小さき者へ の商品レビュー
父と息子 父と娘 祖母と孫 いわば人間の間だ。その間にある齟齬みたいなものが、ひどく刺さる。憂鬱になるほどにだ。どの物語も最後には上向きになる。だがそれでは拭えぬ。 自分が父になった時を思い、不安が膨らむ。 だからもし、自分が父になったら、この本を送りたい。何か思う心が、その時...
父と息子 父と娘 祖母と孫 いわば人間の間だ。その間にある齟齬みたいなものが、ひどく刺さる。憂鬱になるほどにだ。どの物語も最後には上向きになる。だがそれでは拭えぬ。 自分が父になった時を思い、不安が膨らむ。 だからもし、自分が父になったら、この本を送りたい。何か思う心が、その時までに残っていて欲しいと思う。
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ああ、また重松清だ。 が、この人の作品は外れがないね。 この本は、「卒業」とか「ビタミンF」とかと同様に短編集。 結末もハッピーエンドではなく、その後は読者に任せるという作風。 外れがないのはいいんだけど、ちょっと飽きてきたかも。
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「海まで」 返答次第では帰省は最後に。 ボケている訳でも無いのに二人居る孫の片方を贔屓する様な行動を目の前でされたら、いくら自分の親といえど子供の為にも会うのを控える考えになるよな。 「フィッチのイッチ」 勘違いから気まづい空気が。 一度別れを決断した者達が元に戻る事になるのは...
「海まで」 返答次第では帰省は最後に。 ボケている訳でも無いのに二人居る孫の片方を贔屓する様な行動を目の前でされたら、いくら自分の親といえど子供の為にも会うのを控える考えになるよな。 「フィッチのイッチ」 勘違いから気まづい空気が。 一度別れを決断した者達が元に戻る事になるのは余程の理由が無ければ中々ないだろうし、本当だとしたら一番に子供に伝えているだろうな。 「小さき者へ」 渡せない手紙が手元に残る。 彼の自分語りで父親については詳しく分かったが、息子の本当の思いに寄り添えているかと問われたら自信を持って頷けない手紙であった気がするな。 「団旗はためくもとに」 なんとなくで決めては後悔。 彼女の父親は団員時代の雰囲気が抜けていない所もあるが、話している事に筋は通っているからこそ周りの人達も彼から離れず未だに集まったりするのだろうな。 「青あざのトナカイ」 負けた姿を見せたくなくて。 脱サラして商売を始めるのは余程コネがない限り一か八かの賭けになるのはわかりきっていた事だろうが、実際にこうなると自分が情けなく感じるだろうな。 「三月行進曲」 小さなミスから亀裂が生じ。 交代の指示を出さなかった監督に非はあるかもしれないが、最初に話を聞かず勝手な行動をとったのは自分だという自覚を彼に持たせる事は出来なかったのだろうか。
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おじさんは面倒くさい。おじさんは鬱陶しい。おじさんは後ろ向きだ。屈折した中年男性ばかりを描いた作品。でも、ほとんど私より年下なんだよなぁ。 意外なことに文庫版の解説を書いた華恵さんの文章が一番良かったりして。
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親と子。親にとってはかけがえのない子供。この子を喜ばせたい。いつも一緒に笑っていたいと望むのだけど、親から行くのではなく子供から親に歩み寄って来てくれる。そうなれるといいのだけどなかなか思うようにはいかないものです。 親と子を考えさせられますが、読んだあと心が重いです。 重松清さ...
親と子。親にとってはかけがえのない子供。この子を喜ばせたい。いつも一緒に笑っていたいと望むのだけど、親から行くのではなく子供から親に歩み寄って来てくれる。そうなれるといいのだけどなかなか思うようにはいかないものです。 親と子を考えさせられますが、読んだあと心が重いです。 重松清さんの作品は読んだあと重すぎるように感じます。
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父親と子どもの微妙な関係や、子どもに対する父親の気持ちを綴った一冊。 今の自分自身が、生活や思考の半分以上を子どもが占めていると言っても過言ではないので、読んでみた。 娘が成長するにつれて、感じる父親との距離感や、離婚直前や離婚後の子どもの気持ち、普段会話はないけど、お互いに...
父親と子どもの微妙な関係や、子どもに対する父親の気持ちを綴った一冊。 今の自分自身が、生活や思考の半分以上を子どもが占めていると言っても過言ではないので、読んでみた。 娘が成長するにつれて、感じる父親との距離感や、離婚直前や離婚後の子どもの気持ち、普段会話はないけど、お互いに気持ちを通じ合わせる親子の話等の短編集で、どれもすっきり解決したり、親子仲良く幸せ家族みたいなものもなく、涙を流しながらというものでもない、だからこそ、リアルな親子関係が描かれていたんだと思うが、少し物足りなさを感じた。 そんな中でも、自分から見た子ども、自分が理想とする父親、子どもから見た父親、自分の親だったら等、視点を変えて自分を見つめながら、子どもと関わっていこうと思った。 今後、子どもの成長によって、関係がどうなっていくのかわからないけど、いつでも応援していることを感じてくれているような存在でありたい。
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いつだって親は、子供のことを考えて、全力で守っているんだ。 たとえ、空回りしてしまうことがあっても、自分が情けなくても、子供が心配で、可愛くて、嫌われたくなくて…… 挙げればキリがない、親の気持ち、子供の気持ちがこの作品で分かるだろう。
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私たちはいつだって坂にいる。上り調子、下り調子、バランスをとりながら、それが平行であるかのように錯覚して、体と心のバランスをとっている。下り坂の途中にいる主人公たちを渾身の優しさで描ききっているなぁという印象。この本を読むだけで、重松清って絶対優しい…と感じてしまうほど。愛の対に...
私たちはいつだって坂にいる。上り調子、下り調子、バランスをとりながら、それが平行であるかのように錯覚して、体と心のバランスをとっている。下り坂の途中にいる主人公たちを渾身の優しさで描ききっているなぁという印象。この本を読むだけで、重松清って絶対優しい…と感じてしまうほど。愛の対にお節介や皮肉を据えながら、程よい色彩で絶望には程遠いけど希望を持てる状況とも言い難い主人公たちを、重松流に救っていく。そして、読んでいるうちに、自分もきっと、読む前よりちょっとだけ救われている。
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・4/22 読了.やっぱり子供系の父親物語はうるっと来てしまうのも多いよね.今回はどの物語も多少屈折してたせいかそれほど泣けて困るものはなかったけど.
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『団旗はためくもとに』がとてもいい 決断には失敗もあるし、間違いもある。 そういうときも『押忍』の心があれば、いいんだ 押忍があっても失敗が成功に変わるわけじゃない。それでも、言い訳はせずに済むだろう その押忍のこころは、押して忍ぶ たぶん自分の内面と向き合うことなのだと思う...
『団旗はためくもとに』がとてもいい 決断には失敗もあるし、間違いもある。 そういうときも『押忍』の心があれば、いいんだ 押忍があっても失敗が成功に変わるわけじゃない。それでも、言い訳はせずに済むだろう その押忍のこころは、押して忍ぶ たぶん自分の内面と向き合うことなのだと思う 深く深く自分の内面と向き合って整える その結果がどうなるかは、わからん だから、後ろは振り向かずにいこーぜ
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