アンダーグラウンド の商品レビュー
地下鉄サリン事件の被害者、遺族へのインタビュー、全60人。読んでるうちに、まさに自分が体験したかのような錯覚におちいる。
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読んだのはだいぶ前です。 20日で事故から17年経過したという記事を読み、忘れないように登録しました。村上春樹による地下鉄サリン事件の被害者のインタビュー集。
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1995年の地下鉄サリン事件における被害者へのインタビュールポ。読みやすくするため、またインタビュイーのプライバシー保護のため、手を加えたり削り落としたりした部分は多くあるそうだが、それでもテレビで見ていた映像から伝わるものとは全く異質の「一人一人の地下鉄サリン事件」が生々しく、...
1995年の地下鉄サリン事件における被害者へのインタビュールポ。読みやすくするため、またインタビュイーのプライバシー保護のため、手を加えたり削り落としたりした部分は多くあるそうだが、それでもテレビで見ていた映像から伝わるものとは全く異質の「一人一人の地下鉄サリン事件」が生々しく、そして克明に描かれていた。 早川紀代秀死刑囚の「私にとってオウムとはなんだったのか」、森達也の「A」そして村上春樹の「アンダーグラウンド」、すべてを読んで初めて少しだけあの事件、オウムという教団、麻原彰晃という人間について、が私の中でぼんやりとした輪郭を持った。
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ちょっとまって時間あったら読む、と途中で積み。 サリンってそんなに記憶がないですが、すんごい事だったんだと 読みたいからちょっと待って(誰に言ってるのか
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淡々とインタビューを載せてゆく。62名のサリン事件の被害者。なにより面白いのがサリン事件について、ではなく、ベールに包まれていることの方が多い村上春樹の人間性を知れたような気がするからだ。そこにある問題意識に村上春樹を垣間見た気がする。
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村上春樹は言う。人は物語なくして生きていくことはできないと。 『物語とはもちろん「お話」である。「お話」は論理でも倫理でも哲学でもない。それはあなたが見続ける夢である。あなたはあるいは気がついていないかもしれない。でもあなたは息をするのと同じように。間断なくその「お話」の夢を見て...
村上春樹は言う。人は物語なくして生きていくことはできないと。 『物語とはもちろん「お話」である。「お話」は論理でも倫理でも哲学でもない。それはあなたが見続ける夢である。あなたはあるいは気がついていないかもしれない。でもあなたは息をするのと同じように。間断なくその「お話」の夢を見ているのだ。』と。 『物語』。たいへん興味深いキーワードだ。 一見ふわふわとしたメルヘンチックな雰囲気であるが、その一方で、全てを飲み込むブラックホールのような一面も秘めている。 村上春樹はこの本を執筆した頃から今に至るまで、自分の物語を放棄し他者の物語に頼り切ってしまうことに対して、常に警鐘を鳴らし続けている。 物語を受け取る側の人々へのインタビューを積むことで、物語を提供する側としての責任を強く感じるようになったのだろう。 もし今私が村上氏にインタビューされたらと考える。 きっと、いかに自分の物語が筋が通っていないか思い知らされることだろう。 私の物語、って改めて考えてみると、ほんと漠然としてる。 借り物の言葉ばかりで、志や一貫性の感じられないつまらない物語にはしたくないと思う。 誰かに預ければ簡単だし、よほど説得力のある、一見立派な物語を手にすることができるかもしれない。 けれど私は私の物語と一生かけて向き合っていかなくてはいけない。 たとえごちゃごちゃ絡まっていてほぐすのが至難の業でも、その作業だけは怠ってはいけない。 テレビの情報に汚染される前に。自分が自分だと思えなくならぬように。 そうしなければ誰かに物語を提供することなどできはしない。
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地下鉄サリン事件に巻き込まれた人々のインタビュー。 被害者なのに容疑者扱いされたり、警察や官機構のずさんさが目立つ。
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今からもう、15年以上前に起きた地下鉄サリン事件の被害者の方々へのインタビュー集。敢行されたのは事件から約2年後、やはり15年近く前になる。 『1Q84』のベースにオウム真理教の存在があると以前から聞いていたし、まだ読みかけ(笑)の『雑文集』にも『アンダーグラウンド』について...
今からもう、15年以上前に起きた地下鉄サリン事件の被害者の方々へのインタビュー集。敢行されたのは事件から約2年後、やはり15年近く前になる。 『1Q84』のベースにオウム真理教の存在があると以前から聞いていたし、まだ読みかけ(笑)の『雑文集』にも『アンダーグラウンド』についての記述が多々見られたため、図書館で借りて読んでみた。 オウム真理教に関わる一連の事件の報道のされ方は、当時小学生だった私にも、強烈に残るものだった。 本書を読みながら「あれから15年以上たった今、この人達の生活はどのように変化したのだろう。今も苦しんでおられるのだろうか」と思わずにいられなかった。メディアで流される情報は刻々と変化して、15年前の出来事を追ったりすることはあまりない。 しかし、読後、一番強烈に感じたのは「1995年に抱えていた日本社会の構造システムは、2011の現在も全く改善されていないではないか」ということだ。3月に東日本を襲う大震災があり、3ヶ月たった今もあたふたとしている日本の上層部。その対応は全て、後手であるようにみえる。この15余年、日本は「突発的に起こる危機」に脆弱なシステムを改善する試みをしていなかったらしい。 村上春樹という人物にとって、今回の震災と原発事故は、やはり心を揺さぶる強烈な出来事であったに違いない(それは先日の受賞スピーチからもうかがえる)。数年後、日本の抱えた未曾有の大問題をどのように彼が物語化し、文章化していくのか興味深い。
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阪神大震災が起きた2ヶ月後、オウム真理教により、地下鉄にサリンがまかれる。そこに乗っていた被害者とその遺族への約60件のインタビュー集。 そのインタビューで、著者は地下鉄に乗っていた被害者たちへ不運さを同情することはない。そして、彼らがどんな人生を歩んでいたかを丹念に取材する。...
阪神大震災が起きた2ヶ月後、オウム真理教により、地下鉄にサリンがまかれる。そこに乗っていた被害者とその遺族への約60件のインタビュー集。 そのインタビューで、著者は地下鉄に乗っていた被害者たちへ不運さを同情することはない。そして、彼らがどんな人生を歩んでいたかを丹念に取材する。 著者が知りたかったのは、その地下鉄にどんな人が乗っていて、何を感じたか。それだけだったんだろう。巻末の「オウム論」はおまけのようなものだ。
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地下鉄サリンの被害者へのインタヴュー。 事件当日の築地の様子などテレビで観てはいましたが、 どれだけ普通に暮らしていると思っている自分と被害者とは何も違わない、自分にもあり得た事件だったと思う1冊です。
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