ショートソング の商品レビュー
読みやすくて題材は面白いし、短歌というものにも興味が持てるところは良かった。キャラも魅力的だと思う。 でも…全体のストーリーとして不完全燃焼。あの人はなんだったのか、どうなったのかオチがないのでは。だから何?という気がする。
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第一印象。 枡野さんが小説書いちゃった!! 先ず、最初に浮かんだ感想は上のコメント。 発売後、なかなか好評らしい…という噂を聞き、ついに読みました。 感想。 面白かった。 枡野さんの短歌と同じで、キュートでポップで、人間らしくて、ちょっと切ない。 そんな感覚を味わえる小説。 エッチでおばかな感じもあり(笑) 表紙のイラストと裏のあらすじを見て、伊賀=枡野さん?!なーんて、印象もあったのですが、ちょっと含んでいるのは確か?? 全体的な読み心地としてはライト。 ストーリーの随所に枡野さんの、他の歌人の方々の短歌が散りばめられていて、それがまたいい具合に効いている。 吉祥寺の街が舞台なのですが、実際に歩いてみたくなった。 克夫と伊賀の視点で物語が進むので、交互に語り手が変わるのですが、それもいいテンポになっている。 克夫と伊賀のやりとりが伊賀が懸念するように、本当に同性愛っぽくも見えますが、それが妙にはまっていて、面白かったです。 けっこうクスクス心の中で笑ってしまう。 克夫の妹が若芽ちゃん、というのもヲイヲイとつっこみつつ。 でも、胸がきゅんとしてしまう部分もあったりして、油断ならない。 作中に出てくる野良ゆうきさんの ミラクルで奇跡みたいなミラクルで奇跡みたいな恋だったのに という1首、お気に入り。
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もの凄い本を読んでしまった。穂村弘もそうだが、歌人という人種は言語に対する感覚が違うのだろうか、散文を書かせてもやはり凄い。 次から次へと心臓が高鳴るような話ばかりが飛び出す序盤といい、この瞬間が永遠に続けばいいのにと思うくらい脆く儚い中盤といい、圧倒的なスピードで畳みかける収束といい、小説としての出来も素晴しいが、それよりもなお、間々に挟まれる短歌が凄い。短歌には、散文では到底書けないような心の奥底を、平然と詠めてしまう不思議な力がある。それが、心の奥底を描き切れない(読者に想像させるしかない)小説という形態と組み合わさって、登場人物の抉られた胸の奥底の、その傷をまた描き切っている。 登場する短歌はどれもいわゆる現代口語短歌で、文中にもあるのだけれど、あらためて俵万智が短歌の歴史に与えた影響の大きさ、短歌という形態の懐の深さを感じた。
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これもダヴィンチで紹介されてたもの。面白かった。作者は本職は歌人だそうだ。さっき調べたら、ドラえもん短歌の人だった。これは初の長編小説だそうだけど、短歌の話というか。抜群のセンスをもつ短歌初心者・ハーフのチェリーボーイ国友と、プレイボーイの歌人・伊賀とが交互に語っていく恋愛小説。何か最後の終わり方が急で物足りない。国友も伊賀も歌集を出してるってことは、二人とも応募して優勝したってこと?荒木更紗はどうしてあんなに怒ってたの?瞳がAVに出たのの小説を出したってくだりは盛り込みすぎじゃねって思うし。伊賀がそれに対してどう思ったのかは知りたかったな。しかし、チェリーってのが結構キーワードになってるだけあって、Hな話も多くて、若いっていいなーと思う。吉祥寺はやっぱおしゃれな街なんだろうか。短歌の良し悪しはやっぱり分からないけど、こんなに詠めてみんなすごいなーと思う。
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枡野浩一の短歌は読みやすくてリズムが良くて大好きです。 複雑な気持ちだなんてシンプルで陳腐でいいね気持ちがいいね が抜群にすき。 ほかの作家の短歌を知るきっかけにもなる、すごく面白い本でした。 どう考えてもカツオはウエンツ瑛士ですね。ワカメは少し前の鈴木杏ちゃんがぴったりだ...
枡野浩一の短歌は読みやすくてリズムが良くて大好きです。 複雑な気持ちだなんてシンプルで陳腐でいいね気持ちがいいね が抜群にすき。 ほかの作家の短歌を知るきっかけにもなる、すごく面白い本でした。 どう考えてもカツオはウエンツ瑛士ですね。ワカメは少し前の鈴木杏ちゃんがぴったりだったと思っています。
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現代歌人・枡野浩一の小説。 吉祥寺を歩いていると、なんとなく読み返したくなります。 クドカンが帯に書いたコピー、「吉祥寺 石を投げれば童貞か、枡野か宮藤 楳図に当たる」も笑えるけど、 作中に出てくる歌で一番好きなのはこれ。 「だいじょうぶ 急ぐ旅ではないのだし 急いでないし ...
現代歌人・枡野浩一の小説。 吉祥寺を歩いていると、なんとなく読み返したくなります。 クドカンが帯に書いたコピー、「吉祥寺 石を投げれば童貞か、枡野か宮藤 楳図に当たる」も笑えるけど、 作中に出てくる歌で一番好きなのはこれ。 「だいじょうぶ 急ぐ旅ではないのだし 急いでないし 旅でもないし」 (宇都宮敦) 理由はなくなんとなく好き。 口に出してみると、なんかほっとします。
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短歌がテーマの小説。チェリーボーイとプレイボーイのダブル主人公で視点が小まめに切り替わりながら小説が進んで行く感じで、1つのエピソードを二人の視点で見れて面白かったです。作中に挟まれる短歌もよく、しかもその場面によく合っている短歌ばかりなので、読んでいてドキドキしました。こんな感...
短歌がテーマの小説。チェリーボーイとプレイボーイのダブル主人公で視点が小まめに切り替わりながら小説が進んで行く感じで、1つのエピソードを二人の視点で見れて面白かったです。作中に挟まれる短歌もよく、しかもその場面によく合っている短歌ばかりなので、読んでいてドキドキしました。こんな感じの小説を読んだのは久しぶりで、楽しかったです。この作者さん、本業は歌人と書いてあったのでいつかこの方の短歌のみの本も読んでみたいです。
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ちょっと青少年を刺激する要素を残しつつ小綺麗(?)な空気観を強めたクドカン風若者向け短歌入門小説。という感じがした。
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枡野浩一さんが大好きなので、ずっと気になっていた1冊。 ごめんなさいと思いつつ、ブックオフにて100円で購入。 正直、小説としてはあまりにも稚拙だなあと。 だらだらした前半に苛立ちながら読み進めたら、後半はかなりすっ飛ばした展開であっけなく終了。 2人の視点がころころ変わるし、...
枡野浩一さんが大好きなので、ずっと気になっていた1冊。 ごめんなさいと思いつつ、ブックオフにて100円で購入。 正直、小説としてはあまりにも稚拙だなあと。 だらだらした前半に苛立ちながら読み進めたら、後半はかなりすっ飛ばした展開であっけなく終了。 2人の視点がころころ変わるし、エロ要素も無理やり入れた感があって何だかなあ。 一方で、歌壇のことやら短歌のことやら知らない世界を知れたのはよかった。 作中の短歌はどれも素敵で、結構な作品数なので、読み応えがある。 小説というよりは短歌紹介本って感じかな? 短歌は古くて近寄りがたいっていうイメージを壊す意図で書いたんだと思うので、そういう意味ではぴったりかも。 こういう風に読んでいる最中から文句ばっかり生まれてくるんだけど、読後は妙にすっきりというかほっこりというか、いい気分なのが不思議。 最後に短歌一覧があるんだけど、気に入った短歌の部分だけ、本編に戻って何度も読み返してしまう。 すっかりはまってしまって、まんまと乗せられた気分だけど、嫌な感じはない。 ほんとうに、小説としてはどうなのって思うのに、ふしぎな魅力のある1冊でした。 克夫くんのどうしようもない情けなさがいい。 あ、★2つにしてるけど気持ち3つよりだけど3つまでいかない気持ちです。
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「ばかね、季語が必要なのは俳句!」 「コカ・コーラのCMに出てきそうな顔」をしたチェリーボーイと 著者さんをイメージさせる風貌のプレイボーイのリズミカルな青春。 リアリティを感じさせる吉祥寺の街と 短歌のファンタジィの均衡が絶妙!! (なぜ紹介文調…!!!)
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