幽霊人命救助隊 の商品レビュー
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最初、あんまりおもしろくなかったけど、読み進めるうちに面白くなってきました。思考の中に入り込んで人助けをするってのが面白かったです。こうやって人は死に向かっていくのかっていうのがリアルでなるほどなと思いました。
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「ジェノサイド」や「13階段」でこの作者は自分の中では鉄板だ!と思い、「グレイヴディッガー」とこの作品を読んであれ?っとなっている。 面白くなくはない。 でもお気に入りの2冊とは毛色が違いすぎる。あっちはシリアスでこっちはコメディタッチ(根幹のテーマは深刻な社会病理だが)という...
「ジェノサイド」や「13階段」でこの作者は自分の中では鉄板だ!と思い、「グレイヴディッガー」とこの作品を読んであれ?っとなっている。 面白くなくはない。 でもお気に入りの2冊とは毛色が違いすぎる。あっちはシリアスでこっちはコメディタッチ(根幹のテーマは深刻な社会病理だが)ということだけではなくて、なんというか感触が違う。「ジェノサイド」は小筆の先端で点々と色を塗っているが、こちらは刷毛でペターっといかれている感じ。 対象者の内面をモニターできる、内面に直接変化を起こせるという設定によって、通常の「ヒト対ヒト」というポジションでは浮き彫りにできない心の動きを見せる、という構成はすごい。でもなんだか不自然。違和感。 解説の「あなたが死んだことを確認できるのは、あなたではない。あなたが確認できるのは、自分が生きていることだけである。」だから「自分の死」なんてものはない、というのが当たり前なんだけど、なるほどだった。 「鬱のもぐらたたき」「絶望の金太郎飴」以上の2ワードが今回のお気に入り。
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幽霊たちが自殺志願者たちを助けていくという面白い設定でそれなりに楽しめました。少し余分な描写が多いせいか、途中少し飽きてしまいました。しかし、最後は感動シーンが待ってるので、途中は辛抱です笑。個人的にはこどものいじめの部分が好きです。いじめられっ子やうつ病患者の内面を細かく描写し...
幽霊たちが自殺志願者たちを助けていくという面白い設定でそれなりに楽しめました。少し余分な描写が多いせいか、途中少し飽きてしまいました。しかし、最後は感動シーンが待ってるので、途中は辛抱です笑。個人的にはこどものいじめの部分が好きです。いじめられっ子やうつ病患者の内面を細かく描写していて、勉強にもなりました。 feb. 19, 2016
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自殺を1度も考えたことない大人っているんだろうか。 「未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである」 養老孟司さんの解説もよかった。 死なれて困るのは家族であって自分ではない。だから自殺はわがまま。他人の存在を無視している。自分が変わるのは面倒だから一思いに死んでしまおうというのが自殺。要するに怠け者。 …などなど耳の痛いことばが並ぶ。 だけど絶望から抜け出せなくなっている人は確かにいるわけで、その人たちの苦しみが錯覚というわけではない。 自分に出来ることを考えてみたけど、ちっぽけすぎて難しい。 ジェノサイドを読んだ時にも思ったけど、高野さんって日本という国をメタメタにこき下ろしがらも、それでも一人ひとりの人間の力には希望を抱いているのかな。
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自殺した男女4人が、現世の自殺志願者100人を救えば天国行きを神より確約されるという奇想天外なストーリー。題材からして重い話かと思いきや冒頭からコミカルファンタジーに描かれ、ラストの神々しく胸熱くなる展開に涙。この世は無責任な人ほど楽に生きられ、同時に真っ直ぐな人ほど自殺に追い込...
自殺した男女4人が、現世の自殺志願者100人を救えば天国行きを神より確約されるという奇想天外なストーリー。題材からして重い話かと思いきや冒頭からコミカルファンタジーに描かれ、ラストの神々しく胸熱くなる展開に涙。この世は無責任な人ほど楽に生きられ、同時に真っ直ぐな人ほど自殺に追い込まれる不公平さにいたたまれなくなる。当事者しか分からない絶望感だけにこれ以上自殺について軽々しく語るのは忍びない。この世の人がちっぽけな幸せに笑い、ちっぽけな不幸に泣きながらも精一杯生き抜く事を切に願う。
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実際はうつ病も借金もそんなに簡単に片付くわけない、とは思いつつもファンタジーとしては面白かった。「未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである」、まさに名言である。 解説もなかなか面白かった。まさかの「石油のせい」で、言いっぱなし。これくらいが生きるにはちょうどよい塩梅か...
実際はうつ病も借金もそんなに簡単に片付くわけない、とは思いつつもファンタジーとしては面白かった。「未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである」、まさに名言である。 解説もなかなか面白かった。まさかの「石油のせい」で、言いっぱなし。これくらいが生きるにはちょうどよい塩梅か。
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高野和明の幽霊人命救助隊を読みました。 高岡裕一は首つり自殺をしたあと、幽霊になって天国と地獄の境にある場所にたどり着きます。 そこにはすでに3人の自殺者の幽霊が待っていました。 すると4人の幽霊のもとに神様が降臨し、7週間で100人の自殺者を救えば天国に行かせてやろう、と提案...
高野和明の幽霊人命救助隊を読みました。 高岡裕一は首つり自殺をしたあと、幽霊になって天国と地獄の境にある場所にたどり着きます。 そこにはすでに3人の自殺者の幽霊が待っていました。 すると4人の幽霊のもとに神様が降臨し、7週間で100人の自殺者を救えば天国に行かせてやろう、と提案します。 否応なく4人の幽霊は東京に降り立って人命救助を開始するのでした。 暗くなりがちな、自殺する人たちの背景や苦悩を描くための手法としては面白い試みだと思いました。 養老孟司の解説もおもしろく読みました。
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この小説は内容がわかりやすく、あまり難しい用語もなくてすらすらと頭に入ってきて、量は多めですがあっという間に最後まで読めてしまいます。 自殺を救うというのがこの物語のテーマで、どうしても重い内容になりがちですが、主人公達や救助対象者達の心情描写が鮮やかで、共感できるところも多く、...
この小説は内容がわかりやすく、あまり難しい用語もなくてすらすらと頭に入ってきて、量は多めですがあっという間に最後まで読めてしまいます。 自殺を救うというのがこの物語のテーマで、どうしても重い内容になりがちですが、主人公達や救助対象者達の心情描写が鮮やかで、共感できるところも多く、一喜一憂しながら作品に引き込まれるように読んでしまいました。 様々な社会問題についても詳しくリアルに感じることができて、フィクションといえど、命について改めて考えさせられました。 この本を読むか読まないかで、人が死ぬとはどういうことなのかについての捉え方、価値観はがらっと変わると思います。 この作品を読みながら、感動したり悲しかったりして思わず泣きそうになりつつも、大切な何かを教えてもらった気がしていて、とても満足しています。 もっと他の人にも読んで欲しいなと思いました。
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マンガチックな小道具や 無茶な設定が確かに目立つけど 声にならない人の心の奥底がテーマで 素晴らしい むせび泣く感情を文章でしっかり表現していて 人の心に触れる生々しい感覚が伝わります。 我が子たちが中学生になるとおすすめしてました。 泣いてる人に声をかけるかどうか躊躇する...
マンガチックな小道具や 無茶な設定が確かに目立つけど 声にならない人の心の奥底がテーマで 素晴らしい むせび泣く感情を文章でしっかり表現していて 人の心に触れる生々しい感覚が伝わります。 我が子たちが中学生になるとおすすめしてました。 泣いてる人に声をかけるかどうか躊躇する時・・・ 自分はそんな状況の時 ちょっとこの小説を思い出します
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読み始めは、もう少しコメディタッチなものを想像してたので読み切れるか不安だったが無事読破。 自殺という重めの題材をあつかった作品ですが、幽霊という非現実な主人公達のおかげで、楽しく(??)読めました。
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