小さき者へ の商品レビュー
家族・親子の関係を綴った全6編の短編集。 読者の立場によって、思い入れは異なるであろうが、 どれも、色々と考えさせられ、自分の生き方を見直したくなる作品。 もっと続きを読みたくなるものばかりで、やや消化不良もあるが、 たまには、こんな作品も良いと思う。
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通勤の読むのに調度よい長さの短編集。 しかし、到着少し前にクライマックスに差しかかるので、いつも涙目で下車することとなる。どれも家族をテーマにした、人生の境目を葛藤している姿が描かれたもの。こころの揺れに自然と涙が出る。 残念ながら、本短編集のタイトルになっている「小さき者へ」...
通勤の読むのに調度よい長さの短編集。 しかし、到着少し前にクライマックスに差しかかるので、いつも涙目で下車することとなる。どれも家族をテーマにした、人生の境目を葛藤している姿が描かれたもの。こころの揺れに自然と涙が出る。 残念ながら、本短編集のタイトルになっている「小さき者へ」だけは共感できなかった。
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父と子を巡る心温まる短編集。 いろんな愛情表現に一喜一憂。 ついつい「私と父はどうかな…」と思いあぐねてしまう。 喜怒哀楽を超えていろんな気持ちにさせてくれる一冊。
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子どもをもつ父親が主人公の短編集。 題名にもなった「小さき者へ」は、 いじめにあって、家庭内で暴れている息子に送るために、 手紙を書き続ける父親の話。 結局手紙は渡せないままなんだけど。 ビートルズのCDを買ってきた息子にむけた、 自分の学生時代の思い出を書いた手紙...
子どもをもつ父親が主人公の短編集。 題名にもなった「小さき者へ」は、 いじめにあって、家庭内で暴れている息子に送るために、 手紙を書き続ける父親の話。 結局手紙は渡せないままなんだけど。 ビートルズのCDを買ってきた息子にむけた、 自分の学生時代の思い出を書いた手紙。 相変わらずの重松ワールドなんだけど、 重松さんの作品を読むと、どうしても亡き私の父親を思い出してしまう。 亡くなってから出てきた手紙に、 「そんなに映画が好きなら、お勧めの映画があります。」 って書かれていた手紙。 そんな話、面と向かって聞いたことなかったのに。 なんか、「小さき者へ」・・・の父親みたいだね。 音楽だって映画だって、好きなジャンルは父親の影響が大きいのに、 反抗して興味ないふりしてたのに。 なんだか、切ない気持ちになります。 どのお話も、ダメな父親だよね。 子どもにとって、なんとなく。 気弱で。 でもそれが本当の父親の姿なんだと思うわ。 私の父親を思い出すからかもしれないけど、 それが本当の姿なんだと思う。
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同僚からのイチオシで読むことにしました。私には「いい本」というには表現が軽くて適さない、なんというか、胸がギューッとつかまれる感じの苦しさがあり、読み進めるのに体力を要した一冊です。一編を読み終わるごとに、自分の中で消化するのに数時間はかかってしまい、なかなか次の作品に進めません...
同僚からのイチオシで読むことにしました。私には「いい本」というには表現が軽くて適さない、なんというか、胸がギューッとつかまれる感じの苦しさがあり、読み進めるのに体力を要した一冊です。一編を読み終わるごとに、自分の中で消化するのに数時間はかかってしまい、なかなか次の作品に進めませんでした。どの作品も、登場人物の気持ちというか、揺れ動く気持ちや葛藤がわかって、私自身も苦しくなるという点は、それだけ描写豊かであるということで、素晴らしいと思います。私は特に、「海まで」のカズキの不安と疑問と自分ではどうすることもできない体の不調と不自由さが切なかったです。
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某本好きな方からのオススメです。 この人のオススメは当たりっぱなしです。 すごい。 部屋に閉じこもった息子への 手紙の形を取った表題作の他 「父と子」がテーマの短編集です。 俺は中でも『団旗はためくもとに』が好きです。 主人公の、「なんとなく」の考え方も分かる...
某本好きな方からのオススメです。 この人のオススメは当たりっぱなしです。 すごい。 部屋に閉じこもった息子への 手紙の形を取った表題作の他 「父と子」がテーマの短編集です。 俺は中でも『団旗はためくもとに』が好きです。 主人公の、「なんとなく」の考え方も分かるんですが やっぱりお父さんが素晴らしいです。 掛け値なしに応援してもらえると心が震えるのです。 「ここにオレたちがいるんだぞーっ、おまえは一人ぼっちじゃないんだぞーっ」 ちなみに、タイトルの“ためく” って何かちょっと悩んだのは秘密です笑”
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加筆したことを除いても、少年少女の心の波をこれだけ丁寧に書く作家さんだと驚いた。短編ながら読み手の心に残る話ばかりで本棚に残しておきたい一冊になった。 必ずしもハッピーエンドではなく、登場人物と読み手に「成長」という余韻を残してくれている。ぜひ子どもにも読んでもらいたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
家族、父親の物語。 ひとつは、家族4人で実家へ帰る父。その実家には自分の母が一人暮らししている。ここ数年、母は下の息子だけを可愛がり、上の息子を避けている。何故、母が上の息子を避けるのかに悩む。 ひとつは、親が離婚した息子の話。親権は母親にあり、年に数回だけ父を会う。そんな父が「母さんは再婚しないのか?」と聞いてくる。父はまだ母に未練がある。そう思い、一策を講じるが・・・。 ひとつは、引篭もりきりになってしまった自分の息子に悩む父。部屋から出てこず話ができない父は、手紙にその気持ちを綴る。 ひとつは、高校生の娘が突然学校を辞めたい、と言い出し、困る元応援団団長の父。辞めると頑固な娘に、一喝する父ではあるが・・・。 ひとつは、夢のために脱サラして自分を店を持ったが失敗してしまった父親。次の仕事になかなか就けず、酒を煽る日々。妻の父から紹介を受けているが、自分のプライドのためになかなか動けない。自分の子に格好悪い自分を見せたくない。 ひとつは、小学生の監督を引き受けた父親。自分には娘しかいないため、自分に息子がいたらこうなったのかと考えてしまう。 この6つの物語はいずれの父も弱く、迷っている。そこにとてもリアルな人間らしさを感じる。あと、登場する女性は皆強い(笑) 一番好きなのは、「団旗はためくもとに」かな。年頃の可愛い、溺愛する娘を持つ父。その娘が学校を辞めたい、と言い出し、怒鳴ってしまう。元応援団だったこともあり頑固である。そして情にも厚い。 確かに、この父は格好良い。 実際、父親になったことはないが、よい作品だと思う。
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父親目線で子どもと、そして家族に向き合う短編6作。 「海まで」家族で故郷の母の元に一泊の帰省する。屈託のない次男と感情表現が不器用な長男。 「フイッチのイッチ」転校生の山野朋美。両親の離婚で苗字が変ったばかり。片親ベテランの僕は今でも時々父に会うのだが。 「小さき者へ」部屋に引...
父親目線で子どもと、そして家族に向き合う短編6作。 「海まで」家族で故郷の母の元に一泊の帰省する。屈託のない次男と感情表現が不器用な長男。 「フイッチのイッチ」転校生の山野朋美。両親の離婚で苗字が変ったばかり。片親ベテランの僕は今でも時々父に会うのだが。 「小さき者へ」部屋に引き篭もりを始めた息子がビートルズのアルバムを買ってきた。父は宛てのない手紙を書き綴る。自分のビートルズの思い出とともに。 「団旗はためくもとに」お父さんは応援団長。一所懸命頑張ってる者にしかエールは送らない。私は学校を辞めてどうしたいのだろう。 「青あざのトナカイ」脱サラして商店街にピザ屋をオープンしたが、経営が行き詰まり閉店に。心が閉店するまでどれくらいかかるだろうか。 「三月行進曲」少年野球の監督の僕が、卒業を目の前にした3人の子どもと甲子園へ向かう。 結局結論の出ていない話が多いのだが、人生の実際はたいてい結論はでなくて区切りがあるだけ。抱えている問題が多ければ多いほど。 またいつか読み返したい、そんな作品です。
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久しぶりに読んだ重松さん。 よかったのは「海まで」、「青あざのトナカイ」、「三月行進曲」。 特に「三月行進曲」はとてもいい。 自分と重ね合わせて見てしまった。 おれは弟や息子がほしいんだなあ、とこれを読んで思った。 男の子ってなんでこんなバカで素敵なんだろう。
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