小さき者へ の商品レビュー
やっぱり良いです。重松清。 相変わらず辛い話が多く、また何時ものように、どれも解決はされないのですが、それでも明るい方向を向いてエンディングを迎える作品群です。 初期の「ナイフ」の様な徹底した辛さと、明るくなるのか、更に闇に向かうのか解らないエンディングに比べれば、随分大人し...
やっぱり良いです。重松清。 相変わらず辛い話が多く、また何時ものように、どれも解決はされないのですが、それでも明るい方向を向いてエンディングを迎える作品群です。 初期の「ナイフ」の様な徹底した辛さと、明るくなるのか、更に闇に向かうのか解らないエンディングに比べれば、随分大人しくなったものです。 それでも、読んでる最中には目頭がウルウルと。困るんですよね、通勤電車がメインの読書時間の私としては。。。。 好みで言えば「団旗はためくもとに」かな。元応援団の熱いけど不器用な父親と、反発しつつも父親を信じる娘の物語です。
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【あらすじ】 お父さんが初めてビートルズを聴いたのは、今のおまえと同じ歳――十四歳、中学二年生の時だった。いつも爪を噛み、顔はにきびだらけで、わかったふりをするおとなが許せなかった。どうしてそれを忘れていたのだろう。お父さんがやるべきこと、やってはならないことの答えは、こんなに身近にあったのに……心を閉ざした息子に語りかける表題作ほか、「家族」と「父親」を問う全六篇。 【感想】
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表題作、小さき者へがとくに響いた。 こういうことあっただろうな。 私にどれくらいのお金と時間を使ったんだろう。 そろそろ心配ばっかりかけてないで恩返ししたいんだけどな。
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オイラはファザコンだ。向こうはオイラのこと、大嫌いだけど。だから、重松清の小説に無条件で弱い。親父と息子の関係に幻想を持っているんだと思う。不器用でカッコ悪くても自分を守ってくれる存在だ。その想いは実の親父には伝わらないけど。反抗期にきちんと済ませておかなかったせいで、もはやきっ...
オイラはファザコンだ。向こうはオイラのこと、大嫌いだけど。だから、重松清の小説に無条件で弱い。親父と息子の関係に幻想を持っているんだと思う。不器用でカッコ悪くても自分を守ってくれる存在だ。その想いは実の親父には伝わらないけど。反抗期にきちんと済ませておかなかったせいで、もはやきっかけを失っている。 「団旗はためくもとに」の美奈子が羨ましい。 「お前、本気で高校やめて美容師になるんだったら、お父さんときっちり喧嘩してからやめろ。いいな。おまえが『やっぱり学校やめないから』って言うまで、お父さん、もう口きかないからな。それでも、どうしてもやめるんだったら、やめろ」 この言葉、好きだ。まっすぐなんだよな、お父さんも、 美奈子も。いまになって思うけど、大人になったからといって、強くてたくましくて頼りがいがある人になるわけじゃない。大人だって、負けたり落ち込んだり泣いたりしてる。カッコなんかつけなくても、家族はそんなことはお見通しだ。それが互いに伝え合うことができるかどうかは別だけど。だから「小さき者へ」でお父さんが俊介に出せない手紙をかいているのは切ない。
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短編集。「海まで」「フイッチのイッチ」「小さき者へ」「団旗はためくもとに」「青あざのトナカイ」「三月行進曲」。なんともいえないリアリティがあり、読後感は痛い(ただし、悪い意味ではない。)。見たくない現実を突きつけられているように思えるからだろう。特に、父娘関係の描写が…。もし再読するならば、心が凹んでいない時に読みたい。
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1つ1つのお話が、小さき者へのエールだと感じた。 何かが大きく変わるわけでもなく、現状維持の話もあるが、どこにでもいそうな小さき者と大人の話。 なのにも関わらず、身近に感じるような引き込まれる内容は、さすが重松清だと思う。 個人的には、引きこもりの少年の話と応援団の父の話は、...
1つ1つのお話が、小さき者へのエールだと感じた。 何かが大きく変わるわけでもなく、現状維持の話もあるが、どこにでもいそうな小さき者と大人の話。 なのにも関わらず、身近に感じるような引き込まれる内容は、さすが重松清だと思う。 個人的には、引きこもりの少年の話と応援団の父の話は、どこにでもあるような話で、親近感があった。
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父親の立場で父親の立場からの小説を読みました。そのため、共感できるところとイライラするところがはっきりとわかりました。男なら少しはこういうところがあるかなと思うところもあったり、これはないわなあ~と思ったり。自分の感情と向き合いつつ読み続けた小説です。 父親ってこういうものかなと...
父親の立場で父親の立場からの小説を読みました。そのため、共感できるところとイライラするところがはっきりとわかりました。男なら少しはこういうところがあるかなと思うところもあったり、これはないわなあ~と思ったり。自分の感情と向き合いつつ読み続けた小説です。 父親ってこういうものかなと知るのにはいい本だと思います。
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小さき者へ ひきこもった息子、そして息子がどんな思いでいるのか理解することが難しい父親の心境。身近で、今のお父さんはこんな心境なのかなと思ったり、子育てってとても大変で良かれと思ったことが良いとは限らないこと、何が起きるかわからないこと、結局、この話ではハッピーエンドでは終わらな...
小さき者へ ひきこもった息子、そして息子がどんな思いでいるのか理解することが難しい父親の心境。身近で、今のお父さんはこんな心境なのかなと思ったり、子育てってとても大変で良かれと思ったことが良いとは限らないこと、何が起きるかわからないこと、結局、この話ではハッピーエンドでは終わらなかったけど、まだまだ長い人生、少しずつでも向き合っていかなきゃいけないんだなと思った この本を読んでいて思ったのは、やっぱり私は他の人よりも家族。というものに対するコンプレっクス?こだわり?があるんだなと改めて感じた 団旗はためく下に 好きなお話。 いきなり高校を辞めると言い出した主人公。しかも、なんとなく。という理由で。最初は幼くて何も周り見えてなくて、今もかもしれないけど、少し前の私を見ているみたいで、苦手な子だった。けど、その子もその子なりにずっと考えていた。お父さんの押忍の心、とても素晴らしいと思った。人生負けたり後悔ばかりだと思うけど、前を向き続けたいな。自分で選んだ自分の道を歩き続けたい。
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色々なタイプの「親と子」の形を綴った短編集。どの短編も『子を想う不器用な親』と『不器用な親だとわかりながらもなかなか受け入れられない子』の「複雑な親子関係」のリアルな姿が見事に描写されてます。自分の思春期時代のことを思い出してみると、正にここに出てくる親子の「子」だったなーと、妙...
色々なタイプの「親と子」の形を綴った短編集。どの短編も『子を想う不器用な親』と『不器用な親だとわかりながらもなかなか受け入れられない子』の「複雑な親子関係」のリアルな姿が見事に描写されてます。自分の思春期時代のことを思い出してみると、正にここに出てくる親子の「子」だったなーと、妙な共感が生まれる一方で、自分も2人の子供を持つ親になった現在の立場からしてみると、近い将来この話に出てくるような不器用な親にきっとなるんだろうなーと思ったり。 までも、どんな不器用な親でも子を想わない親はいないっつうことで、不器用なりに子供には愛情を伝えて行きたいと思うのでした。
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子供の頃は大人は何故分かってくれないと思い、大人になって子供は何故分かってくれないと思う。 それがいつの間に切り替わるのか、はっと気づいた時にだって仕方ないよなと思う自分にまた大人になったと気づかされる。
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