1,800円以上の注文で送料無料

歳三 往きてまた の商品レビュー

4.4

47件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/11/03

土方歳三がいかにして戦い抜いたか、これぞラストサムライとも言うべき姿だった。鉄砲や大砲に頼る戦に形が変わり、仲間を失っていくなかで土方自身に変化が現れ、死に様よりも生きる事を意識する。それでも自分自身は武士として死んでいった。胸が熱すぎる。 この後、官軍である新政府軍が、味方で...

土方歳三がいかにして戦い抜いたか、これぞラストサムライとも言うべき姿だった。鉄砲や大砲に頼る戦に形が変わり、仲間を失っていくなかで土方自身に変化が現れ、死に様よりも生きる事を意識する。それでも自分自身は武士として死んでいった。胸が熱すぎる。 この後、官軍である新政府軍が、味方であったはずの薩摩と戦争、日本最後の内戦が起こるが、負ける軍の不運さが、戊辰戦争にもみえた。 土方は実は死んでいなくて、金塊探しをしていたと信じたい。

Posted byブクログ

2022/07/21

土方歳三の大政奉還以降の闘い、生き様を描く。 幕藩体制から近代国家への移行に際し、徳川体制下での武士を否定するわけであるから、戦争は避けられなかったのであろう。 土方歳三の意地、新撰組の局中法度である、士道に背きまじきことを貫いた生き様であった。

Posted byブクログ

2022/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

しんどかったです。 だって、この小説の結末はわかっているのですから。 絶対幸せにならない。 負けて負けて、それでもなお全身に疵を負いながら戦い続ける男たちの姿を、もっと若かったら胸を熱くして読むことができたのかもしれません。 だけど、胸が熱くなるよりもまず、胸が痛くなってしまう。 特に新選組のファンというわけでも、土方びいきの訳でもないのですが、この作品は辛い。 特に、生きることに、人と接することに不器用な土方に、どうしてあれだけ大勢の人が慕ってついて行ったのかを考えると、もっと違う時代に生まれていればなあと思えてしまう。 誰よりも侍になりたかった男。 そして侍として死んでいった男。 ちょいちょい間が悪いというか、運に恵まれないところがあって、それが時代の勢いというものなのかもしれないけれど、やっぱり惜しい男ではあったよなあ。 負け戦を重ねるなかで、鬼の副長時代には見えなかった人の心の機微を知る土方。 そんな状況の中でも成長できることが素晴らしい。 だからこそ、ページが進むごとに近づく土方の最期を思うと、読み進めるのが本当にしんどかった。 永倉新八と斎藤一のところだけ、ちょっとほっこり。

Posted byブクログ

2020/11/16

登場人物たちが容姿端麗に描かれていて、小説でありながら目にも鮮やかです。 主人公である土方歳三はさもありなん。 美しく、戦うために生まれてきたような才能溢れる土方は、箱館に散ることを知っていても、その生を願ってしまうほど魅力的です。 ボリュームのある小説ですが、文体は読み易いです...

登場人物たちが容姿端麗に描かれていて、小説でありながら目にも鮮やかです。 主人公である土方歳三はさもありなん。 美しく、戦うために生まれてきたような才能溢れる土方は、箱館に散ることを知っていても、その生を願ってしまうほど魅力的です。 ボリュームのある小説ですが、文体は読み易いです。

Posted byブクログ

2020/07/15

幕末の殺戮集団として恐れられ多くの志士を葬ったので、一般的にはイメージが悪いが書き手の捉え方や見る角度によって魅力的に生まれ変わると実感した一冊でした。函館で劣勢のなかでの土方歳三は滅茶苦茶格好いいです。鉄砲の弾が降り注ぐ中、抜刀して斬り込みをかける後ろ姿をみたら、たとえ命を落と...

幕末の殺戮集団として恐れられ多くの志士を葬ったので、一般的にはイメージが悪いが書き手の捉え方や見る角度によって魅力的に生まれ変わると実感した一冊でした。函館で劣勢のなかでの土方歳三は滅茶苦茶格好いいです。鉄砲の弾が降り注ぐ中、抜刀して斬り込みをかける後ろ姿をみたら、たとえ命を落としてもこの人についていこうと思わせます。

Posted byブクログ

2017/10/20

読むのに時間がかかった。長かった。BLぽかったが、男達の物語を女が書くとどうしてもそうなるのだろうか。新撰組の最後のところだから良くなることはなくて、暗い気持ちのまま読んだ。

Posted byブクログ

2017/07/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

朝敵となった後の新選組の戦いを描いた作品です。 鬼の副長・土方歳三が、移ろいでいく時勢、転戦、仲間たちとの別れを経て、己の進むべき生き方を見定め、優しく激しくなっていく描写に引き込まれました。 会津戦争や五稜郭の戦いなどで、次々と仲間を失っていくのが読んでいて辛かったです。歳三の最後の描写に、彼はどんな気持ちでこの世を去ったのだろうかと過去に思いを馳せました。

Posted byブクログ

2017/02/22

鳥羽伏見の戦いから始まるこの一冊。これまで読んできたどの作品とも違う土方歳三がいた。そこには敗戦から始まる死へと向かう物語。だが、誰よりも恐れられていた歳三が一人の悩める人間になっていた。だからこそ、これまで読んできた作品の彼よりも魅かれた。ああ、この作品に出合うことができて良か...

鳥羽伏見の戦いから始まるこの一冊。これまで読んできたどの作品とも違う土方歳三がいた。そこには敗戦から始まる死へと向かう物語。だが、誰よりも恐れられていた歳三が一人の悩める人間になっていた。だからこそ、これまで読んできた作品の彼よりも魅かれた。ああ、この作品に出合うことができて良かった。

Posted byブクログ

2015/02/25

新選組三部作の土方篇。京都時代は最初だけで、鳥羽伏見~五稜郭まで。 土方と周囲の人々の生き様。京都時代とは違う土方の姿です。厚めですが、秋山さんらしく読みやすいです。

Posted byブクログ

2014/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

負け戦の繰り返しで、奸賊呼ばわりされ、仲間は次々にいなくなって、それでも『士道背キ間敷事』を貫き通した土方さんに胸を打たれた。 新選組ものだとだいたい近藤さんの死までや、短くて池田屋までのものなんかが多い印象だが(その辺までがやはり華やかで扱いやすいのだと思う)、これは近藤さん亡き後の新選組、土方さんの話。 私も実際この辺についてはあまり知らなかったのだけど、この頃の土方さんの魅力に気づかせてくれた本書。 鬼と呼ばれてた京都時代とは打って変わって厳しさの中にも思いやりや他者を尊重することが増えた。 それはいいことだと思う。現に隊士達に慕われていた。 それでも無理してバラガキから鬼になって、またその鬼を捨てたときの胸中を思うと悲しくも切なくもあると思った。 戦い続けたことは賢い選択ではなかったかもしれないけど、それでも最期まで侍であることを貫き通した姿は正しさとかそんなのを超えて素晴らしかったと思えた。

Posted byブクログ