幽霊人命救助隊 の商品レビュー
浪人生の裕一は、気づけば奇妙な断崖絶壁の上。ここはいったいどこなんだと思っていると、3人の男女がやってくる。老いたヤクザの八木と、気弱そうな中年男の市川、アンニュイな若い美女の美晴。彼らが言うにはここは死後の世界。そういえば、裕一は大学受験に失敗して首を吊ったような気がするが、そ...
浪人生の裕一は、気づけば奇妙な断崖絶壁の上。ここはいったいどこなんだと思っていると、3人の男女がやってくる。老いたヤクザの八木と、気弱そうな中年男の市川、アンニュイな若い美女の美晴。彼らが言うにはここは死後の世界。そういえば、裕一は大学受験に失敗して首を吊ったような気がするが、そのまま死んでしまったのかどうかなんてわからない。どうやら3人も自殺者で、死んでからすでに何年何十年、ずっとこの断崖の上にいるらしい。しかし、自分を含めた4人が幽霊だなんて到底信じられず、嘘だ!と裕一があがいていると、突然、神を名乗る男が彼らの前へ。これから49日間に自殺志願者100人の命を救え、それを成し遂げられたら4人とも天国へ行かせてやると、神は言う。断崖暮らしに飽き飽きしていた3人はこの話に飛びつく。まだ半信半疑の裕一も、従うことにするのだが……。 彼らが送り込まれたのは21世紀の東京。自殺志願者をどうやって見つけるんだと思っていたら、持たされた荷物のなかに、さまざまな小道具。暗視ゴーグルを装着すれば、黄信号、赤信号と、死にたい度合いが判断できます。 もうちょっと頁数を減らせたんじゃないのと思わないこともないですが、それぞれの死にたい理由を知れば、例を挙げるという意味でもこれだけ書きたくなるのは無理もないでしょう。 孤独に耐えかねている中年男や、田舎から出てきて友だち探しに悩む大学生。完璧に鬱状態の会社員やOLは、そうとは自覚している人も自覚していない人も。自覚している場合は何度も病院へ足を運ぶのが億劫で、自覚していない場合は病院へ行くということなど考えもしなかったり。障害を持つ赤ちゃんをどう育てて良いのかわからない母親。学校でいじめに遭っている少年は、家に帰れば両親が離婚の危機。裕一ら4人は自分たちが自殺した理由を思い返しながら、なんとか1人でも多くの自殺志願者を救おうと駆けずり回ります。いろんな場面で涙せずにはいられません。 笑えるシーンもいっぱい。特にヤクザの八木は傑作で、一言一言が古い。「ハクいナオンはトランジスターグラマーのボインちゃん」。市川と美晴も昭和の間にこの世を去っていますから、会話がなかなかレトロ。裕一には意味がわからないこともしょっちゅうですが、だんだん慣れてくると「チョベリバ」なんて言葉で応戦します。はりきってストリップ劇場へ行こうとも、銭湯で女湯を覗こうとも、体が何の反応もしなくて愕然とする彼らも可笑しい。幽霊になると、煩悩がなくなって、巨乳のねえちゃんも電信柱と同じ。この世の楽しみを享受できなくなる寂しさを痛感します。100人の命を救い、天国へ召されることとなった4人は……。元気、もらえます。
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鬱病で自殺寸前の人々を鬱病で自殺した幽霊が都合のいいガジェットをつかって死なさないようにする。すこし西洋的でクリスティアニティっぽい価値観が見えるのと、延々と続く一例報告を読まされているような気になり少々食傷気味。生者を救っているようで実際は死者を救っていたというオチかと思いながら読んだらやっぱり、しかも最後の最後で輪廻してしまうという、、なんといいますかニッポンだわ、と感じさせられたご都合ハッピーエンドで、苦手なタイプの本でした。好き嫌いパックリ割れそうです。
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自殺という想い話題を題材に、人間の闇の深い部分に切り込んだ描写、問題提起が読者の心をえぐる。4人組のバカバカしいやりとりがいいエッセンスになっている。
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面白すぎた。読んでみてほしいなと思う人が周囲にたくさんいる。 うつや自殺という、かなりぎりぎりのテーマ設定なのに、押し付けがましくない。説教臭くない。 それだけでもすごいことなのに、その先にまで、一歩踏み込んでいる。 エンタメ性も高く、ページをめくる手が止まらない。さすがは高野和...
面白すぎた。読んでみてほしいなと思う人が周囲にたくさんいる。 うつや自殺という、かなりぎりぎりのテーマ設定なのに、押し付けがましくない。説教臭くない。 それだけでもすごいことなのに、その先にまで、一歩踏み込んでいる。 エンタメ性も高く、ページをめくる手が止まらない。さすがは高野和明。
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浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。地上に戻った彼らが繰り広げる怒濤の救助作戦。傑作エンタテインメント、遂...
浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。地上に戻った彼らが繰り広げる怒濤の救助作戦。傑作エンタテインメント、遂に文庫化。
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13階段で有名な高野和明の著作。 自殺した4人が天国に行くために現世で自殺しそうな人を助けるというストーリー。様々な種類の自殺のパターンの人を出しているため、途中少しダラケてしまったが作者なりに思いがあってのこの長さなのだろう。 1例・1例を丁寧とは言えないまでも様々なパターンを取り上げて助け続ける間に自分たちの自殺の愚かさにも気づいていき、ラストの主人公の番ではさすがに泣けてきた。
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初めはドタバタ劇かとおもった。でも、うつ病患者のこととか障害を持つ子どもとお母さんの情とか、人生というものを考えさせられてしまう。
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自殺した幽霊4人が神の命令で自殺者を100人救うお話。 人生はマラソン。 ゴールにたどり着く前に自分でコースから外れてしまうのは、もったいない。 まだ走ることができるのだから、歩いても給水してもいい、止まってもいい、けれどコースから外れないこと。というメッセージをわたしは受け取り...
自殺した幽霊4人が神の命令で自殺者を100人救うお話。 人生はマラソン。 ゴールにたどり着く前に自分でコースから外れてしまうのは、もったいない。 まだ走ることができるのだから、歩いても給水してもいい、止まってもいい、けれどコースから外れないこと。というメッセージをわたしは受け取りました。 エンターテインメント小説でありながら、とても読みやすく、面白く、考えさせられた一冊でした。
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面白かったです。 自殺してしまった4人は神様の命令で100人の自殺者の命を救わなければならない。しかも49日以内で。そうすれば4人は天国に行くことが出来るという。自殺者を救っていくうちに、4人はそれぞれ自分の自殺の動機と重なる救助対象者に会い、その人を救うと同時に自分自身も救われていると感じるようになる。 自殺という深刻なテーマなのですが、ユーモラスなシーンもあり、楽しく読めました。エンターテインメントな話だなぁと思っていたら、最後にほろりとさせられ、私もしっかり生きようと思ったのでした。
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首吊り自殺した裕一は崖をよじ登り死の世界へ辿り着いた。 そこには同じように自殺した3人の男女がいた。 でもそこは天国ではなく、天国に行くには100人の自殺志願者を助けなくてはならないという。 4人は力を合わせて、その任務をこなしていく。 救助の中で、それぞれの心境も変わっていく。...
首吊り自殺した裕一は崖をよじ登り死の世界へ辿り着いた。 そこには同じように自殺した3人の男女がいた。 でもそこは天国ではなく、天国に行くには100人の自殺志願者を助けなくてはならないという。 4人は力を合わせて、その任務をこなしていく。 救助の中で、それぞれの心境も変わっていく。 後悔、寂しさ、悲しさ… ユーモアを交えて描かれているけど、心に響く1冊だった。 2026.3.24
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