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利己的な遺伝子 増補新装版 の商品レビュー

4.2

100件のお客様レビュー

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2024/03/08

ダーウィンの進化論をベースにしているが進化の主体が生物個体ではなく、遺伝子に有ると理論展開をしている。我々生物個体は、彼ら遺伝子にとって単なる生存のための機械でしか無く、遺伝子が生き延びる為に宿主である個体を利用しまた環境に合わせ変化させていると言う視点である。文体が読みづらく、...

ダーウィンの進化論をベースにしているが進化の主体が生物個体ではなく、遺伝子に有ると理論展開をしている。我々生物個体は、彼ら遺伝子にとって単なる生存のための機械でしか無く、遺伝子が生き延びる為に宿主である個体を利用しまた環境に合わせ変化させていると言う視点である。文体が読みづらく、生物学的知識がある程度ないと500ページを超えるこのボリュームは苦痛でしかないと感じるかもしれない。ただ、ゲノム解析が飛躍的に進んだ現代においても本書の内容は決して否定される事はないくらい完成されている。事例も豊富に上げられ読んでいてとても面白く楽しめる。完読できれば豊富な知識が得られる事請け合いだ。私の中で、今のところ今年最高の一冊。

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2023/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「自然淘汰に成功する単位が持つべき特性……それは長命、多産性、複製の正確さである。そこでわれわれは単に「遺伝子」を、少なくとも潜在的にこれらの特性をもっている最大の単位と定義する。」(50頁) 「自然淘汰の基本単位と考えるのにもっともふさわしいのは、種ではなく、個体群でもなく、個体ですらなくて、遺伝物質のやや小さな単位(これを遺伝子とよぶと便利だ)である」(56頁)

Posted byブクログ

2023/09/06

とても面白かったけど、生物の知識のない私にはとても難しく、同じ個所を2度3度と読み返していたために、おそろしく読むのに時間がかかった…。でも読んでよかったと思う。その後も生物系の本を読むとこの本の知識が役立っている。 遺伝子とは違う形態で後世の思想に長期にわたって影響を及ぼすこと...

とても面白かったけど、生物の知識のない私にはとても難しく、同じ個所を2度3度と読み返していたために、おそろしく読むのに時間がかかった…。でも読んでよかったと思う。その後も生物系の本を読むとこの本の知識が役立っている。 遺伝子とは違う形態で後世の思想に長期にわたって影響を及ぼすことのできる「ミーム」という考え方については新鮮でたいへん興味深かった。昨今のAI、特にチャットGPTなどの目覚ましい進化をみていると、AIによる「ミーム」の操作に一刻も早く対処しなくてはならないと思う。

Posted byブクログ

2023/08/31

今では自然淘汰による進化論は広く浸透していて、古い本書から新たな知見を得られるものもそんなに無いかと思ったが、11章の「ミーム・新しい自己複製子」が非常に面白かったので、全体としての書評も上がる形になった。数学を用いること無くアナロジーや平易な文章でここまでまとめることができるの...

今では自然淘汰による進化論は広く浸透していて、古い本書から新たな知見を得られるものもそんなに無いかと思ったが、11章の「ミーム・新しい自己複製子」が非常に面白かったので、全体としての書評も上がる形になった。数学を用いること無くアナロジーや平易な文章でここまでまとめることができるのは、長年のベストセラーであることを納得させられる。アナロジーを理解せず、本質を見極められない人に対する反論や、自身の反省を含めた補注も増補新装版だからこその醍醐味だった。序盤から生命の起源にまで大胆に迫る内容だが、あとから細胞壁ができるより、最初に疎水性のリン気質で壁ができて内部の環境が安定したと考える方が無理がないのでは、と思った

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2023/06/04

とにかく読むのに大難儀。 何度か断念しそうになったけど最後まで読み続けた。 明らかに自分には合わない一冊という訳で、この手の本は無理して読むことないのかな。

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2023/10/25

本書は進化論そのものの話というよりは、進化に対して一種の(ある意味人間らしい)解釈を与える本だと個人的には思っている。 生存競争は個体という単位ではなく、遺伝子(これは複数個体に"乗る"ことができる)で行われているという、現代人からしてみても相当非直感的な解釈...

本書は進化論そのものの話というよりは、進化に対して一種の(ある意味人間らしい)解釈を与える本だと個人的には思っている。 生存競争は個体という単位ではなく、遺伝子(これは複数個体に"乗る"ことができる)で行われているという、現代人からしてみても相当非直感的な解釈を、単に理屈をこねるのではなく、多数の実例をそれで説明する形で論が展開されるため、読んでいくうちに自然とその解釈が腹落ちする。

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2022/05/18

リチャード・ドーキンスによる「利己的遺伝子論」の解説書。ダーウィニズムの発展から導出されたこの理論は本書をもって世間に普及されることとなった。 内容はめちゃくちゃ面白い。登場する仮説すべてが興味深く、納得させられる。 ただそれと同じぐらい読みにくい本でもある。言い回しがいちいち...

リチャード・ドーキンスによる「利己的遺伝子論」の解説書。ダーウィニズムの発展から導出されたこの理論は本書をもって世間に普及されることとなった。 内容はめちゃくちゃ面白い。登場する仮説すべてが興味深く、納得させられる。 ただそれと同じぐらい読みにくい本でもある。言い回しがいちいち婉曲的な上に、分かりにくいメタファーを多用するためになかなか主旨に辿り着かない。要所をつまみながら一周し、大体の内容を把握した上で二周目に詳細を読んでいくことでやっと理解できた。 本著は非常に優れた理論であり、以後のエソロジーに多大なインパクトを与えた。しかし同時に、非常に誤解されやすくまたその誤解が大変危険なものになりえる理論でもある。 この理論を敢えて一言で言うならば、「自然淘汰の単位は種でも個体でもなく、個体の中に存在する遺伝子そのものである。あらゆる個体は利己的遺伝子の支配下にある生存機械にすぎない」となる。 これだけ聞くと、遺伝子(DNA)が生物を直接的に操っているかのような印象を受ける。実際この誤解が世間に既に浸透してしまっている(ドーキンスはこの状況を危惧しており、故に回りくどい丁寧な表現を繰り返した)。 しかし利己的遺伝子論の正しい理解は「DNAはあらゆる生物を間接的に、プログラマーのように規定している」ということになる。 この理論が危険だというのは、前述の誤解を「べき論」として振りかざすことにある。またドーキンスはこの理論をむしろ生物の様々な本能や習性の「説明的」に使っている。 この本を理解できたことで、行動経済学や心理学の知識が一段階深く腹落ちしたと感じる。 難解で長い本ではあるが、一読に値する。

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2021/11/07

昔買った本だが、あまり読んでなかったので、改めて読み直してみた。内容は分かりやすく書かれているが、難解な文章もまあまあある。日本語の訳し方の問題の気もするが。2006年のやつなので、2018年版だとその辺も直ってるのかもしれない。改めてkindle版で2018年版も読むかな

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2022/01/19

Podcastでアクセルロッドが出てきて、ゲーム理論の話をしていていて、この本に載っているということだったので改めて該当箇所だけ読んでみた。結構難しい。。。 やられたらやり返す作戦がゲーム理論のトーナメントで勝利しやすいということだけ聞いていたがそれが深く考察されていて面白かっ...

Podcastでアクセルロッドが出てきて、ゲーム理論の話をしていていて、この本に載っているということだったので改めて該当箇所だけ読んでみた。結構難しい。。。 やられたらやり返す作戦がゲーム理論のトーナメントで勝利しやすいということだけ聞いていたがそれが深く考察されていて面白かった。結局は相手次第ではもちろん負けること、一方で環境に適用したときに安定化どうかなど、進化を考えるうえでおもしろい材料であることなど。 わかった気になって、やられたらやり返すを一般的に有効な法則だと考えようとしていた自分を反省。当然、局所局所ではより有効な戦略が存在する。あくまでも進化的に考えたときに、後世に遺伝子を残しやすいという観点で有効だということであって、それ以上でもそれ以下でもない。空想することは楽しいが、その違いを区別しないといけない。

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2020/08/08

1976年に出版された古典的名著を読んでみた。本書の偉大なところは、あらゆる生物をそれらを構成する遺伝子からひも解こうとする新しい生命観を示したことにある。各章にて人間もまた遺伝子を運ぶための機械であるという考えや、親子或いは雄雌の関係に於いてどのような戦略が淘汰の末に選ばれてい...

1976年に出版された古典的名著を読んでみた。本書の偉大なところは、あらゆる生物をそれらを構成する遺伝子からひも解こうとする新しい生命観を示したことにある。各章にて人間もまた遺伝子を運ぶための機械であるという考えや、親子或いは雄雌の関係に於いてどのような戦略が淘汰の末に選ばれていくのかといったことが述べられる。根底にあるのは遺伝子という単位で何が「正しい」のかという視座なので、いわゆる倫理的な「正しさ」を求めるとたちまち誤解してしまう。ここは著者も警告する通り。最も印象に残ったのは、これほどある意味で冷徹に遺伝子について語りながらもミームや遺伝子への反逆について述べている第11章。本章にはかすかながら、人間が個体として生を全うすることへの希望が込められているような気がした。

Posted byブクログ