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誠実な詐欺師 の商品レビュー

3.9

49件のお客様レビュー

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2024/04/25

人はみな周りの人に影響されながら生きている。芸術家のアンナ、過剰に誠実さを求めるカトリ、それぞれ強烈な個性を持つふたりもまた、ともに過ごすうちに揺らぎ、崩れ、変わっていく。犬もまたしかり(そしてマッツだけは変わらない)。 春の訪れは決して穏やかで喜ばしいだけではないと教えてくれ...

人はみな周りの人に影響されながら生きている。芸術家のアンナ、過剰に誠実さを求めるカトリ、それぞれ強烈な個性を持つふたりもまた、ともに過ごすうちに揺らぎ、崩れ、変わっていく。犬もまたしかり(そしてマッツだけは変わらない)。 春の訪れは決して穏やかで喜ばしいだけではないと教えてくれる作品。

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2024/03/12

読みやすい。すべての登場人物は著者人身のことを語っているのではないか。つまり誠実な詐欺師も船の設計をする弟も、ひとりの人間の中で生まれている葛藤なのでは無いかということ。兎……犬に食われた。犬……黄色い目の犬は野良犬へなった。もう主従関係は必要ないのだ。兎は、分からない。

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2024/02/15

開始: 2024/2/13 終了: 2024/2/15 感想 どこまでも誠実であろうとする。他人にも、数字にも。仕事に対して真っ直ぐの敬意を払う。だけどそれは冷たく見える。血は通っているのに。

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2024/01/07

ムーミン谷とは全く違う世界が展開されましたが、ヤンソンの中ではなんら矛盾するところはないのだろうと感じます。私たちが暮らす社会を理想主義的な目で見ればムーミン谷が出現するし、現実的に見ればこの小説のように表される。

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2023/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カトリとアンナ マッツ 心理サスペンス?ぽく 先が気になって読む 面白いというのは語弊があるが 不思議な不気味な吸引力がある物語 人の心のぶつかり合い カトリが壊れた? どこへ行ったか どうなったか分からず 人と人の関わり合いでどちらとも変わる それを元々目的と好意なしから始めたことで カトリは耐えられなくなった? マッツと犬がじぶんから離れて?

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2023/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

老女アンナは人を疑うことを知らない財産家。25歳のカトリは高い数学力をもって、人々のごまかしを見抜く、誠実さで名高い娘。ただし、愛想の1つも言わないので、村人からは友人としては慕われない。 カトリが弟マッツにボートを買い与えるための資金をつくるために、アンナの財産を「誠実」な方法で狙う。 交流する中で、アンナは人を疑うことを知り、カトリは優しく接することを覚える。頑固とも思えるカトリが最後に、嘘に耐え切れずに告白することを見ると、トーベは「優しさ」が勝つ、といいたいのかな。

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2023/03/31

犬と出歩く女性、兎のような見た目の屋敷に住む老女、男性は船を作り、女性はかぎ針のベットカバーを作ることで生計を立てている、と物語に登場するモチーフは絵本のようなのに、物語の本筋は人の心の機微を重たく捉える。 ふわふわとした絵本のような世界観と、重たい文面のギャップが新鮮だった。 ...

犬と出歩く女性、兎のような見た目の屋敷に住む老女、男性は船を作り、女性はかぎ針のベットカバーを作ることで生計を立てている、と物語に登場するモチーフは絵本のようなのに、物語の本筋は人の心の機微を重たく捉える。 ふわふわとした絵本のような世界観と、重たい文面のギャップが新鮮だった。 自分が相手を懐柔し、影響を及ぼそうと画策するとき、自分もまた相手の影響を受けざるを得ない。 犬の変わりようが悲しい。 フィンランド旅行が決まったので手に取った。

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2022/08/16

誠実な詐欺師(ちくま文庫) 著作者:トーベ・ヤンソン 発行者:筑摩書房 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdof...

誠実な詐欺師(ちくま文庫) 著作者:トーベ・ヤンソン 発行者:筑摩書房 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdofree.com/ 味わって読みたい長編小説。

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2022/05/31

誕生日プレゼントの中に入っていました。 主人公の女の子に似てるから、と言われた。 硬いリーンなパンのようで読みにくくて止まっています。 上質な物語であることはわかります。 少しずつ噛み砕いていくつもり。

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2022/03/06

接客を主な生業にしているわたしにとって、今この悩みの時期にこの作品に出会ったのは運命とも言える。「礼儀正しさは時に欺瞞」という表現が胸に刺さった。 自分らしさとは?誠実とは?じっくり考えたい今「誠実な詐欺師」であるカトリは先を行き、振り返ってわたしを見つめているよう。シンプルか...

接客を主な生業にしているわたしにとって、今この悩みの時期にこの作品に出会ったのは運命とも言える。「礼儀正しさは時に欺瞞」という表現が胸に刺さった。 自分らしさとは?誠実とは?じっくり考えたい今「誠実な詐欺師」であるカトリは先を行き、振り返ってわたしを見つめているよう。シンプルかつ北欧の冬の土壌のように泥臭い、深くストーリーだった。

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