めぐらし屋 の商品レビュー
この作家さんは初めて読んだのですが、最近の長野まゆみさんと何となく似た空気感だなあと思いました。 すごく水気のある感じというか、読んでいると呼吸がととのう感じ。
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新聞にすぐに書評が載ってしますので、いそぎ読了。 期待して読んでもまったく裏切られない。いつも安心して読める。
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濡れたハンカチカバンにしまう時どうしてる? の下りがいやに印象に残った。 そうやってカバンの他のものも濡れちゃったりするんだよね、喩話だけじゃないよとな。 ストーリー的にはなんでもないっちゃないけど所々で言葉使いが素敵。
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亡き父の部屋で見つけた、表紙に「めぐらし屋」と書かれたノート。記憶と謎に蕗子さんが導かれる先とは――。 ああ。堀江さんも苦手だぁ・・・(この本の前に読んだ、小川洋子さんも苦手な作家さんなのです)。 私は本当に本当に、滅多に読み始めた本を途中で挫折しないのだけれど、堀江さんは2...
亡き父の部屋で見つけた、表紙に「めぐらし屋」と書かれたノート。記憶と謎に蕗子さんが導かれる先とは――。 ああ。堀江さんも苦手だぁ・・・(この本の前に読んだ、小川洋子さんも苦手な作家さんなのです)。 私は本当に本当に、滅多に読み始めた本を途中で挫折しないのだけれど、堀江さんは2度も途中で挫折しているという、私にとっては「ありえない」人なのである。 でも、なんか、一度「読んだ」と言いたくなる作家さんなのだ(笑)。自分でも矛盾していると思う。けれど、なんとなく雰囲気がいいなぁ、この人の本を読んでる、と言えたらいいだろうなぁ、って作家さんいません? (いないものなのかなぁ・・・) 一度読み通してみよう、一冊きちんと読んでみよう、というわけで本書。 そして、結果は・・・玉砕。やはり、苦手でした(涙)。 だめだ、本質的に合わないんだ。リズムだとか、体温だとか、ものの見方だとか、何もかもが根本的に違う人なんだ、と思った。 だって、さっぱり心地よくならないのである。この本の主人公の蕗子さんにも、やきもきしっぱなし。はぐらかされっぱなし。彼女の生活リズムやら、感覚のずれやら、さっぱり共感できない。むしろ、もどかしくて堪らなくなってしまい、これまでの挫折した2冊と同じく、何度も「やっぱり読むのやめようかな」と思った。 ではどうして、この本に限って読み終えることができたのかというと。普通はこうは読まないだろうなぁ、という読み方で読んだためではないかと思う。 つまり私は、この本をミステリーだと思って読んだのだ。謎の提示、伏線、そして理論的帰結。かなり無理やりだし、純文学読み(?)の人には怒られそう(??)だけれど、この話、ミステリーとして読むことも可能ではないでしょうか。 別にこの本がエンタメだと言いたいのではなく、そういう要素があるな、そういう読み方もできるな、と思ったのである。北村薫さんが、「きょうはなんのひ」という絵本を「立派なミステリーだ」と言っていたように、この本も見方を変えれば、立派な「謎」の物語だな、と思いながら読んだからこそ、私はこの本を読み通すことができたのだと思う。 とはいえ、こういう本をしみじみ味わうことができないとなると、自分はガツガツした人間なのかなぁ、と、とてもがっかりした気持ちになる・・・。
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蕗子さんと一緒に、記憶を共有したような不思議な感覚。蕗子さんのお父さんのような親父ではないけど。さらにいえば健在だけど。小さい頃の記憶や血のつながりの不可解で納得し難く、でも受け入れざるを得ない不条理さ。とでもいうのか。浮かんでは弾ける泡のようにぷくぷくと気持ちをざわつかせる。不...
蕗子さんと一緒に、記憶を共有したような不思議な感覚。蕗子さんのお父さんのような親父ではないけど。さらにいえば健在だけど。小さい頃の記憶や血のつながりの不可解で納得し難く、でも受け入れざるを得ない不条理さ。とでもいうのか。浮かんでは弾ける泡のようにぷくぷくと気持ちをざわつかせる。不思議青年・重田くんの天然さとでもいうのか。蕗子さんとのつながりはお話の中だからこそ都合が良すぎるようにも感じるが。人と人のつながりの妙が心地よかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久しぶりに「文学」のエスプリがぷんぷん薫る小説を読んだ。読後感がすばらしく芳醇で甘美でエロティックですらある。 文章の形態はスムーズで読みやすく、練られているのに簡素。単純でシンプルな文体は志賀直哉を彷彿とさせ、どこか日本語の基本プリンシプルの優美を思い出させる。無駄をあくまでもそぎ落とし続けて、尚心地良い感覚を植えつける。 あっけにとられる見事な文章。 ストーリーテリングは単純。プロットらしきものも特出してない。 蕗子さんという名の30代の未婚の主人公。最近亡くなった父が書きとめていたノートを整理していると、めぐらし屋という商売を父がしていたことに気づく。頼りになるものは何もないが、わずかな手がかりの糸をそっと手繰り寄せていくことで、蕗子さんはいつの間にか離婚して疎遠になっていた無口な父の歴史を図らずも知ることとなっていく。父とは何であったか(終始疑問文) ここまでシンプルな内容でここまで引き込んで読ませるテクニックにただ脱帽した。他の作品もいくつか読んだが、それにしてもどの本も読ませる。 このめぐらし屋は比較的新しい出版物のせいか、現在読んでいる文庫本より若干洗練されているような印象を受けた。総体的に85点以上の点数をつけて間違いないと確信する。
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父がなくなり荷物の整理に父のアパートを訪れた蕗子さん。 そこに電話がかかってきて、父が謎の商売を営んで いたことが判明。その商売とは何か、なぜ父はそんな変な 商売を営むようになったかを解き明かしていく話。 といっても中年女性蕗子さんが淡々とまったりと話を 進めていくので...
父がなくなり荷物の整理に父のアパートを訪れた蕗子さん。 そこに電話がかかってきて、父が謎の商売を営んで いたことが判明。その商売とは何か、なぜ父はそんな変な 商売を営むようになったかを解き明かしていく話。 といっても中年女性蕗子さんが淡々とまったりと話を 進めていくのでまどろっこしく感じる人もいるかも。 私はこういうテンポが好きなので楽しく読んだ。 最後の終わり方がなんだか尻つぼみだったので★は3つ。 そこで終わらせるしか手段がなかったのが、 話の展開というか商売の内容に少し無理があるんだろうなって思った。
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何気ない仕草に宿っているいろいろが、ふわっと香りみたいに湧き立ってくる。 習慣や、ポリシーや、歴史や、思い出や、… 背景にあるあたたかくて不器用な生活感が、目に見えるようで。 細かな仕草まで描きこんでいるのに、全然過剰じゃない。 穏やかでまろやかな文章。 好きだ。
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なんとな~く感じが、北村薫さんの小説に似ている感じがしました。 男の人なのに女の人のことを書くのがすごくうまいとこなんかも。 なにがどうこう、というんじゃないけど、物語の中を流れる空気感が好きでした。 ただ、ものすごい具合の悪いときに読んだため、蕗子さんの体調の悪さとリンクし...
なんとな~く感じが、北村薫さんの小説に似ている感じがしました。 男の人なのに女の人のことを書くのがすごくうまいとこなんかも。 なにがどうこう、というんじゃないけど、物語の中を流れる空気感が好きでした。 ただ、ものすごい具合の悪いときに読んだため、蕗子さんの体調の悪さとリンクして、余計に具合が悪くなってしまいました…。 健康なときに読みましょう。
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亡くなった父の部屋を整理するために蕗子さんが ひょうたん池のくびれにあるアパートにいると 「めぐらし屋」宛てに電話がかかってきた。 亡くなる前の父のことを知らなかった蕗子さんは 「めぐらし屋」を紹介したという磯村さんを訪ねることに。 装丁:有山達也 近所の子どもが溺れているのを...
亡くなった父の部屋を整理するために蕗子さんが ひょうたん池のくびれにあるアパートにいると 「めぐらし屋」宛てに電話がかかってきた。 亡くなる前の父のことを知らなかった蕗子さんは 「めぐらし屋」を紹介したという磯村さんを訪ねることに。 装丁:有山達也 近所の子どもが溺れているのを助けた父。 未完の百科事典を売り歩いていた父。 隠れ家の斡旋を引き受けていた父。 家族でも知らないところはたくさんあるに違いない。
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