めぐらし屋 の商品レビュー
ストーリー自体は大きく動くことはなく、ゆるやかな雰囲気の日常の話。 白昼夢みたいな想像が広がって、どことなく浮遊感がある感じの文章。私も身体が弱いので、不調が日常の主人公に共感。
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長く疎遠だった父の遺品の整理中に見つけた「めぐらし屋」と書かれた大学ノート。困惑する娘の蕗子さんにめぐらし屋を依頼する見知らぬ客からの電話が舞い込む。父のめぐらし屋をなぞっているうちに蘇る父との記憶。特に大きいことが起こるわけではない。人と出会い日常を淡々と生きる営みの尊さがここ...
長く疎遠だった父の遺品の整理中に見つけた「めぐらし屋」と書かれた大学ノート。困惑する娘の蕗子さんにめぐらし屋を依頼する見知らぬ客からの電話が舞い込む。父のめぐらし屋をなぞっているうちに蘇る父との記憶。特に大きいことが起こるわけではない。人と出会い日常を淡々と生きる営みの尊さがここにはある。
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初めての堀江敏幸。 新しい作家さんに出会えて嬉しい。 1冊に出会うとそこから読書の糸がつながっていくのが楽しい。 静かな空間がずっと広がっていて、静かな気持ちで、すーっと読めた。 蕗子さんみたいな歳の重ね方をしたい。 言葉と言葉、人と人とのつながりがだんだん紐解かれていく感じ...
初めての堀江敏幸。 新しい作家さんに出会えて嬉しい。 1冊に出会うとそこから読書の糸がつながっていくのが楽しい。 静かな空間がずっと広がっていて、静かな気持ちで、すーっと読めた。 蕗子さんみたいな歳の重ね方をしたい。 言葉と言葉、人と人とのつながりがだんだん紐解かれていく感じがおもしろかった。 センマイと百葉箱と、ノートの紙の束とか。
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ふわっとあたたかな感じ。これといったことが起きるわけではなく、誰かの日常、のような話。綺麗な日本語で、優しく多彩な表現をされる。 ひょんな事から亡くなった父が「めぐらし屋」をしていたと知る。子どもは親のことをほとんど知らないものだ。この娘も独特の雰囲気の人として、社内でもたいせ...
ふわっとあたたかな感じ。これといったことが起きるわけではなく、誰かの日常、のような話。綺麗な日本語で、優しく多彩な表現をされる。 ひょんな事から亡くなった父が「めぐらし屋」をしていたと知る。子どもは親のことをほとんど知らないものだ。この娘も独特の雰囲気の人として、社内でもたいせつにされているあ。そして父について知っていく事でまた、自分にも少しずつ変化が生まれてくる わからないことは、わからないままにしておくのがいちばんいいと、娘におしえてくれたのは父だった。 p. 12 つまらない思い出?そうかもしれない。でも、ひとが聞いたらなんの面白みもないようなことこそ、じつは最良の思い出ではないだろうか。 p. 178
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予想より、はるかに話は動きません。 それが、よさとも言えるかもしれませんが。 文章の流れは、趣があって大好きです。
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ん?豆? 黄色が素敵です。 人のしゃべった言葉から、蕗子さんが思い出したものから、ぼわぼわっとわたしの想像が広がってしまい、なかなか読み終わらなかった。気持ちがはるかかなたにいて、多少読み飛ばしてしまっても大丈夫なおおらかさ。想像力がめぐりめぐるという意味ですね、めぐらし屋。
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味わい深い文章がいいです。とても。味わい深い、などという月並みな言葉でこの良さを表すこと自体、自分をふがいなく感じるほどに。よどみない、息の長い一文一文が、その長さを感じさせない心地よさをもって沁みいります。 この本に出逢えた幸運に感謝。
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疎遠になっていた父の遺品整理に訪れたアパート。そこで見つけた「めぐらし屋」と書かれたノート。偶然かかってきた電話を取ると「めぐらし屋」あての依頼だった。父を知る人を訪ね、今まで知らなかった父の一面を知る。特にドラマがある訳ではない。けれど流れるような文章がとても綺麗で温かい。初め...
疎遠になっていた父の遺品整理に訪れたアパート。そこで見つけた「めぐらし屋」と書かれたノート。偶然かかってきた電話を取ると「めぐらし屋」あての依頼だった。父を知る人を訪ね、今まで知らなかった父の一面を知る。特にドラマがある訳ではない。けれど流れるような文章がとても綺麗で温かい。初めて読んだ作家さんですが、もう少し、この文章を楽しんでみたいと思いました。
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女性作家の方が文体が合って読みやすい事が多いのだけど、堀江さんは別。じんわり沁みてくる、静かでいい文章だと思う。
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