めぐらし屋 の商品レビュー
堀江さんで読んでいない作品が沢山あります。 これもその一つ。 ざっくり言うと お父さんがやっていためぐらし屋を巡る、 娘、蕗子さんの物語。 蕗子さんの名前の由来然り、 会社の後輩の重田さんの抜け加減然り。 相変わらず精緻な文体から浮かぶ 登場人物たちが静かで知的なんだよな...
堀江さんで読んでいない作品が沢山あります。 これもその一つ。 ざっくり言うと お父さんがやっていためぐらし屋を巡る、 娘、蕗子さんの物語。 蕗子さんの名前の由来然り、 会社の後輩の重田さんの抜け加減然り。 相変わらず精緻な文体から浮かぶ 登場人物たちが静かで知的なんだよなあ。
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主人公はからだが弱く、おっとりやさんの独身アラフォー女性、蕗子さん。 両親とも亡くなり寄る辺ない身の上の、なんとも頼りない彼女だが、 子供の頃からの親友や、会社の同僚は気の置けない優しい人たちで、 何かと彼女を気に掛けてくれる。 そんななぜか放っておけない蕗子さんは、 やはり父親...
主人公はからだが弱く、おっとりやさんの独身アラフォー女性、蕗子さん。 両親とも亡くなり寄る辺ない身の上の、なんとも頼りない彼女だが、 子供の頃からの親友や、会社の同僚は気の置けない優しい人たちで、 何かと彼女を気に掛けてくれる。 そんななぜか放っておけない蕗子さんは、 やはり父親似で、めぐらし屋の仕事はきっと性に合ってるに違いない。 上品な文章で、特に話し言葉が美しく、女性が書いているような印象を受けた。 病弱な蕗子さんの体調の描写が多く、重苦しくなりがちな部分もあるが、 全体で見れば彼女の人の良さが前に出て、のんびりおだやかなお話。
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高知県立図書館で読む。 お父さんがしんじゃって、お父さんの家にかかってきた電話からめぐらし屋をやってたということがわかり、とくに終着点もなくおわるとてつもなく素敵なお話。面白かった。 ものごとはみる角度によって変わるし、知ってると思ってることも複雑に知らぬうちに絡み合ってて知らな...
高知県立図書館で読む。 お父さんがしんじゃって、お父さんの家にかかってきた電話からめぐらし屋をやってたということがわかり、とくに終着点もなくおわるとてつもなく素敵なお話。面白かった。 ものごとはみる角度によって変わるし、知ってると思ってることも複雑に知らぬうちに絡み合ってて知らないことだったりするからたんたんと日々を楽しむしかないんだなーって 189
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このひとの作品の中にはいつも小糠雨が降っているような気がする。 淡々としずかな語り口を聴いていると、ひっそりとした安心感に満たされる。 話の流れは地味で、大きな冒険も変化もほとんどないが、 日常の中のちいさな気づきや、段差のようなものをていねいに拾い上げて、ちくちくと小説に編ん...
このひとの作品の中にはいつも小糠雨が降っているような気がする。 淡々としずかな語り口を聴いていると、ひっそりとした安心感に満たされる。 話の流れは地味で、大きな冒険も変化もほとんどないが、 日常の中のちいさな気づきや、段差のようなものをていねいに拾い上げて、ちくちくと小説に編んだというような感じがする。 とても好みの文体。 池澤夏樹や村上春樹を読んでいるときに感じる安心感を、堀江文学にも感じる。 めぐらし屋、ってすごくいいアイデアだと思うので、 蕗子さんの今後がどうなっていくのかも含めて、ぜひ続編を、シリーズ化をしてほしいなと思いました。
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毎日新聞社。 堀江さんの日本語はうつくしいなあ、まず主人公の蕗子さんという名前がうつくしい。 ただ、おわりがちょっと、尻切れとんぼなのが残念。
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初めて読んだのだが、文体がとても好き。 雨の描写が多いせいか、部屋の中で体感で雨を予感していたのに、外へでて雨であることに新鮮に驚いた、時を思い出した。
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堀江先生の核小説の雰囲気には独特な何かがあって、ぐいぐいとも違う引力で引っ張られてしまいます。 堀江先生を一生知らずに済ましてしまう人も多いのでしょうが、出会えてよかったと思います。
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めぐらし屋がいったいなんなのか、電話の問題は解決するのか、名和さんはタバコ屋の名和さんだったのか、体調不良のかげになにかひそんでるのか… なーんにもわからないまま物語はぷつりと終わる。 びっくり。 でも蕗子さん、お父さん、蕗子さんの同僚、などなどみんないいキャラ。 どーでも...
めぐらし屋がいったいなんなのか、電話の問題は解決するのか、名和さんはタバコ屋の名和さんだったのか、体調不良のかげになにかひそんでるのか… なーんにもわからないまま物語はぷつりと終わる。 びっくり。 でも蕗子さん、お父さん、蕗子さんの同僚、などなどみんないいキャラ。 どーでもいいようなことが細かく書いてあったりで、(焼き肉屋の会話や、コーヒーのことなど)その物語が伸び縮みしてる感じがおもしろかった。
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亡くなった父の家にかかってきた電話から、父が「めぐらし屋」という何かをやっていたことを知った蕗子さん。めぐらし屋って何?という謎をといていくお話。 メインとなるこの、父をめぐる話は良い。 でも、同じくらいの割合で蕗子さんの体調不良がかかれていて、なんだかめぐらし屋に集中できない...
亡くなった父の家にかかってきた電話から、父が「めぐらし屋」という何かをやっていたことを知った蕗子さん。めぐらし屋って何?という謎をといていくお話。 メインとなるこの、父をめぐる話は良い。 でも、同じくらいの割合で蕗子さんの体調不良がかかれていて、なんだかめぐらし屋に集中できない感じが否めないお話でした。 なんだろう、こう、あちこちにお話が飛んじゃって自分の中でまとめるのが大変だったというか。 蕗子さんの気持ちの変化なんかも読み取りづらかったなあ。 テーマは好きな雰囲気だっただけに、ちょっと残念な気持ちになってしまいました。
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堀江敏幸「めぐらし屋」http://t.co/b6LqBqfC 読んだ。冒頭のノートと傘の描写に始まり、暮らしの細部描写が満載な割に、ファンタジーのような浮遊感のある話だった。三人称形式だけど蕗子さん重田君という表現のせいか、身近な人の語りを聞いているような親密さもある(つづく ...
堀江敏幸「めぐらし屋」http://t.co/b6LqBqfC 読んだ。冒頭のノートと傘の描写に始まり、暮らしの細部描写が満載な割に、ファンタジーのような浮遊感のある話だった。三人称形式だけど蕗子さん重田君という表現のせいか、身近な人の語りを聞いているような親密さもある(つづく 平凡な生活に突然降ってくる不思議な状況や偶然性はオースター的だけれど、あれほど大掛かりではない。蕗子さんは体が絶不調なのに随分のんびりしてズレている。めぐらし屋で、蕗子さんの漫然と停滞した日常に新しい風が吹くだけでなく、ついでに血流や気もよく巡ったらいいのに(おわり
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