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ハピネス の商品レビュー

3.8

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

    4

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2024/05/23

普遍的なテーマで、野ばらちゃん作品にしてはかなりライトに読みやすい。 普段よりストレートな文章、素直なメイン登場人物の心情が逆にとても切なく感じてきます。 個人的には、Innocent Worldでしこたまお買い物をするお金を渡す両親の気持ちを考えると、胸がキュッとなりました…...

普遍的なテーマで、野ばらちゃん作品にしてはかなりライトに読みやすい。 普段よりストレートな文章、素直なメイン登場人物の心情が逆にとても切なく感じてきます。 個人的には、Innocent Worldでしこたまお買い物をするお金を渡す両親の気持ちを考えると、胸がキュッとなりました…。

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2024/02/23

ああ〜〜〜〜懐かしい…。 そうそう、こういうのが野ばら節だよな…。 ロリータ系ブランド名称の羅列っていう字面がなんかもう懐かし過ぎわろた。

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2022/05/08

「あと一週間で死んじゃうの」そう告げた彼女との、真摯でイノセントな一週間…。  似たような話、もちろんあります。できてるパターン、と言えるかもしれません。でも、本文の最後の方に、語り手の僕はこう言ってくれています。「愛する人と死別する。よくある話なんだ。──なのに、どうしてこんな...

「あと一週間で死んじゃうの」そう告げた彼女との、真摯でイノセントな一週間…。  似たような話、もちろんあります。できてるパターン、と言えるかもしれません。でも、本文の最後の方に、語り手の僕はこう言ってくれています。「愛する人と死別する。よくある話なんだ。──なのに、どうしてこんなにも、それが苦しい? 遣り切れない? 耐えることが出来ない?」 死とは非日常なのかも知れませんが、それでも毎日、死は生きています。命が生まれることと同じくらい、死も普遍に存在しています。よくあることなんです。でも、それでも── 野ばらさんがそこを捉えて無垢に、イノセントにこの世界と死を見つめて書いたのが、本作です。Innocent World等のロリータファッション描写もやはり特徴的ですが、やはりなんと言ってもこの作品を真に優美で、儚くて、夢幻に表現しているのは、雅馴な文体で語られる「生と死」そして「エロティシズム」にあると、個人的には思います。 野ばらさんはロリータに造詣がある一方で、バタイユの言うエロティシズムにも言及されているお方です。似たような感じの小説を読んだことがあまり無いのであれですが、野ばらさんは抱擁、接吻の愛表現のほか、セックスの場面も惜しむことなく描写している。バタイユはエロティシズムを「死におけるまで生を称えること」だと言いましたが、野ばらさんの文章には図らずともそういった「死のエロス」的な感慨も感じられるようで、他の作家さんとは皮を一枚剥いだような、エロティシズム──愛というもの、死というもの、生というものに迫っていると思います。そして、更にそこにInnocent Worldに寄せる「彼女」の真摯で無垢な思いや、世間の常識をねじまげても突き進もうとする「強さ」が加わって、この『ハピネス』はできているのではないでしょうか。 魂、震えました。ほんとうに、素敵なお話を書くお方です。ありがとうございました。

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2022/03/11

8/10. めっちゃ響いた。ボクも若い頃好きなファッションをするには色々遠慮して、ようやくこんな微妙な年になってから手を出せるようになった。自分の死が宣告されたらもっと早く、もっと徹底的に出来たかどうか分からないが、とにかくこの傑作を読んでなおさら頑張りたい。恋は美しい。

Posted byブクログ

2022/02/08

図書館で借りた。 嶽本野ばらは「スリーピングピル」以来の読書。 私にはロリータファッションへの憧れは無いが、年若い少女なら一度はそんなのに憧れるのだろうか?昔、ピンクハウスが流行ったように。 ロリータファッションと薬、薄命な少女というのはなんと相性がいいのだろう。ロリータ服の少女...

図書館で借りた。 嶽本野ばらは「スリーピングピル」以来の読書。 私にはロリータファッションへの憧れは無いが、年若い少女なら一度はそんなのに憧れるのだろうか?昔、ピンクハウスが流行ったように。 ロリータファッションと薬、薄命な少女というのはなんと相性がいいのだろう。ロリータ服の少女がメンヘラがちなのは何か因果関係があるのだろうか…。

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2020/05/29

物心ついて、はじめて好きになった小説が嶽本野ばらでした。あれから長い月日が経って、読み返してみたけど、なんだろう、このすっと入ってくる感じ…好きなものって変わらないんだなぁということ、若いときにこんなに好きな本に出会えたことは奇跡に近いんだなと大人になった今、思いました。 心から...

物心ついて、はじめて好きになった小説が嶽本野ばらでした。あれから長い月日が経って、読み返してみたけど、なんだろう、このすっと入ってくる感じ…好きなものって変わらないんだなぁということ、若いときにこんなに好きな本に出会えたことは奇跡に近いんだなと大人になった今、思いました。 心から大切だと思えるものに出会えたことは、この主人公と一緒だ、と思った。彼女は、とても若いうちに亡くなってしまうけど、恋人である男の子に出会ってこれ以上ないというほど愛することができた。大好きな洋服に出会えて、短いけどロリータ人生を謳歌することができた。 自分らしくいること、自分らしく生きることって難しい。私が嶽本野ばらが書く女の子が好きな理由って、それぞれが好きなものを強く持っているからだ。まさに彼女はそれをもって全力で生きた。 実は最近先の見えない日々に、繰り返される毎日に、なんで生きてるんだ?なんて考えてしまったりしたけど、じんわりと生きねばという気持ちが湧いてきた…じめっとしてる場合じゃない。結局は困難な出来事があったとしても、それとどう向き合うかが大切なんだなということを教えてもらいました。  

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2018/10/12

余命一週間の高二の彼女がInnocent Worldに身を包み同級生の僕とお買い物をしカレーを食べお泊まりをする。彼氏と過ごす事を優先し両親もそれを尊重する事に多少違和感。でも愛なんだろうな。陳腐にならない信念のある空気が良い。彼女の希望のままな祭壇の花や骨壺が切ない。著者の丁寧...

余命一週間の高二の彼女がInnocent Worldに身を包み同級生の僕とお買い物をしカレーを食べお泊まりをする。彼氏と過ごす事を優先し両親もそれを尊重する事に多少違和感。でも愛なんだろうな。陳腐にならない信念のある空気が良い。彼女の希望のままな祭壇の花や骨壺が切ない。著者の丁寧語な文章はすんなり入って来てすき。

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2017/06/20

そういえばこの作品では、名前が一切出てこなかったように思う。 それと語り口調も敬語。 「平凡」という言葉がすべてのキーワードなんだろうな。

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2015/09/21

15/09/21 さくっと読めました。初めてこのひとの本を読みましたが、ちょっと稚拙なとこあるね。何より驚いたのは裏表紙内側の帯に載ってる著者の顔写真を見たこと。男のひとだったのね。そして何より本人がロリータ好きなのかな。 ・徐々に完璧なロリータさんになるなんて悠長なことはいって...

15/09/21 さくっと読めました。初めてこのひとの本を読みましたが、ちょっと稚拙なとこあるね。何より驚いたのは裏表紙内側の帯に載ってる著者の顔写真を見たこと。男のひとだったのね。そして何より本人がロリータ好きなのかな。 ・徐々に完璧なロリータさんになるなんて悠長なことはいってられないの。私に遺された時間は余りに短いから」(P3) ・わたくし、改めて、お洋服の力の偉大さを痛感いたしましたわ」(P5) ・でもね、そんな時は、明日、君に逢うって約束を思い出すんだ。(P67)

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2013/06/05

零れ落ちはしなかったけど、うるうる致しました。 内容の割に全く湿っぽくなくて端的な文章。 文字であるにも関わらずお洋服を楽しめる小説なのはさすがの野ばらさん。

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