入ったのはあぐらだった。(P45) ・弟は階段の途中で立ち止まった。振り向くと今度はジャンパーのポケットから蜜柑を取り出した。弟はその場で皮を剥き、三つに分けると、姉に二つ手渡した。姉は振り向いて私に一つくれた。(P104) ・「そうか」とあっさり納得した。僕に軽く微笑みかけるとまたすぐに目を閉じた。僕は二つ並んだ横顔を横目に、成田までをついに眠らずに過ごした。(P144) ・それから、自分でも信じられないほどの大きな声で叫んだ。声が出尽くすと、また息を吸った、金切り声をだした。声を振り絞ると体がびりびりと震えるのが分かった。手をにぎられて、目と耳が熱くなった瞬間に似ていると思った。はずみで目から涙がぽろぽろと出てきたが、気にせずに叫んだ。悲しいのだから、涙は出てもいいのだ、と秋子は思った。(P216) <内容(「BOOK」データベースより)> 人が一日に八時間働くというのが信じられない。八という数字はどこからきたのだろうか。なんだか、三時間でいいんじゃないかもう……(「夜のあぐら」より)。なぜか隣室の小学生の娘を預かることになった失業中の俺のちぐはぐな一夜を描く表題作。真夜中に実家の金庫を盗むはめになった三姉妹を描く「夜のあぐら」。ロードムービーの味わいの「バルセロナの印象」。そして20代終わりの恋をめぐる「三十歳」。リアルでクールな、芥川賞受賞後初の短篇集。

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2022/09/29

エリザベス女王が亡くなって頻繁にエジンバラというフレーズを聞いてたタイミングで、あ そうやと思って読んだ。タンノイのエジンバラってそういうこと〜?って表題作読んでなった。四作とも題名が出てくるタイミングが絶妙〜と思った。と同時にそこを題名にするんやおもしろいという感覚にも。

Posted byブクログ

2022/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集。表題作は、隣家の母親から娘を預かる男も、男に預けられた女の子も、どこか緩い。山も谷もないが、一期一会の思い出には十分な一夜の話。「夜のあぐら」愛人、ニート等々、複雑な家庭環境ながら陰湿な感じはなく、三姉弟や父娘の淡泊で不器用なコミュニケーションが目立つ。姉妹が、実家の金庫を盗もうとする様子もどこか笑いを誘う。「バルセロナの印象」弟夫婦と姉のスペイン旅行。「三十歳」哀愁が残る読後感。

Posted byブクログ

2022/06/29

長嶋有さんの作品、久々に読んだ。 一番印象的だったのは夜のあぐら。 大人になってからのほどほど距離感のある兄弟関係。父の体調悪化で、実家に来て初めて知る新たな父の愛人など、場面に入り込んでしまう描き方が素敵だ。 最後の三十歳も面白い。ピアノと関係のない仕事がいいと選んだパチンコ屋...

長嶋有さんの作品、久々に読んだ。 一番印象的だったのは夜のあぐら。 大人になってからのほどほど距離感のある兄弟関係。父の体調悪化で、実家に来て初めて知る新たな父の愛人など、場面に入り込んでしまう描き方が素敵だ。 最後の三十歳も面白い。ピアノと関係のない仕事がいいと選んだパチンコ屋。そこでの出会い。 ひとつ一つの判断、エピソードが、そう考えることあるなあと思う。淡々としたかきぶりだけど、心地よく読み終わった。

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2022/03/21

「バルセロナの印象」 「あれだけが楽しみだった」という、バルセロナオリンピックのキャラクターグッズをめぐるやりとりが面白かった。 手に入れて舞い上がるほどうれしいわけでもなく、失くして塞ぎ込んでしまうほどでもない。 でもそのくらいやってのけたのと同じだけ、連れの二人を奔走させる。...

「バルセロナの印象」 「あれだけが楽しみだった」という、バルセロナオリンピックのキャラクターグッズをめぐるやりとりが面白かった。 手に入れて舞い上がるほどうれしいわけでもなく、失くして塞ぎ込んでしまうほどでもない。 でもそのくらいやってのけたのと同じだけ、連れの二人を奔走させる。 誰の願望も取りこぼしてはならない。悔いが残ってはいけない。せっかくスペインまで来たんだから! この意地こそ、海外旅行の醍醐味なのかもしれないと思った。 大人らしい諦めのよさを大人が手放す数日間。 けろっと日常にもどるところまで想像できて、それも楽しい。

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2022/03/03

■きっかけ netflixのthe crownを見ていて、エリザベス女王の旦那フィリップ殿下が「エジンバラ公」と呼ばれてるのを聞いて、突如「タンノイのエジンバラ」という単語を思い出した。 ■概要 突然アパートの隣人の女性から小学生の女の子を預かってほしいと言われた。その子は部屋...

■きっかけ netflixのthe crownを見ていて、エリザベス女王の旦那フィリップ殿下が「エジンバラ公」と呼ばれてるのを聞いて、突如「タンノイのエジンバラ」という単語を思い出した。 ■概要 突然アパートの隣人の女性から小学生の女の子を預かってほしいと言われた。その子は部屋でタンノイのエジンバラに興味を持っていた ■感想 長嶋有の文書って落ち着くなー。久しぶりに小説読んだけど、なんの特徴もないエピソードをこんなに楽しく読ませるなんてすごい!読後爽やかな気持ちになりました

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2020/01/17

長嶋有の短編集。淡々と何が起こってどうしたということが流れるように書かれており、伏線や表現など何も考えなくていい作品。 公園で突然1万円を渡され、隣家の娘を世話するように依頼される。ステーキを焼き、家で一緒に食べ、娘の持ってきたCDを聴いてみる。聴くのは、祖父の遺品のオーディオ...

長嶋有の短編集。淡々と何が起こってどうしたということが流れるように書かれており、伏線や表現など何も考えなくていい作品。 公園で突然1万円を渡され、隣家の娘を世話するように依頼される。ステーキを焼き、家で一緒に食べ、娘の持ってきたCDを聴いてみる。聴くのは、祖父の遺品のオーディオシステムだ。 短編が4篇。全編にに特徴的なのは表題作のとおり、固有名詞やそれぞれの特徴がこれでもかと描かれていること。小川洋子「原稿零枚日記」のときに感じた、今の小説に不足している点が、固有名詞が少なすぎる問題だが、この作品群に感じることはない。 それぞれの作品で、情景はサラッとではあるがかなり細かく描かれる。逆にそれらが多すぎて、内容が頭に入ってこないという人も多いだろうが、そもそも全部読む必要など無いのだ。 それはそうと、中間の二作(金庫とバルセロナ)は、ちょっと長すぎるんじゃないかと感じる。特に金庫の話は、過去に戻ったんだか現在なんだかがフワフワと不明瞭で、弟の立場がよくわからないのはよろしくない。女なら女の話、男なら男の話にしないとダメなのかなこの人。バルセロナも自分の話なのか、自分を見ている妻の話なのかという不鮮明感がいただけない。その点、表題作はそこまでのものはないので非常に好感。 最後の「三十歳」はこれらの中で、やはり頭一つ分以上飛び抜けた感じを受けた。固有名詞にこだわらず、淡々とした日常と不安と逃避がうまく描かれていたと思える。これだけだと☆4。 オチを求める人には向かない。こういう小説書きたいな。ブログで始めてみようかな。

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2019/01/06

「タンノイのエジンバラ」「夜のあぐら」「バルセロナの印象」「三十歳」の4編収録した短編集。 大傑作、とはいかないまでもいずれも秀作揃い。 個人的には「三十歳」が一番好き。 長嶋有の小説は、情景が在り在りと目に浮かぶところがいい。 しかもその情景は何の変哲もない平凡な街だったり建...

「タンノイのエジンバラ」「夜のあぐら」「バルセロナの印象」「三十歳」の4編収録した短編集。 大傑作、とはいかないまでもいずれも秀作揃い。 個人的には「三十歳」が一番好き。 長嶋有の小説は、情景が在り在りと目に浮かぶところがいい。 しかもその情景は何の変哲もない平凡な街だったり建物だったり部屋だったりする。 風景が人の生活や人生と結びつき、情景となる。 「三十歳」に、パチンコ屋の屋上のシーンがあります。 これがいい。 「パラレル」にも屋上の場面があったけど、ビルの屋上という場所は、世間から疎外されているようで離れきれない、むしろ世間を俯瞰して眺めてしまったりする、独特の雰囲気をもった空間で、それが小説の雰囲気とばっちり合っています。 もう一つの特徴は、「家族」が描かれていること。 家族、中でも親子や兄弟姉妹といった、子供のころからひとつ屋根の下暮らしてきて、大人になるにつれ何時の間にか「ずれ」が生じてしまったような、微妙な心理的距離を描くのがとても巧いと思います。

Posted byブクログ

2018/12/20

佐藤正午さんとかこの方とか、作品というより、こういうのを書く「人」として好き。もちろん作品もいい。とても静かで切なくて温かくて、本の中のひとたちと仲良くしたくなる、1冊。装丁も大好きな色、デザイン!

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