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小さき者へ の商品レビュー

3.9

154件のお客様レビュー

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2009/12/24

図書館では本を返して、それと交換のように予約本を借りることが多いけれど、本の確保や回送のタイミングで、本を返しても出てくる本がなく、貸出カードにちょっとスキマができるときがある。 月曜も、あると思った本がなかったので、ちょっと本棚をぶらぶらした。なんか小説を借りよっかなーと、小...

図書館では本を返して、それと交換のように予約本を借りることが多いけれど、本の確保や回送のタイミングで、本を返しても出てくる本がなく、貸出カードにちょっとスキマができるときがある。 月曜も、あると思った本がなかったので、ちょっと本棚をぶらぶらした。なんか小説を借りよっかなーと、小説の棚へ行き、重松清の単行本はたくさんあったものの、やたら厚い本が多かったので(重そう…)と敬遠し、文庫棚を見ていると、この『小さき者へ』があった。抜いて、裏表紙の紹介をちらっと見ると「お父さんが…「家族」と「父親」を問う全六篇」とあり、『かあちゃん』読んだとこやしなー、父ちゃんを読んでみるかなと借りてきた。 表題作で、息子に出せない(出さない?)手紙を夜な夜な書き続ける父親は「来年四十歳になる」。三九歳で十四の中二の息子がいる、それは十分ありうることだと頭ではよくわかるが、すでに不惑を迎えている自分は(うわあ)とちょっとびっくりする。 もう20年くらい前、ご年輩の女性たちに話を伺う仕事をしていた頃に聞いた話の断片を今もときどき思い出す。ある女性は、子どもをもつことで、親はいつか、子どもに頭を下げるのだと言っていた。子どもに頭を下げるために子どもをもつわけではないだろうが、親は子どもに教えられて、誤りを認めるときがくる、というような話だった。 20代の半ばころからだったか、ずっと、うっとうしいほどだった親が、小さく感じられるようになった。親のようにはなりたくない、と頑固なほどに思っていたのは、それとともに少しずつほどけ、なんやかや言っても親に似ている部分を自分のなかにみつけて、そうはなりたくなかったような、しかたないかと思うような気持ちを感じるようになった。 親のほうはどうだろうかと思う。 母にはもう訊けないが、子どもという自分とは別の人間を、どこかで自分の思うようにしたかったのではないかと、今も父の中にはたまに感じて、それをたたきのめしたいほどの気持ちに駆られる自分もいる。 文庫の巻末には、華恵が書いた「小さき者から」という解説が収められている。「徹底的に壊れた女の子の姿を、いつか描いて欲しい」と三年前の日付で華恵が書いている。 重松清がいつかそういう話を書いたら、それはぜひ読んでみたい。

Posted byブクログ

2009/12/08

最近重松作品ばかり読んでいる気がします。 父親と子供(息子・娘)の関係を描いた作品。 父親(オヤジ)モノと少年モノ…これは重松さんお得意のジャンルなので安心して読めました。 *海まで これ切なかったです。 兄弟(姉妹)の方は共感できる人が多いんじゃないかな? 私も姉...

最近重松作品ばかり読んでいる気がします。 父親と子供(息子・娘)の関係を描いた作品。 父親(オヤジ)モノと少年モノ…これは重松さんお得意のジャンルなので安心して読めました。 *海まで これ切なかったです。 兄弟(姉妹)の方は共感できる人が多いんじゃないかな? 私も姉妹なのでここまでではないですが、ところどころ共感できました。 コンプレックス…わかっているのに直せないものですよね。 *フイッチのイッチ 片親の少年と少女の話。 これも切ない…。 健気な主人公に心撃たれました。 *小さき者へ やっぱり表題作って感じでした。 これだけ唯一、手紙で息子に語りかけるお話です。 ビートルズがキーワード。 レコードの話は印象深かったです。 *団旗はためくもとに 高校を中退しようとする娘と父親の『押忍!』の話。 こんなお父さん自分だったら嫌だけど少し憧れるのも事実。 応援って素敵だなと思えた1冊。 チアやってるからなんとなく通じるものがありました。 *青アザのトナカイ ダメな父親の話。 とりあえず奥さんが素敵な人だと思いました。 私だったらこんな旦那さん別れてます。 *三月行進曲 少年野球の監督のお話。 スポーツもの好きなので面白かったです。 重松さんは野球好きですよね。 今回もいつもながら重かった。 でも心理描写がすごくリアルです。 私は表題作と「海まで」が印象強かったです。

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2010/03/29

■重松清さんの全作品を感想文にしてブログで挑戦中です。 重松清ファン必見! http://wwjdkan01.blog68.fc2.com/

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2009/10/04

父と子、家族のお話が6篇入っています。 タイトルにもなっている「小さき者へ」が個人的に一番胸に「じ〜〜〜〜〜〜〜ん」と来ちゃいました。 全部のお話が「じ〜〜〜〜〜〜ん」と来る要素に溢れているんですが、自分の父親と重ねてしまったのがこの作品でした。 お父さんの青春時代、お父さんが...

父と子、家族のお話が6篇入っています。 タイトルにもなっている「小さき者へ」が個人的に一番胸に「じ〜〜〜〜〜〜〜ん」と来ちゃいました。 全部のお話が「じ〜〜〜〜〜〜ん」と来る要素に溢れているんですが、自分の父親と重ねてしまったのがこの作品でした。 お父さんの青春時代、お父さんがお父さんに対して抱いた憤り。子供にしかわからない意地の張り合い。親には子供の気持ちなんてわからないんだとついつい考えてしまいがちですが、違うんですよね〜。 お父さんは子供の気持ちはいた〜いほどわかるんです。でも色々な知識や知恵を年を重ねるうちに身に付けちゃって、子供からは自分を理解してくれているようには全くもって見えないだけ。 そんなことを感じてしまいました。

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2009/10/07

読み終わった後、一つ一つが、とても短編集には感じられない。 短編一つの中で、私たちをこんなにひきこむのか。 安易なハッピーエンドに終わらない、 私たちの生活にとても近い物語たちです。

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2009/10/07

やさしかった。 読み終わったあとになんかほっとする。 応援してくれる人がいるって すごくしあわせなこと。

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2009/10/04

微妙な年ごろの子供とお父さんとの様々なやりとりを収めた短篇集。 お母さんよりちょっと子供と接する時間は短いけど、お父さんだからわかる子供の気持ちもあるんだなぁ。

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2011/07/01

20/12/18 75 親は、どんなときにもベスト盤を子供の為に、良かれと思って選んでしまうものなんだな。そして、子供の本当に聞きたい曲に限ってベスト盤には入っていないんだな。 青あざのトナカイ>脱サラ、ピザ屋>ケーキ屋の親子、息子の誕生日に開店。

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2009/10/07

この人はなんでこんなに上手いんだろう…。作品としてのインパクトや派手さは無いけれど、現代の家族をテーマにした作品で、ここまで見事に描ける人を俺は知らない。 読んでいて色々と思ったことはあるが、一番感じたのは、今のために生きるか、明日のために生きるかと言うこと。 「もしも」と言う思...

この人はなんでこんなに上手いんだろう…。作品としてのインパクトや派手さは無いけれど、現代の家族をテーマにした作品で、ここまで見事に描ける人を俺は知らない。 読んでいて色々と思ったことはあるが、一番感じたのは、今のために生きるか、明日のために生きるかと言うこと。 「もしも」と言う思いが未来に向けてではなく、過去に向かったとき、人は老いを感じ、衰えていくのだろうと思った。そこから始まる生き方もある。作者の生き方、考え方とは異なるかも知れないが、個人的には死ぬまで未来に向かって「もしも」を描いていきたいと思った。

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2009/10/04

とっくのとうに14歳を過ぎている自分としては、 平和だったな、あの頃は。 としか思い出せない、たぶん真剣に生きてなかったんだと思う。 父親になって14歳の息子を見て、ふと振り返ることってあるのかな? あのころ特有の悔しさや恥ずかしさを経験したからわかることって大きくて、 ...

とっくのとうに14歳を過ぎている自分としては、 平和だったな、あの頃は。 としか思い出せない、たぶん真剣に生きてなかったんだと思う。 父親になって14歳の息子を見て、ふと振り返ることってあるのかな? あのころ特有の悔しさや恥ずかしさを経験したからわかることって大きくて、 それを正しく?経験できたことってやっぱり財産だと思った。 短編だけだったけれど、誰かは誰かのために生きている、そう強く思った。

Posted byブクログ