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パンク侍、斬られて候 の商品レビュー

3.9

108件のお客様レビュー

  1. 5つ

    34

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    0

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2016/04/24

パンク侍ということで、すごく会話が現代に近いのだが、あとからあとから話が訳分からなくなる。主人公を訳分からなくなってる。だからいいのかも。

Posted byブクログ

2016/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

めちゃくちゃ大好きな町田康さんの、長編一見時代劇小説風、その実はっちゃけ極まりない混沌ぶっとび不条理小説、とでも言えばいいのでしょうか、とりあえず、町田ワールド全開のあばばばば、な小説です。いやあ、相変わらずカッ飛んでるわ~。 ただ、誠に申し訳ないのですが、意外な事に、案外、心底楽しめなかった、、、大好きな町田さんのハズなのに。ごめんなさい、、、すみません、、、と、とりあえず謝ってしまうのです。 町田さんの、最高にぶっ飛んだ文体は、勿論今作でも最高に大炸裂しているのですが、正直なところ、長編で読むのはちょっとしんどいかな、、、と思ってしまった自分がいました。うう、贅沢言うなよ、って感じなのですが、 町田さんの素敵すぎるはっちゃけ文体は、短編~中編小説でこそ、最も映えるのではないかなあ?と思った次第。長編だと、ちょっと、面白さより、くどさが増してしまい、勿体ない感じがしたのです。最高の料理を次から次へと満腹状態超えても出され続けて食べ続けて、美味しさが分からなくなっちゃう感じかなあ?という。贅沢すぎる悩みだと思うのですけれどもね。 あと、物語の最後の終わり方が、不条理で終わっちゃったのは、やっぱり残念。不条理、というか、超自然的、というか、なんでもアリにしちゃったのは、うーむ、夢オチと一緒で、なんというか、逃げ、というか、ズルい気がするのですよね個人的に。あくまで、トンデモ世界観でありつつも、現実の枷は持ち続けて欲しかったなあ~と。 でも、そもそも人間語を解する喋るニホンザルの大臼延珍(でうすのぶうず)はでてくるわ、結構早い段階で登場するキャラ、オサムが、そもそも超能力使いなのですかからね、なんでもアリなんはそこでもう決まってることなんでしょうけどね。でも、あの最後のオチは、よーわからんかったなあ~。 色々言っちゃいましたかが、それでもやっぱり、町田さんの文体は素晴らしい発明だと思いますし、時代劇の衣をまとった、まごうかたなき町田小説。なんで時代劇の設定にしたんでしょうね?もう、喋り方とか普通に現代語だし。時代劇の世界なのに、登場人物が、ふっつーに現代語でしゃべり倒すんだもの。なんだこの発想。それだけで、いやはやスゲエなあ。 あと、なんで表紙が、町田さんが侍の恰好してる写真なんでしょうね? 町田さん自身がパンク侍であり、掛十之進のモチーフ的存在であり、結局は切られちゃうんだよ、っていう自虐や遊び心を表現したのかなあ?そうした諧謔味、おかしみ、哀しみは、町田さんの文章や生きざまに表れてるんやろうなあ~とも思う次第です。やっぱ、素敵な作家さんやなあ~。 あ、高橋源一郎さんの文庫版解説も、好きでした。つまるところ、町田康さんの小説の最大の魅力は、 「こんな小説をぼくも書きたかった!」と思ったから。 「こんな小説を、ぼくも、どこかで思いついていた」ような気がしたから。 と、思わせてしまうこと。でも、間違いなく、町田さんでしか生み出せなかったであろうこと、なのだろうなあ~と思った次第です。

Posted byブクログ

2022/06/01

「江戸時代。ある晴天の日。街道沿いの茶店に腰掛けていた牢人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずにたちを振りかざし、ずば、と切り捨てた。」 この導入だけを見て内容を想像できる人はおるまい。 「僕はパンかな? 君らはなに? 焼きそばパン?」 「夏目漱...

「江戸時代。ある晴天の日。街道沿いの茶店に腰掛けていた牢人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずにたちを振りかざし、ずば、と切り捨てた。」 この導入だけを見て内容を想像できる人はおるまい。 「僕はパンかな? 君らはなに? 焼きそばパン?」 「夏目漱石の『吾輩は猫である』はお読みかな」 などというセリフが出てくるとは、思いもよるまい。 すごいリズムで場面とセリフが進んでいく。町田康、こういうのを書いているときは何かでトんでいるのかなあ。僕にも書けそうな気がして決して書けないであろうこの狂気より何歩か手前の世界。それでいてまったくチープな、現代的な小物っぽさ溢れる人々に泣ける。 ところで2ページ読んで結末を予想した。あたった。だが虚しい。そういう本じゃないんだ。結末以外の全ては予想だに出来なかったし。

Posted byブクログ

2016/01/22

最初は世界観と会話文の長さに慣れなかったけど 途中からすごく面白くて、はまりました。 登場人物では真鍋が好き。 【秘剣、蜜蜂ハッチの目って狂気的だよね】 最後のオチには震えました。 そんなうまいことおさまらない、か。 …ちゃんちゃん。

Posted byブクログ

2024/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『口から真っ青な空を吹いた。』 『美しく、嘘そのものであった。』 デタラメで嘘ばかりな物語りを、きゅっと締める絶妙な最後の一文。 時代小説と見せかけて近代日本を言いえて絶妙に描写、きっと現代のどの世代が読んでも共感できる一文があるのでは。 虚妄の世界を徹頭徹尾描いてるだからこそ、最後のろんが言う『こんな世界だからこそ絶対に譲れないことがあるのよ』が最高に説得力を持って響く 「なぜみんなこんなに簡単に信用するのでしょう」 「やつらはそれが合理的だから信じるんじゃない。自分が信じたいから信じるんだ。」

Posted byブクログ

2015/08/10

前半はもう、最高だった。なんだこれは?!という衝撃。後半、なんというか、超科学的要素が徐々に増えてきてちょっと辛くなってきたところはあったけど、良かったかな。有川浩さんと同じように、すごく癖があって読む時期を選ぶ書き味かも。

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2015/02/20

再読。学生時代にこの本をジャケ買いしなければ、自分は今も本を読む人間になっていなかったでしょう。とにかくもうべらぼうに、阿呆なまでに面白い。まずは明晰過ぎて空回りするが故に会話の流れを全て独白してしまう、この能ある鷹が頭も尻もさないズル剥け具合な台詞回しでご飯何杯でもいけちゃうね...

再読。学生時代にこの本をジャケ買いしなければ、自分は今も本を読む人間になっていなかったでしょう。とにかくもうべらぼうに、阿呆なまでに面白い。まずは明晰過ぎて空回りするが故に会話の流れを全て独白してしまう、この能ある鷹が頭も尻もさないズル剥け具合な台詞回しでご飯何杯でもいけちゃうね。それが腹ふり党が跋扈する後半になるにしたがってカオス度は高まり、カーニバルもといかぁにばるとでも言うべき糞っ垂れな祝祭空間は言語感覚までもが阿呆となって踊り出しているようだ。やっ。はっ。俺といっしょに、おへどになってくれへんか?

Posted byブクログ

2015/01/03

ヨロヨロの爺さんを突然斬った、超人的剣客が現代語でかつ、洋楽(?)などがミクスチュアされた世界で「腹ふり党」なるものを殲滅しようとする話。 サムライチャンプルー的な世界。 登場人物が みんな卑怯でおもしろかった。

Posted byブクログ

2014/09/19

すっげえ〜。 毒々しいほど濃厚な文章が、凄いスピードでやって来る! これはキツい。 でもハマる。 クセのあるモノが好きな方にはぜひオススメです。

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2014/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ピース又吉さんのエッセイにて知った作品。歴史小説的なやつか…と思って読み始めたら、全く違った。想像の斜め上のぶっ飛び設定で繰り広げられるファンタジー時代劇!! 言葉使いはかたいのに(時代劇だから?)口語は今風の言葉が混じるし、文章の勢いがすごいのに、何故かとても文学的な感じがする。どういう頭脳だと、こんな魅力的な文章が書けるんだろう!ステキ!と素直に思ってしまった。 好き嫌いが別れるタイプかもしれないけど、私はとても好みで読みやすかった。敬服。 物語が広がりすぎて、最後にどう着地するのかなと思ってたけど、キレイに収まって不思議と読後感も悪くない。最後に、あー楽しかった!と終われる作品だった。 これはいい作家さんを知ったなぁ、こういう人を鬼才と言うんかなぁ、と思わせる作家さん。ハマるかハマらないかは読者次第だけど、一読の価値はある作家さんだと思いました。 -- 江戸時代、ある晴天の日、街道沿いの茶店に腰かけていた浪人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずに太刀を振りかざし、ずば、と切り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われたその浪人・掛十之進は、かの老人が「腹ふり党」の一員であり、この土地に恐るべき災厄をもたらすに違いないから事前にそれを防止した、と言うのだった…。圧倒的な才能で描かれる諧謔と風刺に満ちた傑作時代小説。

Posted byブクログ