哀しい予感 の商品レビュー
『あんまりたくさんありすぎるものを見ると、 人間は不思議と悲しくなっちゃうんだよ』 幸せな家庭で過ごしているが、幼い頃の記憶が欠けている弥生。 変わり者だが美しいおばのゆきの。 真っ直ぐで誰からも愛される弟の哲生。 それぞれの想いや、明らかになる過去。 弥生と...
『あんまりたくさんありすぎるものを見ると、 人間は不思議と悲しくなっちゃうんだよ』 幸せな家庭で過ごしているが、幼い頃の記憶が欠けている弥生。 変わり者だが美しいおばのゆきの。 真っ直ぐで誰からも愛される弟の哲生。 それぞれの想いや、明らかになる過去。 弥生と共に、常にどこか切ないような、でも静かに満たされていくような感覚になりながら読み進められた。 初めて吉本ばななさんの作品を読んだが、情景描写や心情を紡ぐ言葉がとても美しくて素敵で、こころが澄んでいくような気がした。 今後も色々な作品を読んでいきたい。
Posted by
童話の世界に迷い込んだ気分になれる小説 主人公は確かにいるのに、自分が主人公になったような感覚 ✏あんまりたくさんありすぎるものを見ると、人間は不思議と悲しくなっちゃうんだよ。
Posted by
描写が好き、世界観が好き。屋敷に住むピアノを弾く叔母が好き。ただ弥生へ愛着が湧かない。今の自分ではまだ星が4つつかない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
主人公の弥生は、しあわせな4人家族の中にいる。 けれど、幼少期の記憶がすっぽりない。 徐々にその違和感に気づいた時、 叔母だと思っていた姉。 弟と思っていた哲夫。 周りとの微妙な距離や、感情が炙り出される。 吉本ばななさんは、 あぁその気持ちっていう言葉にはできない曖昧な感情を表現する天才だと思う。 ことばが染み入ってくる。切なくなるし、でも浄化される感じ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み終わったあと軽く酔ったくらいには、リアルだった〜。重いけど、人生!って感じがして、そこに瞬間でしか見られない美しさとか自然の中でしか見られない美しさみたいなのが描かれてて、綺麗だった。。哲夫と弥生の空気感、やりとり、弥生の哲夫を見る目もすごく好きだった。
Posted by
よしもとばななさんの本の中の、重くて透明で優しい世界がとても好きです。 何度も読み返して癒されています。 この本は、雨の情景のイメージが強くて、雨の音を聴きながら心地よくうたた寝しているような気持ちになれて、特に好きです。
Posted by
不思議な姉妹の物語。そして姉弟の物語。 恐山から帰ったあと、それぞれがどんな人生を歩むのか、とても気になる。 どうか皆が幸せに向かって進むことを願わずにはいられない。 そんな読後感でした。読みやすくて次の展開が気になるストーリー構成が素晴らしかった。
Posted by
夕暮れの日差しが一本の線になって、入り込んでくるような。暖かさと冷たさが隣り合わせにずっとあって、哀しい予感を感じながら読んでいく。 何か減ったのではなく、失ったんじゃなくて、自分で発掘したのだと、私もそういうふうに思えるように過ごしていきたいと思った。
Posted by
中学生のときに初めてこの作品を読んで、大人になってまた読み返してみました。ピアノを弾く叔母ゆきのの描写がとても素敵で、主人公とともにうっとりしながら読み耽っていたことを思い出しました。若いころに読んでいてよかったなと思う作品です。
Posted by
空気感は好きだった。あんまり感情移入はできなかった。もっと弥生とおばの生活の描写が読みたかったかも。
Posted by