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夜中に犬に起こった奇妙な事件 の商品レビュー

3.9

52件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2022/01/19

自閉症で受け入れられない事があるとパニックになってしまう少年 辛いことが起こりこのままでは息もできないと気づく 勇気を出して行動を起こし、少年や家族が変化していくストーリー 読み進めるうちに繊細な気持ちを理解できるようになり、少年の気持ち、行動に感動していくようになっていっ...

自閉症で受け入れられない事があるとパニックになってしまう少年 辛いことが起こりこのままでは息もできないと気づく 勇気を出して行動を起こし、少年や家族が変化していくストーリー 読み進めるうちに繊細な気持ちを理解できるようになり、少年の気持ち、行動に感動していくようになっていった

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2021/07/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初 マーク・ハッドン作品 アスペルガー症候群のクリストファーが書いた、自称ミステリ小説。 社会的コミュニケーションに支障があると言われるアスペルガー症候群のクリストファーが主人公。殺された犬の犯人を、主人公が探すというもの。ただ、主人公の行動や考え方が、アスペルガー症候群特有のため、その特異な世界観に引きずり込まれる。 ただ、そういった症状について、社会的にも認知されつつあり、私たちは、頭では理解できているつもりですが、本当にそうかと言われると自信はない。まして、他人の表情や気持ちが理解でない相手への接し方は、見当すらつかない。 だから、親にとっては、どうなんだろうかと、考えてしまう。クリストファーの両親は、最後まで寄り添えなかったのではないでしょうか。ネグレクトしたわけではないし、見捨てたわけでも、絶望したわけでもない。ただ、待てなかった、報われないことに失望してしまったような気がする。 父親も、母親も。 エンディングでは、クリストファーが数学の上級試験で合格したことが述べられている。そして、物理の試験を受けること、そして大学へ行くこと。そして、その将来像には、母親も父親の存在もないということ。 ずっしりと、重いものを感じてしまった。

Posted byブクログ

2021/05/20

自閉症だが数学に特別な才能があるクリストファー、母親は亡くなり父親と二人暮しだが、ある日隣の家の犬が園芸用のフォークで刺されて死んでいるのを見つける。いったい誰が殺したのか。ホームズ好きなクリストファーは、先生の勧めもあって、その推理を書き始めるのだが。 クリストファーが書いた本...

自閉症だが数学に特別な才能があるクリストファー、母親は亡くなり父親と二人暮しだが、ある日隣の家の犬が園芸用のフォークで刺されて死んでいるのを見つける。いったい誰が殺したのか。ホームズ好きなクリストファーは、先生の勧めもあって、その推理を書き始めるのだが。 クリストファーが書いた本という形で書かれている。クリストファーらしい危機感から追い詰められてしまう。それでも大冒険の末、一人で電車に乗りロンドンまで行く。そうせざるを得なかったクリストファーが、よく理解できるストーリーになっている。ちょっとしんどかった。

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2020/05/23

自閉症の少年が経験したことを自分自身で綴っている、という体で進む小説。 犬の事件は中盤にあっさり解決し、この物語の本質は少年やその両親の生き方、成長についてだと分かる。 「アルジャーノンに花束を」と訳者が一緒だそうで、確かに文体がちょっと似ていると思った。 こういう展開になるとは...

自閉症の少年が経験したことを自分自身で綴っている、という体で進む小説。 犬の事件は中盤にあっさり解決し、この物語の本質は少年やその両親の生き方、成長についてだと分かる。 「アルジャーノンに花束を」と訳者が一緒だそうで、確かに文体がちょっと似ていると思った。 こういう展開になるとは思わなくて、最後まで飽きずに読めた。

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2019/09/26

僕には自閉症の弟が居ますが、重なる部分が多くて、クリストファーが小説の一人物と思えないほど、血肉の通った人間だと感じました。 クリストファー等、障害がある人達と私達の間には、色んな差異があると思います。紛れもなくそれはあります。しかし、それは人間たる何かを否定するに値するものでは...

僕には自閉症の弟が居ますが、重なる部分が多くて、クリストファーが小説の一人物と思えないほど、血肉の通った人間だと感じました。 クリストファー等、障害がある人達と私達の間には、色んな差異があると思います。紛れもなくそれはあります。しかし、それは人間たる何かを否定するに値するものではないと思います。僕は、人間として大切なことをクリストファーに教えてもらったのです。

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2019/05/27

ある夜近所の犬が殺されているのを発見したクリストファーがその犬を殺した犯人を捜すというところから始まるミステリ小説で、一貫して主人公であるクリストファーの視点で描かれている。というかクリストファー自身が書いた本なので彼の視点で描かれているのは当たり前の話なんだけど。 簡素なようで...

ある夜近所の犬が殺されているのを発見したクリストファーがその犬を殺した犯人を捜すというところから始まるミステリ小説で、一貫して主人公であるクリストファーの視点で描かれている。というかクリストファー自身が書いた本なので彼の視点で描かれているのは当たり前の話なんだけど。 簡素なようで冗長的な語り口が独特で、読んでいてついわたしもクリストファーのような人間になったのかと思ったぐらい、ぐいぐい引き込まれてしまった。図がたくさん書いてあるしとても細かく描写してくれているのでかなり情景をしっかりと想像できたので、なんだか映画を見たような気持ち。特に夢の話を書いてあるところは本当に映画のワンシーンのようだった。 この本はクリストファー自身の物語でもあると同時に、彼の両親の物語でもある。ネタバレになるので詳しく書かないけれど、葛藤を抱える親の気持ちがクリストファーを通して感じるとより痛々しく思えるから不思議。 〈好きなところ抜粋〉 ひとが死んだときじっさいはなにが起こるかというと、脳のはたらきが停止して体が腐る、ウサギが死んだときに体が腐ったのと同じで、ウサギは庭のすみっこの地面に埋めてやった。そしてウサギの分子はほかの分子へと分解していって、土にまざって虫たちに食べられて植物のなかに取りいれられてしまうから、十年後に同じ場所を掘ってももうなにもなくて残っているのは骨だけだ。そして千年もすると、その骨もなくなってしまうだろう。しかしそれでいい、なぜかというとウサギは花やリンゴの木やサンザシのやぶの一部になっているからである。(64〜65頁)

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2019/04/19

森田剛くんの舞台を観てすごくおもしろかったので。 不安を感じている時の主人公の気持ちや その時の対処法(先生から教えてもらった)は 自分にもあてはまると感じた。

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2018/12/24

ロンドン近郊に住む15歳の「ぼく」の近所で飼い犬が殺される。周囲とうまくなじめない自閉症のぼくが事件を探っていくうちに、思いがけない秘密にたどり着く。作中にいくつも数学パズルや図面やグラフが挟まるのは、これが数学の得意な「ぼくが書いた本」だから。そのため、行動や会話はもちろん「な...

ロンドン近郊に住む15歳の「ぼく」の近所で飼い犬が殺される。周囲とうまくなじめない自閉症のぼくが事件を探っていくうちに、思いがけない秘密にたどり着く。作中にいくつも数学パズルや図面やグラフが挟まるのは、これが数学の得意な「ぼくが書いた本」だから。そのため、行動や会話はもちろん「なぜかというと」の繰り返しとともにぼくが思ったこと考えたことを読者は一緒に追いかけていく。どうしようもない日常生活の困難を前に、時に自分を抑えられなくなりながらも将来の夢を描く姿に声援を送りたくなる。題名は原作者の指示により直訳とのこと。

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2018/04/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ぼくはこの本が気にいった。 なぜなら、この本を読んでいる間ぼくは"ぼく"になれる、今日怒った嫌なことやお金がなくて困った、などということを考えなくてすむからです。 悲しいとか嬉しい、という感情表現がないので、"ぼく"の視点で世界をみれる。 これはクリストファーの物語だけど、その両親の物語でもある。 自閉症の子を持つ事の大変さがリアルに伝わってくる。 それでも、クリストファーに対する二人の愛情は素晴らしいよ。たしかに間違いもおかしたかもしれないけど、こんなに子を想っている親、素晴らしいじゃないか。

Posted byブクログ

2017/05/15

自閉症の男の子が、向かいの家の庭で殺された犬の謎を追う、ミステリー&成長物語。 彼は謎を解くうちに、自分に関係のある秘密に辿り着いていく。ショッキングな出来事もあるけれど、彼は自分のやり方で乗り越えていく。 自閉症の人が、考えていることや、なぜ私たちには理解できない行...

自閉症の男の子が、向かいの家の庭で殺された犬の謎を追う、ミステリー&成長物語。 彼は謎を解くうちに、自分に関係のある秘密に辿り着いていく。ショッキングな出来事もあるけれど、彼は自分のやり方で乗り越えていく。 自閉症の人が、考えていることや、なぜ私たちには理解できない行動をするのかということがわかるように描かれていて、読んで見解が広がった。私たちにとって、彼らの突拍子も無いと思われる行動にも理由があること、それがわかるだけで、お互いのためになるのではないかと感じた。 物語としても面白く、主人公の謎の解き方は私には到底できないくらい整然としていて素晴らしい。 人の感情がわからないから、顔のマークで表現したり理解したりする主人公の始めのシーンが伏線?になっていて、読後がとても心地よかった。 中高生から大人まで。

Posted byブクログ