哀しい予感 の商品レビュー
ずしんとした内容です…
ずしんとした内容ですが、ふわっとさわやかに読める本です。そのギャップが気持ちいい。こういう、読んで手ごたえがあるんだけど、摑みきれてはいないような、いいお話を、もっとたくさん読みたいなと思いました。
文庫OFF
読んだ時は、暗いとか…
読んだ時は、暗いとか重いとか全く思わなくて、他人様の感想を聞いて、「あぁこれは悲しい味のする話なのか」と驚かされた記憶があります。その後、少しして考え方の差異がどこから来るのか分かりました。周りの人が主人公と自分をシンクロさせているのに対し、叔母を主体に読んでいたのだなと。彼女に...
読んだ時は、暗いとか重いとか全く思わなくて、他人様の感想を聞いて、「あぁこれは悲しい味のする話なのか」と驚かされた記憶があります。その後、少しして考え方の差異がどこから来るのか分かりました。周りの人が主人公と自分をシンクロさせているのに対し、叔母を主体に読んでいたのだなと。彼女にしてみれば、最後の最後に「妹」が還ってきたのだから、哀しいことではありえないのです。うつくしく強いひと。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本のタイトルから哀しい終わり方をするかと思っていたが、前向きな終わりで安心した。 吉本ばななさんの本は3冊目。 どれも大事な人との死への向き合い方を考えさせられる。
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あとがきが、重ねられたいくつかのあとがきがまたすごい。じわりとゆっくり涙がながれる瞬間が何度かあって、わたしはその度に涙をふかずにページをめくり続けた。また読みたい。
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よしもとばななの小説を読むたびに、この人は些細な感情であろうと自分の中に浮かび上がった気持ちにひとつひとつ向き合って生きてきたのだろうなと思う。
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初版は1988年か。随分昔になるのですね。吉本ばななの初期の頃の作品の1つを、十数年ぶりくらいに読み返しました。この頃の著者の作品に共通してある、独特な透明感やみずみずしさ、優しい人たち、そして血縁関係や家族の形や死や超自然現象的な力といったテーマが散りばめられています。 若い...
初版は1988年か。随分昔になるのですね。吉本ばななの初期の頃の作品の1つを、十数年ぶりくらいに読み返しました。この頃の著者の作品に共通してある、独特な透明感やみずみずしさ、優しい人たち、そして血縁関係や家族の形や死や超自然現象的な力といったテーマが散りばめられています。 若い頃に読むと、すごく共鳴するところがあるんですよね。残念ながら、読み返して気づいたのは、もうあの頃のような感動を受け取れなくなっているということでした。どんな本にも、読むべきちょうどよい年齢ってありますよねー。 若い10代20代のうちに読んでほしい本でした。 自分がこの本の読書適齢期を明らかに過ぎてしまっていてそんなに心が動かなかったという意味で、★3つ。 主人公は二十歳前後の女性。優しい父母と弟の4人家族として幸せに暮らしているけど、なぜか小さい頃の記憶がなくて、心がたまに根無し草のような感覚にある。物語を通して、自分の出自の秘密に、気づいていくお話。彼女を取り巻く登場人物として、とても変わり者で自由気ままに生活する三十路の音楽教師のおば、気持ちの良い爽やかな明るさを持つ弟、そしておばの元恋人の男子高校生などが出てくる。 物語で示される、家族や親しい人とのあり方の多様性や、立場にとらわれないで正直な真っ直ぐな気持ちで人と相対することの良さは、この本の読書適齢期を過ぎた身にも染みた。 あと、この時代の特徴なのかな、会話のなかの「〜だわ」「〜なのよ」みたいなレトロな語尾や言葉遣いが結構好きです。 表紙のデザインが素敵で、この表紙の濃紺と、物語の中で描かれる濃厚な深い緑の森や木々のイメージがぴったりな物語。
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地続きな日常の中で、少しいつもより鮮やかな部分を切り取ったような小説。 読んでいる最中から読後まで一貫して、初夏と言うには少し早いくらいの心地よい風のような清涼感を覚えた。 (誰もすまなくなったおじいちゃんの家、当時のままになった叔父さんの部屋から出てきたものをパチってきたこと...
地続きな日常の中で、少しいつもより鮮やかな部分を切り取ったような小説。 読んでいる最中から読後まで一貫して、初夏と言うには少し早いくらいの心地よい風のような清涼感を覚えた。 (誰もすまなくなったおじいちゃんの家、当時のままになった叔父さんの部屋から出てきたものをパチってきたことにより出会った作品。叔父さんありがとう)
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欠けた幼い頃の記憶、叔母へのシンパシー__19歳の夏、弥生はその理由を知ることとなる。変わり者と言われる叔母だけど、人を惹きつける不思議な魅力がある...その存在に翻弄される3人がまたいい。ばななさんの柔らかな表現が好きでした。
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あの人は、そういったなつかしいものや、胸の痛むことや、どうしようもなく歯ぎしりするようなことのすべてだった。 あの人がかさをさして雨の校庭を横切ってやってくるのを見ているだけで、僕は何かを思い出しそうになって気が狂いそうになったものです。
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表紙絵好き。 やっぱり文章の書き方大好きだなあと再確認。 近親相姦やレズビアンに焦点を当てるバナナさんとのことやけど、私は設定を気持ち悪く感じてしまった。(たぶん私も弟と距離感が近かったからかな) お姉さん(ゆきのさん)がどんな姿なのか気になる。
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