パンク侍、斬られて候 の商品レビュー
いわゆる時代小説と括られる作品に全く触れないまま生きてきたため大好きな作家なのに、読破できなかったらもう間違っても好きだと言えぬぞ…と一縷の不安を抱きつつ読み始めた。 脳味噌ぐわんぐわん揺さぶられ、 町田節(武士)に吸い込まれ、 ぜえぜえ息切らしながら読了。 まぁしかし正直途...
いわゆる時代小説と括られる作品に全く触れないまま生きてきたため大好きな作家なのに、読破できなかったらもう間違っても好きだと言えぬぞ…と一縷の不安を抱きつつ読み始めた。 脳味噌ぐわんぐわん揺さぶられ、 町田節(武士)に吸い込まれ、 ぜえぜえ息切らしながら読了。 まぁしかし正直途中何を読んでいるのか わからなくなってくる時があった それなのに文字を追う目が 止まってくれないのが不思議で 町田さんの文章で好きなのが 文章の途中で突然口語口調が現れて いい意味で読者のテンポを崩してくるところ そこにクスッと笑えるのだけど この作品では 古語に突然現れる現代の言葉遣い がクスッと笑えるスパイスとなっている どうしたらこんな世界観を描けるのか?? どうしたらこういう風に言葉を扱えるのだ?? 平伏す。 高橋源一郎さんの解説もまた良くて わたしたちが抱く 町田康、凄すぎる、 の複雑な中味を的確に言語化されていた 切実に語彙を増やしたいし それは難しい言葉をたくさん知っているという 事だけでなくて 言葉を適切にスマートに時にユーモラスに 引き出せる人間に、なりたいー。
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図書館で。 最初の数ページで世界観に入っていけず断念。好きになれない主人公と最後まで付き合う気力が無かった。
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いやあめちゃくちゃ面白かった。相変わらず天才的で圧倒的な文章。自由奔放、縦横無尽。ただ面白かったのは文章なんだよなあ。あと俺気づいちゃった町田康って漫画で言ったら吉田戦車とか漫⭐︎画太郎みたいな不条理・ナンセンスな作品を描く作家とおんなじだなと。インパクト凄くてびっくりして大笑い...
いやあめちゃくちゃ面白かった。相変わらず天才的で圧倒的な文章。自由奔放、縦横無尽。ただ面白かったのは文章なんだよなあ。あと俺気づいちゃった町田康って漫画で言ったら吉田戦車とか漫⭐︎画太郎みたいな不条理・ナンセンスな作品を描く作家とおんなじだなと。インパクト凄くてびっくりして大笑いして、でもまあ物語の深みとか感情移入とかではないんだなと。癖になる作家だけど、飽きるのも早そうだなあ。口訳古事記を買ってあるのでそれ読んでからまた考えよう。
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江戸時代。街道沿いのある茶屋で、牢人が盲目の娘を連れた巡礼の老人を切り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われた牢人・掛は、その老人が「腹ふり党」という世を乱す宗教団体の一員であるというのだが……。 映画化もされた時代小説。……時代小説? 裏表紙のあらすじには、「江戸時代」を舞台...
江戸時代。街道沿いのある茶屋で、牢人が盲目の娘を連れた巡礼の老人を切り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われた牢人・掛は、その老人が「腹ふり党」という世を乱す宗教団体の一員であるというのだが……。 映画化もされた時代小説。……時代小説? 裏表紙のあらすじには、「江戸時代」を舞台にした「時代小説」であると明記されているのですが、そこを期待して読むものではないと思いました。 とにかくバンバン出てくる外来語に、荒唐無稽、出鱈目で無茶苦茶なストーリー展開。スパン、と断ち切られるようなラスト。私は今何を読んでるのかと疑問に思いながらも、小説って勢いだけでここまで読ませられるんだなと感心しました。わけがわからないんですが、何だか続きが読みたくなる。 時代小説の形を借りた風刺なんでしょうか。社会情勢、使えない部下、融通の利かない上司や内容のない電話まで、ありとあらゆるものに対する不満であふれた小説でした。 音楽は詳しくないのですが、パンクって確か反社会・反体制的なメッセージが込められた音楽だというお話なので、そういう意味ではこの本は紛れもなく純粋なパンクと言えるのかもしれません。
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嘘ばっかりの世界で虚勢にまみれた人間たちがドタバタ絶命する話。 どんなに偉い殿様も、腹黒の内閣もアホも教祖もみんなみんなキャーンと絶命。なんか全部どうでもよくなるけど、「こんな世界だからこそ絶対に譲れないことがあるのよ」と復習を果たすろくは最高にパンクだ。こんな嘘だらけの世界で、無秩序になった世界で、それでも果たしたい執着こそが生き物の本質な気がした。
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タイトルが秀逸であったため手に取った。 内容は奇天烈としか言いようがない。 しかし、“因果応報”がこの物語の裏テーマであるのか、秩序がない世界の中にもある程度の因果関係が見られた。 現代を風刺するようなセリフが所々にあり、クスリと笑った。 滑稽な語り口から鋭い批判が飛び交い、現代にも通じる矛盾などを突いてるのは恐れ入った。
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面白かった。本作を読んで思ったのは読者は登場人物に多かれ少なかれ好意を持つという点。小説ならば非道をも愛せる。文章は町田康らしいもので、茶山の台詞回しに感嘆したりするが、一方でもういいかなあ、とうんざりしてしまう事があった。さるまわ奉行のあたりはとても楽しんで読むことが出来た。展...
面白かった。本作を読んで思ったのは読者は登場人物に多かれ少なかれ好意を持つという点。小説ならば非道をも愛せる。文章は町田康らしいもので、茶山の台詞回しに感嘆したりするが、一方でもういいかなあ、とうんざりしてしまう事があった。さるまわ奉行のあたりはとても楽しんで読むことが出来た。展開が早くて飽きなかったが、次はどうなるんだろう?というワクワクはあまり無かった。
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時代小説的な背景がありながら、登場人物たちは現代風の内容を話す。このコントラストも町田康節なのかね。 エンターテイメント性あり。 なんでパンク侍なんだろ。
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熱量の多いギャグ漫画を読んだ気分。内容もストーリーもよくわからなくなってくる。でも登場人物一人一人の風刺の効いたセリフに心打たれる。共感できる部分が多すぎてたくさん写真に収めました。
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世界観が全く謎な一冊 超人的刺客の掛十之進はある日 腹ふり党と勘違いして男を刺し殺し、 盲目の娘を逃す。 そこに居合わせた黒和藩の長岡主馬は 腹ふり党について聞こうとするが、その 依存的態度が気にくわないと、情報を、あげるかわりに自分を黒和藩で雇うよう条件を出す。 内藤帯刀の元に迎えられ、内藤は腹ふり党を弾圧し、功績をあげようと目論むが、いつまでたっても腹ふり党は姿を見せない。 そこで、密偵である江下レの魂次を使いにいかせる。 そこで腹ふり党は既に消滅したという事実を知り、内藤はインチキでいいから腹ふり党を結成しろと掛に指示する。 掛は魂次、オサム、幕暮孫兵衞とともに 元腹ふり党幹部である茶山半郎の元へ訪れる。そこにはろんという綺麗な女性がいた。 この世は蟯虫の腹の中であり、何も考えずただ腹を振っていればあまりの意味のなさに蟯虫が苦悶し、体内から排泄される。これをおへどと言い、恵愚母のお導きだという。 茶山は腹ふり党結成を引き受け、掛が思っていた以上の勢力を増し気付いた時には取り返しのつかないほどになっていた。 喋る猿の大臼(でうす)の案で、日本中の猿を率いて、少数の黒和藩と腹ふり党と戦をするも収集がつかず、掛は逃げる。 その先にろんと再会し、一緒についていくといわれ喜びに浸るも肝臓を竹ベラで刺され掛けは絶命する。 ろんは父を殺された復習をずっと目論んでいたのだった。 1回目見たときは全くクソな内容だと思ったけど、映画も見てるうちに中毒性があるのに納得した。 ピストルズのアナーキーの曲もこの話に合ってて良かった(^^) 2019/06/29 08:08
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